為替相場の予想は難しい。
良く聞くこの言葉、本当だと思います。
といっても外貨投資やFXを取引するなという話ではありませんよ。
さて、年末年始は、今年の為替相場はどれくらいとの未来予想が経済誌で特集されます。
こちら、残念ながら、あまり、当たりません。
目次
為替相場の予想は当たらない
当たらないからといって、為替相場を予想している人は、悪くありません。
そういうものだと思っておく方がいい&臨機応変に対応する事の大事さをお伝えしたいと思っています。
では、まず、2022年の米ドル/円について、ダイヤモンドZai様の特集を見てみます。
今年は、日米金利差からの「やや円安予想」がメイン。
- 円安方向の平均値:121.1円
- 円高方向の平均値:110.8円
- 3月と5月が円安のピークとの予測が多い
ダイヤモンドZai2022年2月号
これら、専門家の予想。
頭に置いておくくらいでOK。
実際、専門家達も予想が100%当たるとは、考えていません。
そんな事ができるのは、神様くらいと割り切っています。
【米ドル/円の日足チャート:2022年1月19日】
為替相場の変動要因は複雑
為替相場の予想は、当たらないもの。
何しろ、為替相場は、株式市場以上に様々な要素が影響します。
株式の場合、市場全体の共通認識があります。
いくつかあげてみましょう。
- 全体として、上昇する方がありがたい(ゼロサム・ゲームではない)
- 経済成長していれば株価も上がりやすい
- 企業業績のデータは概ね正確
ところが、為替相場は、ちょっと違います。
米ドルが上昇しても、単純に、米国人達が儲かる・喜ぶわけではありません。
また、安倍政権が、日本円の上昇(円高)を止めるために、円安誘導をしたのは、2012年の話です。
株式予想の指標と経済指標
株式の場合、その株価を評価する指標がいくつか存在します。
株価収益率(PER)や、株価純資産倍率(PBR)などを使うことで、その時点での、妥当な評価を出すこともできます。
そして、個々の企業が出す決算書を読むことで、企業の方向性ややりたい事もわかります。
まあ、だからといって、株式相場の予想が簡単とは言えませんけどね。
セオリー通りに動かないこともある為替相場
一方、為替市場も似ている面はあり。
為替相場にも、企業の決算書のようなモノとして、各国の経済指標が存在。雇用統計・経済成長率・消費者物価指数といった統計を出してくれます。
しかし、いつも素直に、セオリー通りに動くとは限りません。
ここで、投資や経済畑ではない方には、ちょっと意外かもしれない点があります。
それは、政府や中央銀行の動きが、意外に早いこと。
経済指標の数字が、悪化した場合、それを止めるために、金融政策や経済政策をすぐに変化・対処することがあります。
そのため、経済指標が悪化した=セオリー通り、その国の通貨が売られるとは限らない。
経済指標の悪化=金融政策の変化などを期待して、通貨が買われることもあります。
こういったイレギュラーな動きがあるのが、為替相場の難しくも面白いところだと思います。
2つの通貨同士の関係
そして、為替相場は、単独ではなく、常に2つの通貨同士の関係で成り立っています。
ということで、「米ドル/円」であれば、日本だけでなく、米国の状況にも影響を受けます。
さらに、欧州=ユーロの状況も関係してくるので、為替相場を動かす要因は非常に多い。
カメレオンのように、今後の展望を変えよう
では、どうすればいいのでしょうか。
また、プロの投資家や専門家はどうしているのでしょうか。
その答えは、これ。
為替相場の予想に、一貫性なんてなくてよい。
人間性という点において、主張に一貫性があることは大事。
言うことがコロコロ変わる人・朝令暮改の人を上司に持てば最悪。
しかし、「相場予想は、カメレオンでOK」。
例え、円安予想をしていても、状況が変われば、すぐに、前の予想を捨てられる。
その方が正しい道です。
逆に、言えば、為替相場や株式市場の予想について、いつも同じ事を行っている人の話は、読み物としては面白い。
でも、それを参考に、外貨投資や資産運用をすると大怪我することがありますので、ご注意ください。