資産運用というと、株・投資信託と言った有価証券や不動産の運用などをイメージをお持ちの人が多いですが、実は多くの方が「万が一の時」のために加入している、保険を活用した資産運用の方法もあります。
とはいえ、保険商品をどのように運用していくのかを把握している人は少数かと思います。
当記事では、保険商品における資産運用の仕組みやメリット、デメリットについてまとめましたので、ぜひご覧くださいね。
目次
保険で資産運用ができる仕組みとは
そもそも保険で資産運用ができるの?
多くの方は保険で資産運用ができると言われても、どのようにすればいいのかすぐにピンとこないと思います。
一般的に認知度の高い保険の形式である、掛け捨て型の保険で資産運用をすることはできないのですが、貯蓄型の保険を選ぶことによって資産運用が可能となるのです。
貯蓄型の保険は万が一の時の保証をおこなうだけではなく、満期までお金を積み立てることで、支払ったお金以上の払い戻しの金が返ってきます。
積み立てで支払った保険料の全額を100%とすれば、100%以上の保険料が返金されるので、100%を超えた分がその保険の利回りということになります。
このように、貯蓄型保険を利用することによって、保険による資産運用を行うのです。
殆どの方々が保険の契約内容をおおまかに理解していても、前提とする保険の種類の違いを知らないまま安易に契約していると思います。
もし、保険への加入を考えているのなら、どんな種類があって、どうしてその保険に加入するのが適しているのか、自分が考える資産運用計画のどの部分に保険を当てはめるのかなどを理解することにより、単なる保険が資産運用に活用できる保険になるという事をまずはご理解ください。
保険で資産運用ができる理由
保険というものは本来、将来に何らかの資金が必要となる事象に対する備えとして加入するものです。
例えば、自動車保険であれば自動車事故の対応や怪我をした人の治療費、火災保険ならば家屋が被災した時の修繕や再建築費用などと言ったものです。
生命保険は契約者が亡くなった際に遺族に支払われる終身保険金、子供の教育資金の積立としての学資保険、大病の治療費を賄う医療保険などいくつかの種類が存在しています。
このうち、生命保険として販売されているいくつかの中には「貯蓄性」を伴う保険商品が多数存在します。
多くの方がイメージされる一昔前の終身保険は、被保険者にもしものことがあったタイミングでなければ保険金が支払われないため、支払いのタイミングと収益率は予測できず、不確定要素が多すぎるので、資産運用とは言えません。
この終身保険を「貯蓄目的」に進化させたさせたものが、資産運用として活用することのできる『貯蓄性保険』なのです。
現在の貯蓄性保険には多くの種類があり、ある程度の運用益を期待できる商品もいくつか出てきています。
これら貯蓄型保険を活用することで、資産運用として利用することが可能となるのです。
また、これらに特約として傷病時・死亡時の保障をつけたり、保険の受け取り方を調整したりすることができるものもあります。
このように投資性と保障の両面を満たすことができるのが保険での資産運用の特徴です。
そんな貯蓄型保険にですが、資産運用のメリットとデメリットを見ていきましょう。
貯蓄型保険による資産運用の3つのメリット
貯蓄型保険における資産運用には、3つのメリットが存在します。
運用が簡単
一番の特徴として運用が非常に簡単ということが挙げられます。
運用のほとんどを保険会社に任せておけるのです。
作業としては基本的に毎月決まった保険料を保険会社に振り込む、もしくは引き落としされるだけです。
幅広く困難な投資の知識は必要なく、気軽に資産運用ができます。
また貯蓄型保険は毎月自動引き落としで保険料が支払われることになるため、貯蓄があまり続かないという方も抜けなくミスなくしっかりと積立をすることができます。
リスクが低く将来どれだけ増えるか分かりやすい
また大きな理由として挙げられるのは、保険による運用は長期運用のためリスクが低く、将来いくら増えるかが分かりやすいことです。
そして保険による資産運用は、保険会社から提案された書類を見れば比較的簡単に、将来いくら増えるかなどを理解することができます。
一般的な資産運用では、自分が投資運用したお金が将来いくらになるのかは未確定です。
市場の状況により、予測していた以上にお金が増えていることもあれば、考えていた以上にお金が減ってしまうこともあり得ます。
