先物取引とは?リスクをまとめてわかりやすく解説

先物取引

投資の世界において「先物取引」をご存知の方は多いかと思います。

先物は株式・FXと並びハイリスク・ハイリターンの投資になるため、投資の面白さの醍醐味は味わえますが安易に手を出すと後悔することになるでしょう。

しかし少額で大きな利益が獲得できる、短期間で大きな利益を上げることができるメリットはなかなか見逃せないですよね。そこでこの記事では、「先物取引」に詳しくない方に向けてわかりやすく解説をしています。

しっかり勉強して実施すればとても魅力的な資産運用方法になりますので、ぜひこの機会に「先物取引」の理解を深めてくださいね。

ではさっそく「先物取引」について詳しく見ていきましょう。

先物取引とは

先物取引

株では企業に、FXでは為替に投資をします。

商品先物取引は『私たちの生活に必要なモノ』=(現物商品)に投資をする取引になります。モノとは、金や銀などの貴金属、原油などの原料、米やとうもろこしなどの穀物などをさします。

金やプラチナ、トウモロコシなどの現物商品について「決められた期日に特定の商品をこの値段で買います」という約束を売買し、実際の商品を取引するのではなく、あくまでも「この日にこの値段で買います」という「約束」を取引するのが商品先物取引の特徴になります。

「買います」という約束だけではなく、「売ります」という約束も取引することが可能で、「売り」でも「買い」でも相場を読むことにより、値段がどちらに動いても利益を得る事ができるという仕組みです。(株式やFXと同じ考え方です)

自由経済の社会では、物の価格は一定ではなく、需要と供給のバランスによって変動します。

天候など自然的要因や、経済的要因、為替など様々な要因によってあらゆる物の価格が値上がりしたり値下がりします。

このような金融商品である商品先物取引は先が読みにくく、リスクの大きい金融商品とも言えますが、社会の公器として重要な役割を持っています。

また、資源の大半を海外で買い付け輸送している日本の商社は、輸送の間にモノの値段が大幅に下がって損をするリスクを絶えず抱えています。そこで商社は、買い付けと同時に先物市場で売り建てることにより、売却価格を固定して価格変動のリスクを回避しているのです。

とはいっても先物市場は、価格変動リスクを避けたい商社のような参加者のためだけにあるのではありません。価格変動を利用して差金決済の方法で、資産運用を行っている個人投資家も存在します。

このように、先物市場では様々な思惑を持った多数の買い手と売り手が明確なルールのもと、公開の市場において競り合っているため、公正で透明性の高い価格が形成されているのです。

日本には現在2つの商品取引所があり、貴金属、農産物、石油製品など約30種類の商品や商品指数が上場されています。

先物取引ではレバレッジを大きく効かせた取引を行う事が可能で、少ない証拠金をもとにその何倍もの金額の取引が可能です。そのため株式取引以上に大きな利益を上げられる一方で、大きな値下がりリスクを持っています。

「よりリスクが高くなった(値段の上下動の幅がば大きくなった)株式の様なもの」と理解頂いても良いと思います。

次に、具体的な先物取引のやり方を見ていきましょう。

商品先物取引について

先物取引

先物取引の基本は、

  • 約定値段から値上がりすれば、買い方が得をして、売り方は損をす
  • 約定値段から値下がりすれば、売り方が得をして、買い方は損をする

という仕組みです。

取引する商品の価格が将来上がると予測すれば「買い」から始め、予測どおり値上がりしたときはその時点で転売して利益を確定します。

逆に、商品の価格が将来下がると予測すれば「売り」から始め、予測どおり値下がりしたときは、その時点で買い戻しをして利益を確定します。

従って、取引の期限内であれば「買い」と「売り」の両方、つまり価格の上昇・下落の両局面で利益を狙うことが出来ます。

取引できる期間が決まっている

先物取引は売り買いできる期間が対象商品ごとに決まっています。

株式の場合は、買ってしまえばその企業が存続している限り、半永久的に株式を保有し続けることができます。しかし、先物取引の場合は、売りや買いで仕掛けた商品を、特定の期日までに決済しなければなりません。

