ただいま、中国では、中国の恒大集団(Evergrande)の破綻危機が、どこまで波及するのか注目を集めています。リーマン・ショッククラスの世界危機に発展するのか。中国単体の不動産危機で終わるのかは、当たり前ながら大きな違いです。
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中国恒大集団の崩壊危機
外貨投資を行う場合、時折、こういった大きな経済危機に注意しないといけません。特に、欧米などの先進国よりも新興国の方が、危機に見舞われやすいといえるでしょう。
恒大集団の負債総額は、2兆元(約3050億ドル)とも言われるレベル。さらに、話は、これだけでは終わりません。次は「富力地産」「緑地控股」など他の大手不動産会社の巨額債務に波及するリスクあり。
まず、第一の問題は、政府が救済を行うかどうか。世界第二位の経済大国となった中国。そのGDPの2%といえば、一企業とはいえ、カンタンに話が済みそうにありません。いわゆる「大きすぎて潰せない問題」が浮上。リーマン・ショックの時も、破綻しそうになった大手金融機関は、政府と中央銀行により、救われています。
恒大を救う大義名分はあるのか
そして、恒大の幹部が、自社投資商品を売却するなど、モラル・ハザードの動きも出ています。共産党政権の中国が、恒大を救うことについて、大義名分をどのように描くのかも難しいはず。習近平政権は、只今、「共同富裕」の方針の元、格差縮小を推し進めていますからね。ここで、恒大を自己責任の名の元に倒産させることで、これまで進めてきた市場優先方針を変更させることを内外にアピールする可能性もあります。
リーマン・ショックとは少し違う
幸い、リーマン・ショックのように、格付けが信用できない・負債の全貌が見えないという最悪の事態にはなっていません。あのときは、資産がババ抜きでいうジョーカー(ババ)なのかもわからない状態でした。今回は、資産の内容が粉飾などもあるでしょうけれど、把握できる範囲ということが、大きな違いです。
中国経済を牽引してきた不動産業界が、日本のバブル崩壊のように崩れていく可能性があります。しばらく、外貨投資を行う上で、中国投資は、様子見の方が良いと思います。
リーマン・ショックというより、欧米のビルや会社を買いまくった日本のバブル経済末期の再来かと思うような事態。
中国不動産のバブル崩壊に注意
そして、もう一つ、気になるのは、欧米から流入してくる文化に対する中国の締め付け強化。ボーイズラブ(BL)制限や女性っぽいキャラクターの禁止などは、ちょっと原理主義の匂いを感じます。
不動産価格の下落に加えて、文化統制まで進めば、経済にも大きな打撃。
恒大集団の倒産により、不動産の売却=値下がりが続けば、中国に投資していた資金が、逃げ出す可能性があります。底を見るまで、中国への投資は、黄色信号と考えておいた方がいいと思います。落ちるナイフを掴むなの格言・勝負事で言う「見(ケン)」の状態で待つのも大事です。