株式投資は副業禁止でも原則可能|勤務先に秘密にしておくコツも紹介

株式投資における副業について、プロが解説!!

日本人の平均給与は、過去30年間ほとんど変わっていないといわれます。
なかなか昇給が期待できないとなれば、副業の重要性が増すのは当然でしょう。

副業として代表的なのが、株式投資
始めるのが簡単なうえ、好きな時間にできるからです。

ただ、いまだに副業を禁止している会社や団体が存在します。
副業を認めていたとしても、歓迎しない雰囲気が社内に満ちていれば実質的には禁止されているのと変わりません。

そこで、この記事では主に以下に掲げるテーマについて、分かりやすく解説いたします。

  • 副業禁止でも株式投資が原則可能な理由
  • 勤務先に株式投資を秘密にしておくためのコツ
  • 副業として株式投資を始める場合の基礎知識

どうぞ最後までご覧ください。

副業禁止の会社員・公務員でも株式投資なら原則可能

原則的には、副業は勤務時間外であれば自由にできます。
憲法22条に「職業選択の自由」が明記されているからです。

それでも、企業による副業の禁止・制限が認められるケースは存在します。

しかし、主な禁止理由は「過重労働の防止」「企業秘密の流出防止」などです。
これらは、株式投資を禁止する根拠にはなりません。

加えて、世の中の流れも、副業解禁へと向かっています。

2018年1月、厚生労働省は『モデル就業規則』から副業禁止の規定を削除しました。
2020年9月には、『副業・兼業の促進に関するガイドライン』を改訂し、副業を推奨しています。

つまり、副業は原則自由であり、国も解禁を推奨しているのです。

また、公務員の副業禁止については、「国民の一部ではなく、全体に奉仕すること」を求める憲法15条が関係していると考えられます。
(直接適用される法的根拠は、国家公務員法103条・104条、地方公務員法38条)

たしかに、公務員が営利目的で副業すれば、特定の企業や業種の優遇につながる危険はあるでしょう。

ただ、副業の定義はあいまいで、株式投資を副業と定めた法律は存在しません。
そのため、法律上は株式投資を行っても副業したことにはならないのです。

そのうえ、個人規模の株式投資であれば、憲法15条の精神に反するともいえないでしょう。

したがって、副業禁止の会社員や公務員であっても、株式投資を行うことは基本的に問題ありません。

参考 日本国憲法e-Gov法令検索 参考 副業・兼業厚生労働省 参考 国家公務員法e-Gov法令検索 参考 地方公務員法e-Gov法令検索 参考 副業禁止は法律的にOKなの?企業が副業を禁止する理由についても解説リーガライフラボ

インサイダー取引にあたる株式投資は許されない

副業として株式投資を行うかどうかは、基本的に個人の自由です。

ただし、株取引に有利なインサイダー情報(未公表情報)を勤務先で得られる場合は、話が変わります。
インサイダー情報を使った株式投資はインサイダー取引と呼ばれ、金融商品取引法で禁じられています。

もしインサイダー取引が起こった場合、情報を知らない一般投資家が不利な立場に追いやられるのは明らかです。
証券市場の信頼も損なわれかねません。

そこで、日常的にインサイダー情報を取り扱っている、証券会社・保険会社・銀行といった金融機関では、従業員の株式投資を禁止・制限しているケースが珍しくありません。

したがって、株式投資の禁止が社内規定に明記されている場合は、別の副業を検討したほうが無難です。
判断が難しい場合は、法務部に確認を取りましょう。

なお、インサイダー取引は、行為そのものが規制対象です。
一般企業に勤めている方でも、インサイダー情報を使って株式投資を行えば、法律違反として処罰の対象となるのでご注意ください。

参考 金融商品取引法e-Gov法令検索

株式投資は税金に注意すれば勤務先にバレにくい

法律や社内規定に問題がなくても、副業を勤務先に知られたくないケースは考えられます。

その場合、副業のことを勤務先の誰にも話してはならないのはもちろん、もう1点気を付けるべきことがあります。

それは、住民税です。

住民税は、前年度の収入をベースに納税額が計算されます。
そのため、納税額が本来よりも高くなっていれば、副収入の存在を疑われてしまいます。

そこで、以下の2点を守ることをお勧めします。

  1. 口座開設のときに「特定口座(源泉徴収あり)」を選択
  2. 株を買い付けるときに「特定口座」を選択

源泉徴収される税金には、住民税が含まれます。
ですから、株式投資で生じた住民税は、「特定口座」で源泉徴収してもらいましょう。

そうすれば、勤務先が目にする住民税の納税額は、本業の収入から生じた分だけになります。

ちなみに、源泉徴収を受けない場合は、株の利益や年収次第で確定申告が必要となります。

しかし、「特定口座」で源泉徴収を受けていれば、確定申告は基本的に必要ありません。
副業として株式投資を行う場合は、源泉徴収を受けておきましょう。

NISA口座を使ってもバレない
口座開設のとき、同時にNISA口座を開くことができます。
NISAとは、配当金や株の売却益が、毎年一定金額まで非課税になる制度です。
利益が非課税となる対象額の範囲内であれば、住民税は生じません。
よって、NISA口座を使った場合も、勤務先にバレる事態を避けられます。