逆にいえば、この期間内であれば自由に売買することができるという事です。

商品によって「取引最終日」が設定されており、取引最終日を過ぎても未決済の契約がある場合には自動的に決済されてしまいます。

取引可能時間が長い

先物取引は、トレードできる時間が現物取引に比べ長いのが特徴です。

現物市場とほぼ時間帯が重なっている通常相場に加え、ナイトセッションと呼ばれる時間外相場が存在します。

短期間で大きな利益を得られ可能性がある

商品先物は株式に比べると、値動きが非常に激しいという特徴を持っています。

その中でも特に原油や灯油などの値動きのスピード、幅は株式など比ではありません。
ここにレバレッジをきかせた取引をすれば、わずかな時間で大きな利益を得られることもあります。

このわずかな時間で大きな利益を得られる可能性が商品先物取引の最大の魅力になっています。

いかなる投資であれ、リスクとリターンの振れ幅は同じです。
ハイリターンが期待できる商品先物取引は、常にハイリスクに晒されていることも理解して運用しなければなりません。

商品先物取引に関するリスク

先物取引

先物取引にも残念ながらリスクはあります。

商品先物取引にはどのようなリスクが潜んでいるのか詳しく見ていきましょう。

元本保証ではない

商品先物取引は、元本保証・利益保証の投資ではありません。

先物取引の価格は、原資産価格の変動等により変動します。値下がりして損をするリスクはもとより、投資資金を超えてしまう損失を被るリスクもあります。

価格変動が激しい

先物取引の価格は需給により決定されます。

価格は常に変動しています。
相場が大きく変動した時は、相手になる注文が少なくなり、思った値段で取引ができなくなる可能性があります。

商品を買った直後から値下がりすることもあれば、逆に値上がりすることもあります。
一般に、株式相場よりも商品先物相場のほうが価格変動幅は大きいと言われています。

レバレッジによるリスクがある

たとえば10倍のレバレッジをかけて投資をした場合、利益率も損失率も10倍になります。
(レバレッジは利益を得る事を考えた場合、メリットですが)

このレバレッジにより実際の取引分の資金を準備しなくても投資をすることができます。

しかし証拠金以上の取引をでききることで、大きな利益が望める一方、相場が予想に反した動きをした場合に大きな損失が発生するということをよく理解しておく必要があります。

万が一、買った商品が値下がりすれば、想定以上に損失が膨らむ可能性があります。
差し入れた証拠金を上回る損失リスクがあることも肝に銘じておかなければなりません。

追加の費用が発生する場合がある

相場が予想に反した動きをして大きな損失がでた場合に、追加で証拠金を納めなければいけません。

このことを追証(おいしょう)といいます。

これは総取引量に対する証拠金の割合が一定値を下回った場合に発生し、レバレッジを掛け過ぎている場合などは、少しの価格変動で大きな証拠金の追加が必要になるケースもあります。

流動性が低下するリスク

商品市場をとりまく様々な影響を受け、商品の取引が活発ではない状態が続くことがあります。

この状態を「流動性が低下する」と言います。流動性が低下すると、売りたいのに売れない、買いたいのに買えない、という状況になることもあり、それが原因で思わぬ損失を被ることがあります。

自動決済リスク(取引期間が決まっている)

先物市場で流通している商品は取引に期限がきめられています。

「決められた期日までに反対売買をして決済しないといけない」というルールがあるのです。もし決済しないままその期日を迎えてしまうと、自動的に決済されてしまいます。

株式投資とは違い、再び値上がりするまで待つとか、しばらく塩漬けにして様子を見ることが商品先物取引ではできないのです。

まとめ

先物取引

先物取引に関しては少額でも大きな利益を獲得できる、短期間で大きな利益を上げることができるというメリットがありますが、その分リスクも大きい投資方法になります。

投資を始める前には、先物取引の特徴をよく把握しておくことが必要です。

また少額の資金で大きな金額の取引を行うことができるため、価格が予想に反して推移した場合には損失が発生し、その変動幅によっては預けた資金以上の損失となる場合があります。

そのような事態に備えて、余裕資金の範囲内で取引するよう心掛けて下さい。

始めて見ると難しそうだと思われがちな先物取引ですが、一仕組みを覚えてしまえばハードルの高い投資手法ではありませんし、いろいろなメリットも多い取引方法になります。

株式やFXの様な値動きをする投資が好きな方は、ぜひ取り組んでみてくださいね