ふるさと納税とは?いまさら聞けない仕組みを解説

ふるさと納税

地方を応援する制度としてすっかり定着した「ふるさと納税」。

ただ、「地域の特産品がもらえる」「地元を応援できる」などのぼんやりした知識だけで、詳しい仕組みや具体的な手続きまではよく分からない、という方も多いかもしれません。

また、納税と聞いただけで反射的に「なんだか面倒くさそう・・・」と思ってしまうかもしれませんね。

しかし実は、今やネットショッピングをするような感覚で簡単にふるさと納税の手続きが完了してしまうんです!

そこで今回は、いまさら聞けないふるさと納税について、仕組みから具体的な手続きに至るまで、シンプルに分かりやすく解説していきます。

この記事を読めばあなたも、毎年ふるさと納税をしたくなること間違いなし!
ぜひ最後までご覧くださいね。

制度について

ふるさと納税を簡単に説明すると、住んでいる場所に限らず応援したい地域に税金を納められる、という制度です。

ふるさと納税が生まれた背景として、今の日本では、地方で生まれ育った人も都会で進学・就職をする、という極端な人の流れがあることが指摘されます。

都会に人が集中し、地方から人がいなくなる。
その結果、人が集まりやすい都会は税収が増える一方で、“ふるさと”である地方自治体の税収はどんどん少なくなっていきました。

この問題を発端として、地方の税収も底上げしていくための制度として成立したのが「ふるさと納税」なんですね。

様々な事情で都会に移り住んだ場合でも、生まれ育った“ふるさと”を応援できる。
この制度そのものの意義が、多くの人に受け入れられたのも大きいでしょう。

さらに、各地域の特産品などのお礼の品を受け取れる「返礼品」の仕組みが、ある種“お取り寄せ”のような感覚で、ひとつの楽しみとしても広く知れ渡るようになりました。

ふるさと納税実施可能の理由

事実上、自分が払った税金の使い道を指定できるのが「ふるさと納税」ですが、そもそもなぜそんなことが可能なのでしょうか。

その仕組みは、以下のとおりです。

個人が、応援したい地域に寄付をする。
↓   
現在住んでいる自治体に申請をする。

所得税の還付・住民税の控除でお金が戻ってくる。

実際の手順としては、寄付をする→納税額の一部が戻ってくるという順番です。

ただ実質的には所得税・住民税から寄付をすることになるので、“ふるさと”に“納税”ができるという仕組みになっているんですね。

さらに、たいていの場合は「返礼品」ももらえるため、地方自治体を応援するだけではなく、納めた税金も戻ってきて、地域の特産品ももらえて二重でお得というわけです。

戻ってきた金額は、寄付をした翌年の6月頃に送られてくる納税通知書で確認することができます。通知書が届かない場合は、会社の担当の方や自治体に問い合わせてみてください。

寄付金額について

ただし、ふるさと納税をする上で知っておかなければいけないことが2つあります。

1つ目は、一律2000円を払うということ。
2つ目は、戻ってくるお金の上限は決まっているということ。

まず1つ目ですが、ふるさと納税は寄付額に関係なく一律で2000円は負担することになります。この差額である2000円は、国庫に入る、つまり国の資金になります。

たとえば10万円を寄付したら、戻ってくるのは最大で9万8000円。5万円だった場合は4万8000円ですね。

ふるさと納税を扱っているサイトなどを見てみると、地方自治体ごとに扱っている返礼品が異なるだけでなく、納税額もさまざま。中には寄付金の使い道ごとに納税できる自治体もありますね。

基本的には、その中から自由に選んでもらえば大丈夫ですが、ここでもうひとつの注意ポイントが関わってきます。

実は、ふるさと納税は10万円でも100万円でも寄付をした分、無条件に全額戻ってくるというわけではありません。

具体的にはその人の所得や扶養の条件に応じて、年間の上限が決められています。
そのため上限を超える寄付を行った場合は、2000円以上の負担をすることになるんです。

仮にAさんの寄付上限額が10万円だとして、100万円のふるさと納税を収めたとしましょう。
この場合、あなたが負担する金額は2000円ではなく、90万2000円ということになります(1つ目に説明した通り、戻ってくるのは最大9万8000円です)。