副業なら長期投資を軸とすべき3つの理由

実際に株式投資を始めるにあたっては、投資スタンスを決めておく必要があります。
なぜなら、投資スタンスの違いによって、投資先などが変わってくるからです。

投資スタンスには大きく分けて、短期投資長期投資があります。

短期投資:購入時と売却時における株価の差益を重視
長期投資:企業の利益から生じる配当金を重視
※成長企業に対する長期投資については、株価の上昇も重視

短期投資はハイリターンを狙える反面、ハイリスクを伴います。
一方、長期投資はローリスク・ローリターンであることが一般的です。

副業として株式投資するのであれば、長期投資を軸とすべきでしょう。
その理由を3つほど、お話しいたします。

《理由その1》時間や手間がほぼかからない

短期投資では、株価の上下をつねに気にかけておかなければなりません。

ただ、副業の場合はリアルタイムで取引することは困難でしょう。
証券取引所の開いている時間帯は、勤務時間と重なることが多いからです。

東京証券取引所の取引時間
9:00~11:30
12:30~15:00
※平日のみ、土日祝と年末年始は休み

その点、長期投資であれば、日中の細かい株価の変動を気にする必要がありません。

いったん購入した株は基本的に手放さないので、インターネットの証券会社を使って売買の予約注文をしておけば十分に対応できます。

また、取引に時間を取られることが少ない点も、副業向きといえるでしょう。

短期投資なら夜間取引に対応した証券会社を選ぶ
どうしても短期投資を行いたい場合は、SBI証券やマネックス証券の夜間取引(PTS取引)を利用することが考えられます。
しかし、夜間取引は証券取引所を介さない、証券会社が独自に運営するシステムです。
そのため、売買ボリュームが少なく、取引が成立しにくい傾向があります。

《理由その2》手数料がかさみにくい

株式投資においては、基本的に取引1回ごとに手数料がかかります。

取引回数が非常に多くなるのであれば、1日の手数料が定額になる契約を選ぶ手もあります。
ただ、株式投資を副業として行うのであれば、定額契約で想定された取引回数には至らないでしょう。

つまり、短期投資は取引回数の分だけ、利益が圧迫されることになります。
もし株価の変動が少なければ、手数料の分だけ利益がマイナスになってしまうかもしれません。

一方で、長期投資は取引回数が少なくてすみますから、手数料があまりかさみません。
一度購入してしまえば、売却時まで手数料がかからないのは長期投資のメリットです。

副業のために出費がかさんでしまっては、本末転倒でしょう。
手数料を考えても、副業には長期投資が向いているといえます。

《理由その3》株に関する難しい知識がなくても始めやすい

短期投資の場合、株式投資に関する高度な知識とスキルが求められます。

企業の経営や市場に関わるニュースといった、ファンダメンタルズ分析。
チャートの動きから将来の株価を予測する、テクニカル分析。

短期投資は細かい分析で利ざやを得ていく必要があるため、ハードルが高めです。

その点、長期投資であれば、短期投資ほどの細かい分析は必要ありません。
なぜなら、保有している株の株価が一時的に変わったところで、最終的な利益にはほとんど影響しないからです。

また、各企業は企業価値の維持や向上に日々努めています。
たとえ株価が一時的に下がったとしても、大抵はそのうち元の水準に回復するでしょう。

そのうえ、株は保有しているだけで配当金が入ります。
したがって、トータルでみると収益はプラスになることが大半です。

つまり、株価の細かい変動を気にしなくてよい点も、長期投資のメリットといえます。

とはいえ、投資先の経営危機・倒産リスクは、つねに頭に入れておかなければなりません。
どれほど有名な企業でも、不正会計や不祥事の発覚により株価が暴落する危険がゼロではないからです。

また、コロナ禍が飲食・旅行業界を直撃したように、特定の業界に所属する企業が一斉に苦しくなることもあります。

ですから、以下に挙げた株式投資の基本は、必ず押さえておきましょう。

  • 余裕資金の範囲で株式投資する
  • 株価の暴落時に見切りをつけるための“損切りライン”を決めておく
  • さまざまな銘柄・業界にバランスよく投資する

株式投資の口座開設にはマイナンバー確認書類が必須

株式投資を始めるとき、真っ先に必要となるのが口座開設です。

口座開設の申し込みは、基本的に各証券会社のWebページで完結できます。
平日の日中に店頭で口座開設するのが難しい方は、インターネット上で申し込むとよいでしょう。

口座開設の際に必要となる主な書類は、以下の通りです。

  • マイナンバー(個人番号)確認書類
  • 本人確認書類(運転免許証、健康保険証、住民票の写しなど)
  • 金融機関の口座

注意したいのは、マイナンバーカードの有無で、必要書類の組み合わせが変わる点です。
マイナンバーカードを作っていない場合、本人確認書類を2点以上求められる可能性があります。

