【初心者向け】ETFと投資信託の違いは何か?

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資産運用を始めようと思った方がまず興味を持つのが、「投資信託」と「ETF」。

どちらも証券をひとまとめで購入する金融商品というイメージが強いと思いますが、あなたはこの2種類の明確な違いが分かりますか?

「なんとなく分かるけど、言葉で説明するのは難しい」という方も少なくありません。

たしかに投資信託とETFは似た部分もありますが、蓋を開けてみればまったくの別物で、かかるコストも、狙えるリターンも全然違うんですよね。

この2つの明確な違いが分かると、遠回りせず、自分に合った投資商品を選ぶことができます。

今回の記事では投資信託とETFの違いや、選ぶ際のポイントなどを紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

投資信託・ETFとは

まずは投資信託とETFについて、簡単に説明しますね。

投資信託とは、投資家から集めたお金を運用のプロが株式や債券などに投資・運用し、その運用成果が投資家に還元される仕組みの金融商品です。

そしてETFは、Exchange Traded Fundsの略称で、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)など「特定の指標」への連動を目指すように運用される上場投資信託です。

そのため、ETFも投資信託の一種といえます。

ただ、ETFと一般的な投資信託の違いは、大きく分けて、「上場の有無」、「運用方法の違い」、「手数料の違い」の3つがあります。

ETFと投資信託の3つの違い

それでは、次にこの3つの違いについて説明していきますね。

違い1:上場の有無

まず投資信託とETFの一番大きな違いは、運用する投資商品が上場しているか、していないか、です。

投資信託は非上場の証券を運用するため、1日1回算出される基準価額でのみ取引されます。

それに対して、ETFは上場している証券を扱うため、取引所の取引時間内にリアルタイムで決まる市場価格で取引することができます。

したがって、市場の変動をリアルタイムに反映する点や取引の自由度が高い点が、ETFの大きな特徴といえます。

そのためETFは上場、投資信託は非上場の投資商品を運用していると覚えれば、まずはOKです。

違い2:運用方法の違い

さて、投資信託は、「インデックスファンド」と呼ばれるパッシブ運用の商品もありますが、実際にはベンチマークを上回る運用成果をめざす、もしくはベンチマークがないアクティブ運用の商品も多く存在します。

一方、ETFは特定の指数への連動を目指すため、運用方法はパッシブ運用です。

パッシブ運用とは、市場全体の値動き(指数の値動き)と同様の投資成果を目指す運用方法のこと。

例えば、日経平均株価と連動を目指すのであれば、そのまま日経平均株価に似た運用成果が期待できます。

つまり長期的な安定性を求めるのであればETF、短期的に高いリターンを求めるのであれば投資信託、というイメージです。

違い3:手数料の違い

そして投資信託とETFでは、売買時にかかる手数料が異なります。

まず投資信託では、購入時に各金融機関が設定した販売手数料が必要になります。

また売却時には、金融機関に支払う解約手数料に加えて、信託財産留保額という運用投資家に支払う費用が発生する可能性もあります。

一方、ETFを売買する場合は、株式の売買時と同じ手数料が発生することになり、その料金は証券会社ごとに異なります。

また証券会社によっては、特定のETFの売買にかかる手数料が無料になるケースや、インターネット取引・電話取引などによって手数料が変動するケースがあります。

投資信託とETFどっちがいいの?

それでは投資信託とETF、投資をするならどちらが良いのでしょうか。

「コストはかかりそうだけど安定性がある、投資信託がいい?」
「取引の自由度が高くて手数料も安い、ETFのほうがいい?」

と、色々迷ってしまうかもしれませんが、ETFと一般的な投資信託にはそれぞれ一長一短があるため、ご自身のニーズに合わせて選ぶ必要があります。

そこで、迷った時はこれさえ押さえればいい、3つのポイントをご紹介したいと思います。

ポイント1:コスト

まず、投資信託は販売会社によっては100円から購入できるところもあるため、少額から始めたい方には、投資信託のほうが向いているかもしれません。

一方、ETFを購入する際は、株式投資と同様に取引単位が決められています。

すなわち「最低購入金額=取引価格×1取引単位」となり、通常は1万円~10万円程度です。

ポイント2:制度の対象であるかどうか

NISA(少額投資非課税制度)やつみたてNISA、iDeCo(個人型確定拠出年金)など、投資のコストを抑えてくれる制度が、日本には複数あります。

その中でも「つみたてNISA」は、毎年40万円を上限として一定の投資信託が購入可能で、最大20年間もの長期にわたり分配金や譲渡益などにかかる税金が免除される制度です。

ただし、その対象商品は手数料が低水準、また頻繁に分配金が支払われないなど「長期・積立・分散投資」に適した投資信託とETFに限定されています。

そのため、つみたてNISAを利用しようと考えている場合は、ETFより投資信託のほうが幅広い選択肢があります。

ポイント3:あなたの投資スタイル

そして、投資信託とETFを選ぶ際に、最も重要なのがこちら。

「どちらが良い」ではなく、「どちらが自分に合っているか」という観点から、両者を考えることです。

というのも、人によって期待するリターン額や、投資にかけられる資金や労力はそれぞれ異なります。

例えば、ETFなら取引の自由度が高いため、ご自身の好きなタイミングで取引したい投資家にとっては魅力的な投資商品です。

ただ、自分で取引するには相場環境の研究や売買ポイントの見極めなど、相応の時間を費やす必要があることや、取引のタイミングを考える必要があります。

逆に、普段仕事やプライベートで忙しい方や、資産運用をプロに任せてみたい方、つみたてNISAを利用して幅広い商品から積立投資をしてみたい方におすすめなのは、一般的な投資信託です。

ただ、短期的に大きなリターンを狙うのであれば、ETFが適しているかもしれません。

まずは過去のリターンやリスクを参考に、ご自身のライフステージに合わせて商品を選択するのもいいでしょう。

投資信託とETFの違い:まとめ

いかがでしたか?

迷いがちだった投資信託・ETFも、今回の記事で明確に違いが分かるようになったと思います。

2つの特徴をよく比較して、どちらが自分に合っているのか判断するようにしましょう。

もちろん、場合によっては両方を組み合わせることも可能です。

もっとも、どちらの投資商品を選ぶにせよ一番重要なのは、「あなたがどうやって稼ぎたいか」を考えることです。

投資信託とETF、どちらがより良いのかという問題には、正解がありません。

ぜひあなたの投資スタイルや余剰資金から、自分に最適なものを検討してみてくださいね。