今回の記事では、『マンションを購入すると必要になる修繕積立金』について、その重要性を解説していきます。
不動産の中でも、マンションを購入した場合にかかるのが「修繕積立金」。これは管理費とは別に、毎月のコストとして発生します。
修繕積立金は、長い目で見るとかなり重要な費用ですので、今後マンション購入を考えている方は、ぜひこの記事を最後までご覧ください。
目次
「マンションは管理を買え」の意味
一棟ではなく区分でマンションを所有している方の中には、「マンションの共用部分に対して支払う管理費や修繕積立金に、コストをかけたくない」という方は多くいらっしゃいます。
しかし、昔の格言に『マンションは管理を買え』というものがあります。管理の良し悪しは、マンションの資産価値そのものに、大きく影響を与えるということです。
マンションの管理が良い場合、築年数が経っていても劣化が少なく、いつもきれいな状態が保たれています。すると、賃貸に出す時も、家賃を高く設定することができます。また、住民トラブルも少なく安心して暮らせるなどの点から売却時も高く売る事ができるのです。
管理が良い物件の条件とは
それでは、具体的にはどのようなマンションを「管理が良い」と言えるのでしょうか。それは、修繕積立金が十分に積み立てられていて、物件の修繕に対してそれなりにお金をかけられる状態の事をいいます。
修繕積立金の一般的な相場
一般的なマンションであれば、12年周期で足場を組み立てて、大規模修繕工事を行います。これにかかる平均的な費用負担は、1戸あたり100万円程度と言われています。(※物件の規模によります)
それに伴い、1部屋ずつで毎月修繕積立金を積み立てていきます。金額については、国土交通省が発表したマンションの修繕積立金に関するガイドラインにより、次のように推奨する金額が示されています。
- 15階建未満……1㎡あたり、月178円〜218円
- 20階建以上……1㎡あたり、月206円
このように、「1㎡あたり、月200円程度」の修繕積立金であれば、国が推奨するとおりと判断できます。この目安となる金額を大きく下回っている場合、十分な大規模修繕工事がされないためにマンションの劣化が早まり、資産価値を下げてしまう事になります。
修繕積立金の徴収方法
修繕積立金の金額というのは、新築で販売された際に分譲会社が作成した長期修繕計画書に基いて徴収されます。この徴収方法には、次のように2つの種類があります。
- 段階増額方式……築年数が経つごとに増額していく
- 均等積み立て方式……最初から均等に負担していく
マンションを長期的に所有する場合は、徴収方法の違いによっても収支計画が変わってくるため、注意しましょう。
タワーマンションの今後
昨今、この修繕積立費に関する問題が多く取り上げられているのが、タワーマンションです。
タワーマンションの歴史はまだ浅く、2007年〜2008年頃に多く供給されていましたね。つまり、当時建てられたタワーマンションは、ちょうど最初の大規模修繕工事の時期を迎えているのです。
一般的な高さのマンションであれば足場を組んで工事しますが、大規模なタワーマンションになると、ゴンドラを吊るして工事をすることになります。そのため、雨や強風などの天候の影響を受けることもあり、工期が長くなってしまいます。
工期が長くなると、一般的なマンションに比べて費用も1.5倍〜2倍かかることになるため、改めて大規模工事にかかる費用を考えて、毎月の修繕積立金の増額を強いられるタワーマンションが増えることでしょう。