もう少し詳しく説明すると、収入の少ない人や家族を養っている人は、そもそも払っている税金が少ないので、寄付金の上限も低くなります。
逆に、高収入の人や扶養のない人であれば、税金もたくさん払っているため上限も高くなるということです。

この条件については、各サイトでシミュレーションができるので、ご自身の収入や家族構成に応じていくらまで税金が戻ってくるのか、まずは確認するところから始めてみましょう。

2つの申請方法

さて、ここからは具体的に「ふるさと納税」はどのように手続きをすればいいのか説明していきましょう。

「ふるさと納税」の手続きには、「ふるさと納税ワンストップ特例」を申請するか否かで、流れが少し異なります。

この制度を活用するには条件があるので、申請をする前に自分はどちらに該当するのか、あらかじめご確認ください。

また、こちらで紹介しているのは基本的な流れですが、自治体によっては申請方法も異なるので、応援したい地域が決まったら、総務省や各自治体のホームページなども参考に詳しい情報を調べてみてくださいね。

申請方法①:ふるさと納税ワンストップ特例を申請しない場合

  • 確定申告が必要な場合
  • ふるさと納税をするのが6団体以上の場合

上記に当てはまる方は、ふるさと納税ワンストップ特例を申請しない流れになります。
詳しいステップは下記のとおりです。

  1. カタログやサイト、自治体のHPなどから、応援したい地域を探して寄付をする
  2. 寄付を証明する書類が発行されるので、大切に保管する
  3. ふるさと納税を行った翌年の3月15日までに、2.で受け取った書類を添付して確定申告を行う
  4. ふるさと納税を行った年の所得税から控除を受けられる
  5. ふるさと納税を行った翌年度の住民税が減額される

こちらが一連の流れですね。
確定申告の経験がある方なら、それほど特別な手続きがあるわけではないので、すぐにふるさと納税の手続きができると思います。

これに対してふるさと納税ワンストップ特例を申請すると、確定申告の手間を省いてもっとスマートなステップになりますよ。

申請方法②:ふるさと納税ワンストップ特例を申請する場合

  • 確定申告が不要な場合
  • ふるさと納税をするのが5団体以内の場合

上記が、ふるさと納税ワンストップ特例を申請する場合の条件です。
勤務先の会社で年末調整をしている方もこれに該当します。

そして、下記の3ステップが手続きの流れです。

  1. カタログやサイト、自治体のHPなどから、応援したい地域を探して寄付をする
  2. ふるさと納税ワンストップ特例申請書を自治体に提出する
  3. ふるさと納税を行った翌年度の住民税が減額される

ふるさと納税ワンストップ特例は、所得税からの控除はありませんが、その分も住民税が減額されます。つまり結果的な負担の額というのは変わりません。

また、ふるさと納税の関連サイトによっては「ワンストップ特例申請書」の発行までサイト上で完結できますし、クレジットカード決済も選べるので、より手軽に手続きができますよ。

ふるさと納税:まとめ

ふるさと納税は、自分が納めた税金を活用することで、実質2000円の負担だけで地域の特産品を楽しめるお得な制度でもあります。

自分が生まれ育った場所など思い入れの強い地域があるという方はもちろんのこと、魅力的な返礼品を見つけたら、その地域にふるさと納税をしてみるのもいいかもしれませんね。

もしかしたら「お礼目的のようでなんだか気が引けるな」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、それが結果的に生産者や地域の応援となって、地域活性化につながるので「この名産品を食べてみたい!」という直感的な選び方でもまったく問題ありませんよ。

あなたも今回の記事を参考に、寄付をされた側にはもちろん、寄付をした側にも大きなメリットのある、良いことづくめのふるさと納税を実践してみてくださいね。