資産運用の中でも、間違った認識をされているのがマンション投資です。
マンション投資と聞くと、やはり元手を気にしてしまうのですが、実はまとまった資金がなくても参入できる投資でもあるのです。
当記事では、マンション投資の特徴やメリット、デメリットをお伝えしていきますので、最後までご覧ください。
目次
マンション投資とは
同じマンションでも「居住用」と「投資用」では考え方が全く違ってきます。
「居住用」とは自分が住むためのマンションの事です。
一方、「投資用」は、「人に貸して、家賃収入を得るためのマンション」のことを指します。
ですから、物件探しも、投資金額に対してどれだけリターンがあるかを考えながらマンションを探すことになります。
自分が住みたいマンションを探すのではありません。
自分が住みたいマンションを探すのとは視点も考え方も変わってきますので、その部分を先ずはしっかりと頭に入れて下さい。
結論を先に言うと、マンション投資は有効な投資先の一つという事ができます。
株式投資やFX(外国為替証拠金取引)とマンション投資の一番の違いは、株式やFXのように時として大きな収益を生む可能性は無いものの、比較的、『安定的』『長期的に』収益を上げることが可能という点です。
将来も人口の減ることのない確実な地域の確かな物件を購入すれば、不動産価格が目減りしてしまうことや、賃料が半分になってしまうことは考えにくいです。
現在、投資マンションは利回り4~5%のものが多くなっており、それくらいの利回りを目標にしていくと良いでしょう。
しかし、注意点として、リターンの出るマンションの見極めは初心者には非常に難しく、安直な考えで行動するのは避けましょう。
投資用マンションに投資して得られる収入は、大きく分けて2つあります。
マンション投資におけるインカムゲインとキャピタルゲインとは
インカムゲイン
マンションを購入し、そのマンションに人が住むと毎月の家賃収入が入ってきます。
これを「インカムゲイン」といいます。
これはマンションを資産として保有しているので得られる収入になります。
例えば、家賃10万円のマンションを一室持っているとした場合、毎月10万円の家賃収入が入ってきます。
一年で120万円になります。
しかし、実際的なところで言うと住宅ローンを利用してマンションを購入し、ローンの支払いを家賃収入で賄っていく投資家が大多数になります。
キャピタルゲイン
マンションを売却し、差額で利益を得ることを「キャピタルゲイン」といいます。
物件を安く買い、高く売るという分かりやすい手法ですが、投資用のマンションは中長期的な運用を前提に考える事が多いので、キャピタルゲインを初めから考えるのではなく、売却するタイミングの結果としてキャピタルゲインを得られるかも、程度で考えておいた方が良いでしょう。
理由は、投資初心者が、マンションのキャピタルゲインを狙う事はハードルが高いからです。
最初は、インカムゲインを目的にマンション投資を始めることをおすすめします。
次に、投資用マンションの種類を見ていきましょう。
マンション投資の種類
投資用マンションの種類は、大きく4つに分かれます。
区分マンション投資(新築)
「区分マンション」とはマンションの1室を指します。306号室とか512室とかです。
新築マンションは何と言っても新しいので、住居者に好まれるし、空き室になる可能性は低いでしょう。
新築という事が有利に働く事は事実ですが、その分、最新の設備が標準装備されている、グレードの高い仕様になっている事が多い為、価格は中古の区分マンションよりも高くなります。
区分マンション投資(中古)
中古の区分マンションは古いぶん、新築よりも安いのが一般的です。
しかし設備の老朽化のため、水回り、外壁、エアコンなどの故障により、突発的な修理代(支出)が生じるケースもあります。
また、建物全体の管理状況を確認しておくことも重要です。
1棟マンション投資(新築)
「1棟マンション」とは、マンションを一棟丸ごと購入、または建築して運営する投資を指します。
マンションの戸数は物件によりまちまちですが、億単位の購入資金が必要となり、区分マンションと比べると、各段に投資金額が大きくなります。
1棟マンション投資(中古)
中古マンションを一棟ごと購入し、運営することを指します。
築数十年の1棟のマンションを安く購入し、リノベーションを行い、物件力(住居者を惹きつける力)つけて家賃収入(インカムゲイン)を得る事を得意とする不動産投資家もいます。
「1棟マンション投資」は、新築・中古ともに、初心者にはハードルが高く、どちらかといえば、経験豊富な投資家向けと言えるでしょう。
では、より具体的にマンション投資におけるメリットやデメリットについて確認していきましょう。
マンション投資メリット
まずは、マンション投資のメリットから見ていきましょう
安定した収益が得られる
マンション投資の収益は家賃収入ですので、収益が安定しています。
入居者が居る限り、毎月一定の収益が得られるため、収入軸としての見込みが立てやすくなります。
株式やFXの様な金融商品では日々価格が変動するため、利益を出すには売買を繰り返すことが必要です。
