お金持ちがゴールドを愛してやまない理由とは?

お金持ちは、「ゴールドの換金しにくいところ」を愛しています!

世の中のお金持ち。特に、代々続くお金持ちは、ゴールドが大好き。その理由の一つは、「換金のしにくさ」にあります。

えっ、金は「換金しやすい」資産じゃないの、と思ったあなたの考えも間違っていません。

実は、金のよさは「換金するハードルがほんの少し高いところ」にあります。

今回は、そんなゴールドをお金持ちが愛する理由と、換金するハードルの高さについて解説していきます。

本当のお金持ちは、金塊や貴金属製品をコレクションする・金の値上がり益で大儲けをしたいだけではありません。何しろ、資産家にとって、金は、家に当たり前にある存在。身近な資産ですからね。

金は、お金持ちにとって当たり前の資産

持っていて当たり前の資産。金自体の持つ魅力や特性はさておき。なんといっても、安全資産であるということが金を保有する理由です。

安全資産の二つの役割

では、ここでいう安全資産とはどういうことでしょうか。それには、二つの意味があります。

  1.  株や不動産・通貨の価値が下がった時のリスクヘッジ
  2.  戦争・天変地異・政治リスク・自己所有ビジネスの破綻など未曾有の事態への備え。

一般的な金投資を行う理由は、株式などの資産が下がった時に対するリスクヘッジと説明されています。これは、本当にその通り。特に米ドルの価値が下がった時、金価格は上昇しやすく、ヘッジ(保険)としての役割は強い意味を持ちます。

金の持つ真の価値とは

そして、今回のお話のメインテーマは、2番目の役割。この辺りの感覚は、私たち一般人の感覚と少し違います。この感覚を理解できれば、「金の持つ真の価値」を理解できるのではないでしょうか。

金は、換金するのに手間がかかる

金という資産は、お金として使うのに何かとちょうど良く、昔から愛されてきました。

先程までの話しと矛盾しますが、金は簡単に換金できます。それは、不動産や絵画などと比べての話。家や土地などの不動産は、売りたくても簡単に売れません。それに対して、金は換金しやすく、持ち運びしやすいというメリットがあります。

そんな金も現金や株に比べると圧倒的に不便ですが、お金持ちにとってはこの不便さがちょうどいいんです。

現金や株式は、本当に便利ですよね。現金で物を買う、株式を売って現金化するのは、例外を除き、すぐにできますよね。ところが、金を換金するのはちょっと面倒。銀行や地金商に金の延べ棒(バー)を持っていっても、身分証明や真贋判定など手間がかかる上に手数料を取られます。

換金しにくいから貯めやすい

するとどうなるか。金は換金しにくいからこそ、貯めやすいというメリットが生まれます。万一に備えて、妻子や子供たちに現金を預けておいても、利便性の高さから何かに使ってしまうかもしれません。あとで預金額を確かめても、お金に色はなくウヤムヤになってしまうこともありえます。
※贈与税等の話は、ここではパスさせてください。

ところが、お金を金の形にして預けておけばどうでしょう。その換金しにくさから、現金よりも使ってしまうリスクは減ります。もし金を換金して使うとなれば、相当お金に困っているはず。

つまり、お金を金の形にすることで使われてしまうリスクが減り、その分財産を貯めやすくなります。とはいっても、資産のすべてを金にするのは良くありませんし、資産配分は大事です。

お金持ちは、様々なリスクにさらされている

お金持ちは、意外と多くのリスクにさらされています。

お金持ちは単純なサラリーマンでいることは少なく、土地や会社を保有していることがほとんど。もし、自分の保有している会社が倒産すれば、全財産を失うこともあります。その時、貯金や株式は残っているでしょうか。大事な会社や土地であるほど、それを守るために財産を投下してしまうことも良くあるケース。

しかし、余裕のある時に貯めていた金があれば心強いですよね。会社や土地を失っても、その金でしばらくの間、生活することができます。

投資は、損切りこそ大事。会社経営も同じながら、そう簡単に損切りできません。保有している資産を切り売りしながら、経営を続けるというのも人情です。

そんな経営者にとって、資産の一部を金で貯めておき、この金だけは、何があっても手を付けないというのは、大事な損切り方法。株式投資を余裕資金でする。競馬に行く時、財布を二つ持っていく。これと同じことを「金」で、実行すればいいのです。

万一のときは金を換金

インドの人たちが、結婚する時、金のアクセサリーをたくさん持って行くのも同じ。結婚生活に、万一があれば、金を換金することで、生き延びるようにとの思いが込められているのです。

政府に資産を没収されるリスク

お金持ちにとって、大切なのは、資産を守ること。お金を持てば持つほど、リスクとなるのが、政府にお金を没収されることです。

えっ・・・「そんなことありえない」と今の日本に住んでいると思いますよね。しかし、歴史を見るとそんな事例はゴロゴロでてきます。

現代も同じ。2017年11月には、サウジアラビアで、有力な王族が一斉逮捕されています。中国の富豪や官僚の逮捕はしょっちゅうありますし、2021年にはアリババの創業者「ジャック・マー氏」が行方不明ではないかという話がありました。

政府がその気になれば、いくらでも罪を作ることはできるということです。脱税・賄賂・反逆などの罪に問われれば、株券や現金の運命は、ショートケーキの上に乗っている苺のようなもの。真っ先に没収されてしまいます。

そんなとき頼りになるのは、不動産それとも暗号資産でしょうか。いえ、こういう時こそ頼りになるのは、やっぱりゴールドです。

お金持ちにとってゴールドは、「自分と家族を守る最後の命綱」と言える存在。だから、収益を生まず現金や株式より不便なゴールドに対して、富裕層が持つニーズは消えないのです。

金の持つ換金しにくさゆえのメリット。これも、金投資の魅力の一つです。