これは資産運用の経験値が少ない人にとってみると、一番の不安要素になるかもしれません。
そして保険による資産運用は他のものと比べて、将来の運用成績がわかりやすいという利点があります。
安心安全を第一と考える人には、将来どれくらい増えるかわかりやすい保険から始めると抵抗が少ないかも知れません。
万が一を考えた場合にも安心がある
保険なので、万が一の時に保険金が支払われます。
満期を迎えて返戻金を受け取るだけでなく、もしも万が一のことが起こった時に大切な家族、配偶者や子供の生活を保障するために保険金を受け取れることは大きな魅力となります。
貯蓄型保険による資産運用の4つのデメリット
保険で資産運用を行うことはメリットだけでなく、デメリットも存在し、大きく分けると以下の4つとなります。
運用商品の選択肢は少ない
保険はあくまで保険であり、万が一の事態に備えるための商品です。
そのため、もしもの時や将来のお金の入用に備えるか等に応じて多様な商品が存在します。
その一方、通常の資産運用では選択肢における重要ポイントとなる「どのような金融商品に投資するか」「どれくらいリスクを取り、リターンを狙うか」といったポイントについての選択肢は多くありません。
一部の年金保険などを除けば運用商品の種類はあまりありませんし、リスクの高さと返還率にも選択肢は多くありません。
保険の特性上どうしても安全性の高い商品が多いため、ハイリターンを狙っての資産運用には保険は向いていないと言えます。
保険料が高い場合もある
貯蓄型の保険は掛け捨て型の保険と比べると、保険料が高く設定されている場合があります。
その場合、よくあるケースとして、毎月の保険料が家庭にとって大きな負担となり、保険料を無理して払うことになってしまい、最終的に途中解約せざるを得ない状況に陥ることになってしまったり、保険のせいで生活が苦しくなることもありえます。
契約の際は保険料の支払いが、毎月の支出から余裕を持って支払える額であることを確認したうえで始めるのが良いでしょう。
途中解約は元本割れする可能性がある
基本的に貯蓄型保険では、開始してからすぐに解約返戻金が支払った保険料の総額を上回ることはありません。
数年から数十年というある程度の期間が経過してからでないと、受け取るとこができる解約返戻金が支払った保険料を超えることはありません。
もしも途中で保険料を払うことができなくなり、途中解約をする場合は、元本割れの危険性があります。
実は、最悪の場合、返戻金が返ってこないこともあります。
保険による資産運用は満期までの長期間の加入が前提となります。
長期的な投資になることを初期の時点できちんと理解したうえで、途中解約をすることがないように計画的に保険料の設定をし、積み立て支払いのプランを立てておきましょう。
他の投資と比較すると収益率は下がる
利回りの観点では、保険による資産運用は通常の投資と銀行預金の中間に位置すると言えます。
リスクが株式投資などと比べて比較的小さく抑えられる分、リターンも他の投資と比べると小さくなります。
保険商品はさまざまな特約が付いていたり、元本保証性が高く、プロフェッショナルが確実性の高い手法で運用するといった要素などにより、返戻率は高くならないことが多くあります。
保険を資産運用として使う場合のデメリットも保険が安全性重視であることに紐づいています。
大きなリターンを見込みたい投資を望む人には保険商品は不向きと言えるでしょう。
資産運用で保険を選ぶおすすめの人とは
保険はリスクが少ない分、リターンも他の投資と比べると小さいので、比較的初心者に向いている資産運用です。
資産運用は、いかにリスクをおさえるかを考えることから始めていくことが重要で、まだ運用方法がしっかり把握できていない人こそ低リスクの資産運用から始める必要があるでしょう。
もちろん中・上級者も運用スタイルに合わせて保険を活用している人もいますので、ご自身の投資スタイルをよく考えて選んでみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
貯蓄型保険による資産運用にはメリット・デメリットが存在し、その特徴としてハイリターンを見込める金融商品ではないこともご理解いただけたかと思います。
資産運用ができる金融商品には様々な種類がありますが、その特徴も一つひとつ違います。
金融商品の特徴を把握し、ご自身に合った資産運用を目指していきましょう!