私が移住してきた頃のニュージーランドは、「不動産価格は安い」という印象でした。
当時は35万ドル(約2500万円)も出せば、庭付3LDKの良い家が買えたものです。もう少しランクを落とせば、20万ドルでも家が手に入る時代でした。
その時に数軒家を買っていれば、今ごろ仕事しなくても、家賃収入で老後を迎えることができていたのに……
人様に投資を勧めるばかりではなく、自分で行動しなかったのか……
今はそんな後悔が募るばかりです。本日は私のような後悔をする人が増えないよう、ニュージーランドの住宅価格事情についてお話ししていこうと思います。
目次
ニュージーランドの住宅価格
ニュージーランドでは近年、移民の数が増えたことによる住宅不足の影響で、土地の分割が進められています。
例えば、1000㎡(約333坪)の土地に平屋の1軒屋が建っていたとします。それを2分割にして2軒にしたり、さらに分割して4軒、5軒もの集合住宅の建設が盛んになっているのです。
オークランドの住宅の平均価格は110万ドルへと突入し、国内平均も80万ドルへと移行してきました。110万ドルといえば、今の78円レートで約8600万円の価格になります。
日本ですと、5000万円もあれば良い一戸建てやマンションが買える環境にあると思います。もちろん都市部と地方とでは差がありますが、ニュージーランドと日本で、同じ8600万円で買える家屋の差を比較してみていただければと思います。
オークランドでは住宅の自己所有率が高く、結婚する若い世代も、すぐに家を買っていました。しかし最近では、共働きでダブルインカムを提示しても、住宅ローンを返済していくのはなかなか難しくなってきています。
人気沸騰の「タウンハウス」とは?
アジア人の移民も多い中、広い庭付物件は手間がかかるため好まないという人種・世代も出てきています。庭は狭くてよい、芝がなくても、石畳みでよいという人が多くなってきているのです。
「高層マンションより、狭くとも庭がある戸建てが良い」と思う人がKIWIには多いので、現在はタウンハウスに人気が集中しています。
タウンハウスとは、壁がくっついている長屋風の物件のことです。2LDK~4LDKの部屋数で、面積は80㎡~100㎡程度の、2~3階建ての物件になります。屋根付き駐車場が付いているところもあれば、いわゆる青空駐車な物件もあります。
それらの条件や地域によって、価格には差があります。お手頃な地域では75万ドルから、85万~90万ドル。100万ドル以上するタウンハウスもあります。
現代は、100万ドル以下で庭付一戸建てを購入しようと思っても、なかなか買えない時代です。買えたとしても利便性が悪く、市内中心から1時間はかかるロケーションで、少し手入れが必要な物件となってしまいます。
通勤に不便、子供の学区も考えて……となりますと、狭くとも利便性のよい地域でタウンハウスを購入することで、マイホーム購入を実現させるカップルが増えているのです。
マイホームにこだわる理由
さて、どうして人々は、マイホームにこだわるのでしょうか。賃貸マーケットが大きい日本で疑問に思われることでしょう。
ニュージーランドでは、家主の都合による家の売買が多いため、気に入った住宅に賃貸契約で暮らしていても、1年で追い出されてしまうことがあります。引っ越し代も自腹なので、出費が多くなってしまい大変です。
また、現在は家主の都合で解約をしたい場合は、90日前に申し出るということになっているため、ある程度準備ができます。しかし以前は、売る時は42日前にという決まりだったので、次の家を探すのに苦労していたテナントさんも多くいました。
そういった苦労や出費があるため、マイホームを持つことにこだわりがあるんですね。
そして、家賃が高騰していることも、マイホームへのこだわりを強くしている要因のひとつです。家賃が払えるのであれば、住宅ローンと同額程度になるケースもあり、賃貸からマイホーム購入へと人々の目が移り始めたのです。
マイホームを購入するとなると、贅沢を言わず、どこかで妥協すれば、何かしらの住宅を買うことはできます。それでも実際には「この学区が、この地域が……」と、いろいろ希望が出てきて、決められないなんてこともありますよね。
しかし、そうして迷っていると、あっという間に住宅の金額は上がってしまい「先月ならば、この地域で買えていたのに……」という後悔をすることになります。迷っている間に希望地域の住宅価格が高騰し、予算内では手が届かなくなってしまい遠くの地域に引っ越すことになったり、どうしてもこの地域にこだわる方は3LDK以上をあきらめ、2LDKの住宅を買うしかないという状況に陥っていたりするのです。
家を買いたい、投資したいと思ったらすぐ実行
成功している投資家・資産家はいいます。「ニュージーランドの不動産で損をすることはほとんどない」と。
平均110万ドルになって高値で買えない……と思っていても、何とか予算内で買える住宅を探して購入し、1年、3年、5年と持つ努力をすれば、きっとあくせく働かなくてよい金額が手元にやってきます。そのためには、まず実行することが大切です。
10名の人がいたとして、半数以上が「住みたい、住んでもいい」と思う家であれば、どこであっても賃貸運営はうまく進められます。頭金を用意し、ローンを組み、実行あるのみなのです。
住宅ローン金利が2%台になった影響もあり、自分の意思とは関係なしに大家から退去を求められる人々が多くなってきました。そんな状況の中で、落ち着かない生活を送るのであれば、少し努力してマイホーム購入へと進もうとする賢い若者も増えています。
今、シティーのアパートメントは、空港を閉じていて外国人が入ってこられないため、賃貸運営はガタガタです。安く手放すオーナーさんもいるため、相場より安く手に入るチャンスでもあります。掘り出しものを探し、我々セールスマンの声を聞きながら、実行に移すことが成功の鍵です。
もし7000万円以上の資金を投資できる場合は、新築物件のアパートメント、又はタウンハウスへの投資が可能です。
所有し続けることももちろん可能ですが、今のうちに購入し、物件が完成する頃に購入時の金額より値上げして再売りするという投資も可能です。そうなれば、10%デポジットのみ預けるので、700万円を用意する形でチャレンジができます。しかし、建設完了までに次の買い手が見つからない場合には、物件引き渡しをしないといけないため、残りの6300万円を用意できる目途を立てておかないと、この方法はリスクもあります。
それでも、物件の完成間際には、多くの方が物件を求めることで購買力も高くなりますし、万が一の時は価格を下げれば買い手は付くため、希望の価格には届かなくとも損をすることはないでしょう。そうやって5軒も購入し、1戸あたり10万ドル、合計で50万ドルの利益がほぼ確定している方も実際にいます。
投資はリスクをはらむものですが、リスクを最小限に考えることで、人生を豊かにしていくことができます。その中でも、ニュージーランドの不動産投資からは目が離せません。
ぜひ、チャンスを逃して悔しい思いをせずに済むよう、実行してみてくださいね。
ロックダウン中のオークランドより|一色良子のニュージーランド移住日記 ご挨拶と自己紹介|一色良子のニュージーランド移住日記