前回、人の心は欲や恐怖に支配され、なかなか正しい行動をとることができないことを行動経済学の面からお伝えしました。
そして欲や恐怖に惑わされないためには、一定のルールに従うことが投資を成功させるためのコツです。今回は、このコツについて解説していきます。
目次
投資を成功させるためのコツ
欲や恐怖に惑わされず、正しい行動を取るための一定のルールとは【長期・積立・分散】で投資していくことです。今回は、「積立」についてみていきましょう。
毎月同額をコツコツと積み立てていきます。相場が良かろうと悪かろうと常に一定に、です。そうすることにより元本が毎月積みあがっていきます。相場が悪いと元本割れすることはあります。しかしそこに恐れず、毎月積み上げていくのです。
積み立てる金額設定が重要
この毎月の金額設定がとても重要です。増えることを期待し、毎月の金額の負担を大きくしすぎてしまい、普段の生活費を脅かすようになってしまうと本末転倒です。しかし、金額が少ないとせっかく複利の効果があっても、 増える金額はさほど大きくならないため、期待よりも増えない結果になります。
積立を始める前に、金額設定をしっかり行いましょう。
金額設定に迷う場合は、ファイナンシャルプランナーにご相談ください。将来に必要な金額がどのくらいか、そして毎月の収支から捻出する金額を一緒に考えていきます。
ダイエットも同様です。しかしダイエットの場合は、ひと工夫必要です。「投資の3大勘違い」の記事でもお伝えしたように、運動はそれほど必要ありません。食事のコントロールが非常に重要となります。そのため食欲を抑える必要があります。この欲に捉われないようにするための脳コントロールが必要です。
積立額を毎月設定するのと同じように、必要な食事の量を決めていきます。そして「この量で充分なのだ」と脳に認識させます。脳が足るを知ることが肝心です。こうすることで食欲を抑えます。
この食事の量はプロの手を借りると良いでしょう。筆者もプロの手を借りました。断食です。一度断食することにより、胃を空にすることで、身体を整えます。ここで「食べなくともなんとかなる」という脳が作られます。断食後には徐々に回復食で戻していき、最終的には一汁三菜の定食が出されます。この量を毎回の食事量に設定しました。
積立の効果
毎月同額を積み立てることにより、単価が安くなるという効果があります。
スイカにたとえて説明しましょう。
スイカの1個の単価は出荷量により毎月変わります。
5月の単価は、1個1,500円、6月は1,000円、7月は旬を迎え600円だったとします。
仮に毎月3個ずつ購入した場合、
5月 1,500円×3=4,500円
6月 1,000円×3=3,000円
7月 600円×3=1,800円
合計9個で9,300円掛かり、1個当たりの単価は1,033円です。
一方で毎月3,000円ずつ購入した場合
5月 3,000÷1,500円=2個購入
6月 3,000÷1,000円=3個購入
7月 3,000÷600円=5個購入できます。
合計10個で9,000円掛かります。1個当たりの単価は900円です。
一定額で購入することにより、単価が高い月には購入個数を抑えることができ、単価が安い月には多くの個数を購入することができます。結果、平均単価も安くなる、これが同額で積み立てる効果です。
次回は【長期・積立・分散】の【長期、分散】について解説していきます。