こんにちは、鈴木優平です。
この記事では、「不動産のIT化」についてお話ししていきます。
実体がある不動産と、形のないデータでやり取りをするITはイメージが結びつかないという方もいるかもしれません。しかし、不動産もIT化の動きが進んでいるんです。
目次
IT化が進む不動産
まず、IT化と聞いて思い浮かぶのが賃貸の内見です。
従来であれば、日程を決めてわざわざ現地に足を運んで直接不動産を見に行くというのが当たり前でしたし、そこに疑問に思うこともなかったと思います。
しかし今では、現地に行かなくても内見ができるシステムがあるんです。
いわゆる「IT内見」というもので、一方向からの写真だけではなく360度見渡せるパノラマ画像を活用し、実際に足を運ばなくてもまるで現地にいるかのように内見ができるんです。
また、住宅そのものにも「IoT」という携帯電話ひとつで部屋のカギを開けたりエアコンのオンオフができる遠隔操作のシステムが備わっていたりもしますよね。
こんなふうに不動産においても様々なかたちでIT化が進んでいるわけです。
IT化のメリット・デメリット
従来は宅建主任者立ち合いの元に行わなければいけなかった契約時の重要事項説明についても、テレビ電話でやっていくということが試験的に始まっています。
こちらに関しても、「なるべく簡易的に済ませたい」と考える人には便利な仕組みだと思います。
しかしこの点に関しては、手間だけを考えて簡易的に済ませればいい、というだけのものではないので注意が必要です。
というのも2020年4月から新民法というのが適用され、賃貸人に関するルールが従来のものから変わってきます。
そのため、仮に過去不動産を取り扱っていたという人だったとしても、いま改めて確認すべき事項というのが出てきています。
もちろん過去に不動産取引の経験がない方でも、知らなくてはいけないことが重要事項説明にはたくさん含まれているので、必ず押さえておかなければならないものです。
そう考えると、やはり対面のほうが質問もしやすくより理解しやすいと思います。
とはいえ、テレビ電話だから説明が雑になるとは言い切れませんし、そうなってはIT重説(ITを用いた重要事項説明)の意味がないので、どちらにしても制度としてちゃんと固めていく必要があります。
また企業のブランドや価値を図るということにおいても、テレビ電話だけでは分からないこともありますし、時間や手間はかかってもやはり実際に会ってやり取りをするメリットはあるのかなと思います。
まとめ
近頃進んでいる不動産のIT化についてお話ししてきましたが、この話題に関しては一概に良い、悪いとは言えないものかなと思います。
例えばIT内見にしても、サラリーマンの方でなかなか時間が取れないとか、いま自分が住んでいるところから離れた地域で賃貸を探しているというような場合は、VRなど遠隔操作でできる内見というのは非常に便利です。
しかしその一方で、現地に行って自分の目で見て実際に触ってみて判断したほうが安心できるし、本当に納得して決められる、ということもあるでしょう。視覚だけではなく音漏れや匂い、壁の感触など五感それぞれで得られる情報というのは実際にあります。
従来のアナログなやり方も、IT化した最近のやり方も、どちらも良い点・悪い点があるというわけです。
しかし「それぞれの都合や時間の使い方などによって選択肢が1つ増えた」これ自体がメリットなのかなというふうに考えています。
不動産は、「住」という人の重要な営みのひとつを担う部分でもありますから、そういったアナログの部分も大事にしつつ、必要に応じてITの利便性を有効活用していくのがいいのではないかと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。