2022年の外貨投資は、金利と新興国のドラマチックな動きに要注意!

2022年の外貨投資は、金利と新興国のドラマチックな動きに要注意!

2022年、新しい年が始まりました。本年もよろしくお願いいたします。

さて、2021年は、外貨投資に、大きな影響を与える米国の金融政策が変化した年。そう、緩和から緩和縮小=テーパリングへと舵を切りました。では、2022年の大きな話題は何でしょうか。私は、米国の利上げが、金融市場に与える影響に注目しています。

2022年は、米国の利上げが鍵を握る外貨投資と金融市場

紛争・パンデミックと話題は、数あれど、投資の世界に、大きな影響を与えるのは、「金利」が一番。

昨年は、今後のインフレ動向次第で、米国の長期金利上昇=米ドル高へと動く可能性があると予想しましたね。実際、米ドル/円は、116円台に到達し、米ドル高円安方向へと為替相場は、動いています。

2022年は、いよいよ、FRBによる利上げが行われる可能性が高く、米国の長期金利(10年債)の上昇。米ドル高が予想できます。

いよいよ世界で金利が動き出す 新興国の動きに要注意!

米国のテーパリングをはじめとする中央銀行の金融引締

英国、カナダ、NZ、オーストラリアなども量的緩和縮小から利上げ方向。そのため、2022年は、各国の金利が上昇していきそうです。ということは、2022年以降は、外貨投資にかぎらず、資産運用は、金利との比較で選ぶ時代が来るということ。

一方、日銀とECB(欧州中央銀行)は、金融緩和を維持していることから、米国との金利差と米ドル高の動きに注目したいところ。

もうひとつ、大事な事は、永久的な量的緩和を日銀が続けるとは限らないこと。いつか、日銀の緩和が終わる時、それは、今までの流れが逆回転すると考えておくべき。

その理由として、インフレ率を考えてみましょう。米国のインフレ率が4%なら、それだけ、米ドルの価値が落ちたとも言えます。日本のインフレ率が0%なら、本来、4%分だけ、米ドルの価値が下がる未来が見えています。

つまり、短期的な米ドル高の後、どこかのタイミングで、米ドル安円高の波が来る可能性もあるということです。もちろん、今日明日の話ではありませんので、このことは、心の中にしまっておいてくださいね。

●各国の消費者物価指数

インフレ率について

米英・ユーロ圏は、消費者物価指数の上昇幅が大きい。日本は、まだ小さく、急いで利上げをする状況にはありません。

インフレと米国の利上げで苦しくなる新興国

さて、米国のテーパリングで、金余りのジャブジャブ相場は、転換点を迎えつつあります。そして、米ドル高が進めば、苦しくなるのは、新興国。ただでさえ、インフレによる資源や食料品が高騰する中、資源を生産しない国の経済は、どう考えても苦しい。今後も資源価格の上昇や高値安定が続けば、新興国の中でも、資源を生産する国・しない国での二極分化が進みやすいでしょう。

食品やエネルギー価格を輸入に頼る国々は、インフレと資金流出のダブルパンチ。それは、通貨の乱高下をもたらすため、2022年、新興国への投資は気をつけなければいけない状況

コロナやインフレで拡大する先進国と新興国の差

新型コロナウイルスの始まりから約2年。感染拡大&重症化を抑えるために、ワクチンが効果を発揮しました。しかし、日本の約80%を筆頭に、先進国は、70%ほどは接種しています。ところが、低所得の発展途上国の接種率は、低いまま。アフリカの接種率は、ユニセフによると約5%程度。この差は大きいですよね。

発展途上国の接種率が低いままだと、世界全体での感染数減少につながらず。新たな変異株登場によるパンデミックも起きかねませんし、社会不安も起きがち。

2022年の外貨投資は、新興国の抱えるリスクに注意したいところです。