ちなみに、必要書類は証券会社のWebサイトに記載されています。
マイナンバー確認書類は必須なので、優先的に用意しておきましょう。

なお、口座開設の手続きが完了してから取引のできる状態になるまで、1週間ほどかかるケースがあります。
手続きした日から株式投資を始められるわけではないので、早めに申し込んでおきましょう。

副業に向いているオススメ証券会社を3社紹介

インターネットで証券会社を選ぶのなら、信頼性の高い大手企業を選んでおくのが確実です。
メジャーな証券会社のほうが、使い勝手や取引条件などで有利な場合が多いからです。

また、副業で株式投資をする場合、事前に十分な資金を準備できるとは限らないでしょう。
そのため、取引手数料の安さや、少額資金での始めやすさなどを比較して、証券会社を選びたいところです。

そこで、副業で利用しやすい証券会社を3社ご紹介いたします。

SBI証券:総合力の高さで口座開設数No.1の証券会社

SBI証券
画像引用元:SBI証券

2021年4月~6月に、国内株式個人取引シェアNo.1を獲得したのが、SBI証券です。
グループ内における証券口座の開設数は720万件を超え、業界トップを誇るほどの人気があります。

1注文あたり55円~という手数料は、主要ネット証券会社で最低水準。

さらに、リスクはあるものの株価の上昇を期待しやすいIPO(新規公開株)や米国株、中国株といった外国株の取り扱いも豊富です。
国内株式に慣れて、新たな投資先を探し始めるときも困らないでしょう。

SBI証券はネット上でも総合的な評価が高いので、証券会社選びに迷ったときにお勧めです。

マネックス証券:少額資金で購入できる“ワン株”が強み

マネックス証券
画像引用元:マネックス証券

証券取引所で取り扱っている株式といえば、100株単位などで売買されるケースが一般的です。
そのため、1株2,000円の株式なら、20万円以上の資金を用意しなければなりません。

しかし、マネックス証券なら1株単位で購入できる“ワン株(単元未満株)”が買えます。
そのうえ、主要ネット証券のなかで唯一、“ワン株”の買付手数料が無料です。(2022年3月時点)

そのため、少額で副業を始めたい方にお勧めの証券会社といえます。

また、一般的な株取引(現物取引)の手数料も、主要ネット証券会社の最低水準である55円~へ引き下げられました。

なお、米国株の取り扱いも豊富で、2022年1月時点で5,000銘柄を突破しています。
米国株を買い付けるときの為替手数料が無料である点も見逃せません。(2022年4月時点)

少額から始めて、将来的には米国株などにもバランスよく投資していくことができるのが、マネックス証券の強みです。

楽天証券:楽天ポイントを投資に回せるのが特徴

楽天証券
画像引用元:楽天証券

楽天証券は、楽天グループに属するネット証券会社です。

楽天銀行と同時に口座開設すれば、楽天ポイントがもらえるキャンペーンに申し込めます。
また、楽天カードと連携することで、さらに楽天ポイントを貯めやすくなります。

貯まった楽天ポイントは、株式投資の資金として使うことが可能です。
上手く活用すれば、資金の負担を和らげることができるでしょう。

楽天が提供するサービスを連携させる、楽天のヘビーユーザーにぜひお勧めしたい証券会社です。

なお、楽天証券は株式投資に使える2つのツールを提供しています。

  • MARKETSPEED:投資情報を得るためのツール
  • iSPEED:実際に株取引するためのツール

以上の2つはいずれもインターネットでの評判が高めです。
使いやすいツールが手に入る点も、楽天証券を選ぶメリットといえるでしょう。

まとめ

この記事では、主に以下に掲げる点を中心に解説いたしました。

  • 副業禁止でも株式投資が原則可能な理由
  • 勤務先に株式投資を秘密にしておくためのコツ
  • 副業として株式投資を始める場合の基礎知識

まず、副業禁止の会社員や公務員であっても、株式投資は原則可能です。
なぜなら、勤務時間外の過ごし方は個人の自由であり、また法律上は株式投資が副業にあたらないからです。

ただし、インサイダー取引の恐れなどから、就業規則などで明確に株式投資を禁止しているケースがあります。
その場合は、例外的に株式投資は不可能なので、ご注意ください。

次に、副業していることを勤務先にバレたくない場合は、住民税にお気を付けください。
基本的には、「特定口座(源泉徴収あり)」で口座開設し、株の購入時に特定口座(またはNISA口座)を選ぶことで対処できます。

続いて、株式投資を始めたら、長期投資を軸とするのがお勧めです。
その理由としては、主に以下の3つが挙げられます。

  1. 時間や手間がほぼかからない
  2. 手数料がかさみにくい
  3. 株に関する難しい知識がなくても始めやすい

最後に、実際に口座開設を行う際は、マイナンバー確認書類が必須です。
本人確認書類、銀行口座とともに、必ず用意しておきましょう。

株式投資は、早く始めたほうが基本的に有利となります。
投資している時間が長いほど、獲得できる配当金は多くなりやすいからです。

副業には、株式投資がお勧めです。
まずは、証券会社の口座開設から始めてみてください。