税額控除とは?意外と得する「その仕組みと5つの控除」

税額控除

確定申告するときに「税額控除」という言葉を聞いたことがある方も、いるのではないでしょうか。

多くの方は、

「そもそも控除って、何?」
「税額控除って、どうせ自分には関係ないからいいや!」

などと考え、なんとなく聞き流している方も少なくないはずです。

しかし、実はその控除を受ける条件を満たしている方であれば、「大きな節税効果」を秘めた仕組みなんです。

その仕組みさえ知っておけば、これまで無駄に税金を払っていたお金を最小限に抑え、今年の余計な出費を減らすことができます。

そこで今回は、控除の仕組みや、税額控除がどういうものか、その控除に当てはまるものは何か、さらに控除を受けるためにやらなければいけないことについて解説していきますね。

ぜひ、この記事を最後まで読み、今まで損していた金額を無くし、自分のために使えるお金を確保していきましょう。

控除とは

この記事内で何回か登場した「控除」とは、個人が支払うべき税金から「ある一定の金額を差し引くこと」です。

つまり、納める税金額を減らすことができるということなんです。

例えばの話なんですが、控除の申請をしなかった場合の納税額が10万円で、控除申請をするだけで、その金額が8万円、5万円へと減っていくこともあり得るんです。

このように申請をするだけでも、得をする可能性があります。

知っておくべき2種類の控除

納税額を減らす控除には、大きく分けて「所得控除」と「税額控除」の2つがあります。

「所得控除」は、所得金額から医療費や社会保険料(健康保険、年金、労働保険関係)、配偶者控除など、控除の対象となる一定額を取り除くことです。

その金額に対して、その額の応じた税金が決まります。

さらに、その税額から控除できるのが「税額控除」というものなんです。

このように二段階に分かれて、税金を減らすことができる仕組みになっています。

税額控除の種類

それでは、具体的に税額控除の対象となる、主な5つについて説明していきますね。

もし1つでも当てはまる方は、お得な控除を使っていきましょう。

住宅ローン控除

住宅ローン控除はローンを組み、マイホームを新築住宅か、中古住宅を購入した方、あるいは増改築した方の中で、ある条件を満たした場合に受けられるものです。

この控除額は住宅ローン残高をもとに計算するので、毎年変わります。

そして条件とは、新築住宅の場合、中古住宅の場合、住宅の増改築の場合によって異なります。

例えば、新築住宅ローン控除を受けるための条件となります。

①合計所得金額が3,000万円以下
②ローン返済期間が10年以上
③増築あるいは改築してから6カ月以内に住むこと
④住宅の床面積が50㎡以上
⑤中古住宅の場合は建築後20年以内、あるいは中古マンションの場合は建築後25年以内
(一定の新耐震基準等の適用あり)
⑥増改築の場合は、100万円を超える費用がかかっていること

注意してほしいのが、サラリーマンの方でも初めて控除を受けるは、確定申告が必要です。

その後、2年目以降は会社の年末調整で控除されますので、確定申告は不要となります。

配当控除

配当控除に当てはまる配当所得とは、株式による利益や投資信託の利益の分配による所得のことです。

また、配当控除の控除額は、課税総所得1,000万円以下の場合は配当所得×10%(一定のものは5%)であり、課税総所得1,000万円超えの場合は別の計算式で計算方法となります。

※課税総所得とは、税金がかけられる金額のこと。

外国税額控除

外国税額控除は、その年内に納付した外国所得税がある方が対象となります。

例えば、外国税額控除の対象は、以下のような所得税です。

  • 外国株式の配当金、利子
  • 海外での不動産投資による不動産所得
  • 海外で所有する不動産などの売却益

上記のように、外国に支払った税金がある場合、節税することが出来ます。

源泉徴収税額

源泉徴収とは、会社が本人に代わって、国に納付する仕組みのことです。

基本的に給料が発生するごとに自動で天引きされ、その支払う金額は控除することができます。

災害減免額

災害減免額とは、自然災害や火災などで、住宅や家財に損害を受けた方が対象になる控除です。

具体的には災害によって受けた住宅や家財の損害金額が「時価の2分の1以上であり、災害にあった年の所得金額の合計額が1,000万円以下だった場合」に、控除を受けることができます。

控除を受けるために必須なこと

ここまで何が税額控除に該当するのかを説明してきましたが、その控除を受けるために絶対忘れないでほしいのが確定申告です。

せっかく控除の対象となるものがあったとしても、申請をしていないだけで控除を受けることができません。

それでは、確定申告が必要な場合について説明していきますね。

サラリーマンの場合

サラリーマンの方は、基本的には会社が年末調整をしてくれるので、確定申告は不要です。

また、所得控除に関係する「医療費控除、雑損控除、寄附金控除」の3つについては、確定申告をする必要ですが、基本的には「税額控除」においては必要ありません。

ただし、住宅ローン控除の適用を受ける場合は、最初の年だけ確定申告をする必要があります。

個人事業主などの場合

一方で、個人事業主の方は、自分で確定申告をしなければなりません。

毎年行うことなので面倒だなと思うかもしれないのですが、適用する控除があるため、確定申告をするだけで得しますので、ぜひ申請するようにしましょう。

最近はパソコンに数値を入力するだけで、あとは自動で計算をしてくれるため、そこまで大変な作業ではないでしょう。

また、申請を忘れる方もいるので注意してくださいね。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回の記事は、控除の仕組みから税額控除に当てはまる5つのこと、そして確定申告が必要な方もいることをお伝えしていきました。

もしも、自分に当てはまる控除対象のものがある方は、それを最大限に活用し、節税していきましょう。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。