外貨投資をしているとよく分かるのは、世界経済の繋がりの強さ。かつては、国境が強固で、国が違えば別世界。米国が不景気でも日本は好景気なんてことはしばしば。
しかし、21世紀の現在は違います。インターネットと交通網の発達で、世界は、一つの国であるかのように繋がっています。
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世界同時株安が起きると、売りが売りを呼ぶ
そのため、米国株が下落すると日本株も下落する・・・それどころか世界中で同時に株安が生じる。
というようなことが起きやすくなっています。ちょうど、2022年1月現在、起きていることも、過去、何度もあった「世界同時株安」となる可能性があります。あくまで、可能性ですので、ここから反発するかもということもお忘れなく。
小さいショックで終わるのか大きなショックになるのかは、これからの情勢次第。
●NYダウの月足チャート:2004年から2022年
米国の株式指数であるNYダウの月足で確認すると、リーマン・ショック以降もいくつかの下落はありました。2020年の下げもかなり大きいことがわかりますね。そして、現在の下落が一時的orボリンジャーバンドの下限まで下がる大下げになるか。リスクが大きくなっている現状に注意しておきましょう。
10年に1回くらいは起きる「世界同時株安」について
だいたい、10年に一回くらい、起きている「巨大な世界同時株安」。小さいのは、もっとたくさん起きていますので、ここでは、特に大きな株安案件をピックアップしておきます。
●1973年:第一次オイルショック 第四次中東戦争をきっかけにした石油インフレで、大幅な不況が発生。
●1987年:ブラックマンデー 米国が抱える双子の赤字など。ドル安・インフレ懸念で、世界中の株式が暴落。
●2008年:リーマン・ショック 不動産のサブプライムローンをきっかけに、信用不安が広がり、リーマン・ブラザーズをはじめ金融機関の破綻や経済危機につながった。
●2022年:コロナショックからのエネルギーインフレ。ウクライナVSロシアの緊張激化による天然ガス・資源問題。さて、未来はどうなる?
今の状況が怖いのは、上記で生じたいくつかの要因と似ていること。原油をはじめとするインフレ。米国の抱える巨額の貿易赤字。ウクライナをめぐるロシアと欧米の対立。
一歩、間違えれば、コロナパンデミックで脆弱な経済を直撃しかねないマグマが、溜まっていると思います。
リスクオフによる世界同時株安
ブルームバーグやロイターなどの専門情報だけでなく、インターネットのおかげで、時差こそあるものの世界中の投資家は、ほぼ同時に同じニュースに接することになります。さらには、AI(人工知能)などによる自動売買プログラムの進化。独自通信網を持っていたネイサン・ロスチャイルドが、ナポレオン敗北で大儲けした時代とは、明らかに違います。
これで、何が起きるかおわかりですね。そう、皆が、一斉に危ないと思えばパニック。手持ちのポジションを決済することに。そうなると、売りが売りを呼ぶ悪循環。株式をはじめとしたリスクの高い資産が叩き売られて、世界同時株安の出来上がり。
この下落している最中は、リスクが大きく下がったから買うという逆張りは危険。落ちるナイフは掴むなという相場の格言通りの世界です。
外貨投資や資産運用は怖いものではありません
それでも、先程のNYダウを見直してください。長い目で見ると、世界同時株安を乗り越えて、市場は上昇しています。波のように、上下動を繰り返し、時々、大波が来る。株式市場は、そのサイクルの繰り返しです。外貨投資は、怖いものではありません。
私は、長期投資や積立などをうまく活用することで、資産を増やすことができる有用な投資だと思います。