核・世界大戦の危機にこそ輝く「有事の金」とは何?

有事の金

投資に興味を持ったあなたに、ぜひ知ってもらいたいのが、有事のという言葉。

ここで言う有事は、「戦争・大災害」など、生活・経済に大きな影響を与える出来事。そして、「有事の金」とは、戦争や大災害などが起きると「ゴールドが買われて値段が上昇しやすい」というセオリーのことです。

なぜ、有事に金が買われるのでしょうか?

その流れを見ていきましょう。

戦争・大災害が起きると、ビル・工場などの建物、電気水道といったインフラが破壊されます。

ときには、金融システム・生産力・国家のシステムが機能しなくなります。そうなると、通貨・国債・株式といった金融システムの価値が大きく下がることになります。

有事の金買いとは

ちょっと昔の物語になりますが、「マッドマックス」「北斗の拳」といった荒廃した世界。そこでは、お金よりも食料・水の方が貴重な世界。そこまで行くと文明の危機レベルになり、金ですら価値が落ちるでしょう。

金が活躍するのは、混乱した世界

金が活躍するのは、そこまではいかない世界。日本は荒廃しても、他国は健在な状況です。その状況で他国に逃げても、日本のクーポン券・電子マネー・紙幣が使えないのは、お分かりいただけると思います。

そう、自国が破壊されて他国に逃げる時は、他国でも価値のあるお金を持っていかないといけません。それに当てはまるのがゴールドなわけです。

そのため、戦争・大災害が起きると国家や会社と関係のない金の価値が上がり、「有事の金」と呼ばれます。

お金持ちが、金を貯める最大の理由が、この有事の金。なぜかといえば、お金持ちであればあるほど、一族全体や万一のリスクを考えますし、自国が破壊された場合、すぐに他国に逃げられるから。

リスクの中には、戦争・略奪・暴動・天災といった様々なリスクが含まれます。そのために、核シェルター・非常用の倉庫を持つ資産家もいますよね。金も非常食ならぬ非常用のお金と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

破局や世紀末を描く物語で、株券や紙幣が紙切れになるのは、あなたもたくさん見ているはず。その中には、平和な世の中でお金持ちだった人が、相変わらず、札束で言うことを聞かそうとして、馬鹿にされるシーンが頻繁に登場します。

えっ、国や通貨の崩壊。暴動で起きるの?と思ったあなた。

たった今も南アフリカの一部地域では暴動が起きています。アラブの春があったのもIS(イスラム国)の台頭もついこの間の話です。

有事の金は忘れられたの?

さて、この有事の金買いというセオリー。効果がないという意見もちらほら。もしかしたら、あなたも「そんな言葉、時代遅れだよ」というセリフを聞いたことがあるかもしれません。

そう、この言葉が通用するかしないかは世の中が平和かどうかに左右されるところが大きい。

戦争の危機とは

20世紀は、二度の世界大戦を経験した戦争の時代。ようやく終わった第二次世界大戦後も「東西冷戦」という一歩間違えれば、「核戦争が起きる」という危機と隣り合わせの時代でした。

冷戦時代の戦争は、米国とソビエト連邦の代理戦争だったのです。つまり、地域の小さい紛争でも、エスカレートすれば核戦争が起きるかもしれないという恐怖があったのです。
ソ連のアフガニスタン侵攻・キューバ危機など危ない場面はたくさん。こういった環境では、有事の金は、非常に有効なパワーワード。

ところが、ソ連をはじめとした共産圏諸国が崩れ、東西冷戦が終了すると、人々は、世界戦争や核ミサイルの脅威から逃れることができました。もう、大きな戦争は、起こらないとばかりに平和を謳歌したのです。そのため、有事の金という言葉は力を失いました。

しかし、平和の維持ほど難しいことはありません。

現在の日本は、平和こそ続いていますが、世界全体を見回すと紛争の火種がたくさん。米国のライバルとして台頭している中国は、東洋の覇権を目指しています。中国の台湾侵攻の可能性もゼロではなく、現実的な課題です。

そのため、有事の金買いという言葉も復活したといえるでしょう。

短期での有事の金買いはおすすめしない。

戦争が起きた時、これは危ないとばかりに急いで、金を買うのはおすすめしません。「噂で買い、事実で売る」という言葉通り、短期筋の餌食になりやすいので、避けてください。

これで、有名なのは、1990年の湾岸戦争。イラク軍が隣国のクウェートに侵攻して始まった地域戦争では、有事の金買いとばかりに開戦前は、金が買われました。しかし、米国をはじめとした国際社会が、この戦争に介入しないと予想したイラクのフセイン大統領の読みは甘く、多国籍軍の活躍で、戦争は短期で集結。

そして、戦争前は、有事の金買いとばかりに金を買った投機筋。彼らは、実際に、開戦したのを見て、戦争は早めに終わるとの見通しから金の売りに回っています。結果として、金価格は下落しました。

まとめ:有事の金買いは長期的な視野

有事の金買いは、長期的な眼で、資産を守る目的の元に考えるべきでしょう。日本に住んでいる以上、資産の大部分は、日本円・日本株です。こういった日本に根ざした資産が危なくなった時。そして、経済危機やサイバー攻撃で、世界の金融システムに不具合が生じた時こそ、有事の金買いが輝く時だと思います。

余裕のある時に行う、これが、有事の金買いの正しい道です。