また、価格の上がり下がりも世界の情勢から直接的な影響を受けることが多く、安定した収益を上げていくことが非常に難しくなります。
金融投資と比べてリスクが低い
マンション投資は、株式やFXなどの金融投資と比べると格段に資産ロスのリスクが低いと言えるでしょう。
金融投資では、値下がりによる元本割れや最終的に価値がゼロになることがリスクです。
マンション投資は物件の値下がりリスクや空室リスクはあるものの、不動産は実物資産なので、売却しない限りゼロになることはありません。
レバレッジ効果がある
マンション投資を始めるのに、物件を買えるだけの自己資金は必要ありません。
マンションの購入資金は銀行からの融資を利用できますので、自己資金以上のマンションを購入し、運用することが可能です。
そのため、効率の高い投資が実現できます。
手間がかからない
マンション投資では、物件の管理や入居者対応を管理会社に委託できます。
所有者が直接管理しなくても特に大きな問題ありません。本業を持ちながら副業としてマンション投資を行うことも可能です。
続いては、マンション投資のデメリットやリスクについて見ていきましょう。
マンション投資のデメリット
マンション投資は安全性の高い投資手段の一つには間違いありませんが、全員が成功できるとは限りません。
安易な気持ちでやってしまうと失敗につながるため、デメリットやリスクについてもきちんと知っておきましょう。
長期空室で家賃収益を得られない可能性がある
マンション投資の収益は、入居者が居ないと入ってきません。
長期に空室となってしまった場合には、経費だけがかかり収入が無くなります。
災害・事故による収益性の低下
大きな自然災害や事故などにより、物件が損害を受けた場合には運用が難しくなります。
そうなってしまった場合、当初想定していたような家賃収益は得られなくなります。
ローンの返済にも支障をきたす可能性も出てきます。
保険である程度カバーできる場合もあるので、保険の検討も必ず行ってください。
老朽化に伴う修繕費用の増大
マンションは時間とともに老朽化します。
年数が経つにつれ問題箇所が増え、修繕費用が増大していきます。
また、目安として10~15年程度に1度は大規模な修繕が必要です。
修繕費は利益圧迫の原因のひとつとなっています。
金利上昇の可能性
マンション購入時にはローンを組むことが一般的ですが、変動金利型の場合には、経済情勢の変化によって金利が上昇し、負担が大きくなる可能性もあります。
以上、デメリットをご紹介してきましたが、これらのリスクについては、以下のような対策を取ることが可能です。
- 空室・家賃変動リスク:将来的にも資産価値が落ちにくい物件を選ぶ。
- 自然災害リスク:築年数を確認して物件を選ぶ、各保険に入る。
- 販売会社、管理会社倒産リスク(ノウハウや実績はもちろん、資産状況も確認する)
- 金利変動リスク:金利が上昇したとしても無理のない借入をする。
マンション投資のリスクをしっかり把握しておくことで、事前に対策することもできますので、ぜひおさえておいてください。
マンション投資に向いている人
ここまでマンション投資の特徴を解説してきましたが、マンション投資に向いている人は、長期で安定的に資産を増やしていきたい人といえます。
FXや株式投資に比べて、資産が減るリスクは大きくなく、インカムゲインを中心に考えれば、時間をかけておこなう投資ということになるでしょう。
ただし、マンション投資には専門的な知識も不可欠であり、その道の専門家に相談しながら進めていくことをおすすめします。
ご自身の投資スタイルに合わせて、マンション投資も検討してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここまではマンション投資に対する要点を見てきましたが、実際的に成功させる重要ポイント・マンション投資の答えを一言でいうと「良い物件を購入できる」という事です。
良い物件を購入するために必要な事は、
- 情報収集を十分に行い独自の投資戦略を作ることができる。
- 物件の見極めと収益化に関してサポートしてくれる人がいる。
という事です。
様々な情報を網羅的に比較検討することが重要で、特に中古、リノベーションの対象となるマンションでは、活かし方にも多様なアイディアが考えられ、そのアイディアしだいでリターン率も変わってきます。
マンション投資で失敗する人は、情報収集力が欠けていることが多く、その結果、接する機会が多い不動産会社の営業マンの意見を鵜呑みにし、あまり収益が出ない新築ワンルームマンションなどを買ってしまう人が後を絶たないのも現実です。
良い物件を購入するためには、たくさんの物件情報を見て見極める力量も必要ですし、確保できた物件に対して融資付けも自分でやらなければならないケースがあります。
成功するための秘訣として、同じ目標を持った仲間的な存在、人的ネットワーク、もしくは先生のような存在(専門家)がいると良いでしょう。
周囲にこのような頼りになる存在がいる、いないでマンション投資で成功できる確率は変わってきますので、ぜひおさえておいてください。