こんにちは、鈴木優平です。
今回は「東京オリンピックがもたらす不動産への影響」についてお話しします。
来年に延期された東京オリンピックですが、よくある質問として「閉会後は不動産価格が下がるんじゃないの?」と心配される方がいますよね。
私もこの質問を100回くらい受けています。
これは正直言って、未来のことなので分からないっていうのが本音なんですけどね。
その上で個人的な見解を言うと、東京オリンピックが行われることによって、ファンダメンタル的な影響などで不動産価格が下がるという可能性はあるのかもしれません。
しかし、事実をしっかりと捉えていただきたいんですよ。
実際にどのように東京の地価が動いたかを見てみると、オリンピックが決まったことによって、色々な再開発やインフラ整備が進んでいます。
羽田空港の離発着便を増やす上で航路を増やしたり、新しい高速道路を開通させたり、地下鉄の延伸工事が進んだりとか、あとはバスの24時間運転も検討されていますね。
ちょっと滞っていた国のお金が、まだ投入されていなかったインフラの交通整備に使っていったおかげで、だいぶ整備されていったんですね。
これを契機に、2025年、2030年に向けても交通の便が良くなり、インフラの整備はどんどん進んでいくことが決まっています。
こうしたことが、東京オリンピックを行うことによって起きた事実なんですね。
そうした事実に目を向けながら、改めて先ほどの質問を考えてみると、実際に下がるかもしれないと考える理由は何もないんですよ。
目次
オリンピックによる日本の不動産への影響は?
景況感の中において「オリンピックが行われる!わー!」という盛り上がりの中で、不動産価格が下がってしまうかというと、そうではないのかなと思います。
オリンピックがあるから不動産を日本や東京でみんなが買っているのかというと、実際はそんなに買っているわけではないんです。
買っている方も少ないので、オリンピックが終わったからと売っちゃう方もそんなにいないわけですよ。
あくまで需要と供給の中で、購入される方がある一定数いて、売られる方が逆にそれより少ないのであれば値段は上がっていくでしょう。
基本的には需要と供給と、あとは開発によって何が行われたかということが、非常に不動産へ影響をもたらすことがあるんですね。
なぜオリンピック後のブラジルは崩れていったのか
ひとつ参考にすると、2016年のブラジルはオリンピックとワールドカップが開催されました。
ボベスパ指数(ブラジル株式市場の代表的な株価指数)も上がっていた時期でもありましたので、非常に期待をされていました。
しかし、結果的にどうだったかというと、オリンピックとワールドカップが終わったあとのブラジルは軒並み崩れてしまったんですね。
なぜかというと、ブラジルでは、オリンピックやワールドカップを行うため”だけ”の開発をしていたんですよ。
要は、ハリボテだったわけです。
その地域に住むような方々の交通の便がよくなって、ますますこの街に住むのが便利になった、というわけではありませんでした。
あくまでオリンピックやワールドカップを開催するためだけの工事しかしてなかったので、結果は振るわなかった、という見方ができます。
ロンドンのオリンピックを使った成功例
一方で、ロンドンオリンピックのときも振り返ってみましょう。
ロンドンの場合は交通インフラを、国がかなり力とお金をかけて整えていきました。
そうするとロンドンオリンピックが終わったあとから、ロンドンの不動産価格が伸びていったんですね。
それはなぜか。
ロンドンを実際に訪れた方々が「ロンドンってこんなに便利な街なんだ」と実感していったからです。
再開発やインフラ整備などを行い、どんどん便利になっていく様子をみて「ここに住みたい」という需要が増えていき、今までロンドンを重視していなかった方々も移住してくるようになりました。
その結果、ロンドンの住宅市場なんていうのは、今や世界で一番高い住宅市場になったわけですよ。
もしかしたら東京もオリンピックの影響で、今まで来られなかった海外の方も非常に多く来るかもしれません。
そんな中で「東京ってこんなにいい場所なんだ」と感じてもらい、需要が高まるかもしれません。
そして、すでに来たことがある人であれば、東京は非常に便利で安全、食事もおいしい、そういった世界に誇るものが数々ある都市だと、再認識してくれるでしょう。
東京という都市の価値が、この先さらに上がっていくのではと私は想像しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。