長期積立投資家のための思考パターン別リバランス方法

投資家 リバランス

世界的な株高が継続しており、今朝もNYダウが2ヶ月ぶりに史上最高値を上回ってきました。

筆者がチェックしている「全世界株式」へ投資している株式投信の基準価額(投資信託の値段)も、軒並み最高値となっており、株高・円安効果をダブルで享受しているのが明確となっています。

  • NYダウ:2021.10.20 終値 35,609.93(最高値) 高値 35,669.20

 

  • S&P500:2021.10.20 終値 4536.19 高値 4540.87
    ※最高値:2021.2.9 終値 4536.95 高値 4543.85

 

  • NASDAQ:2021.10.20 終値 15374.30 高値 15178.40
    ※最高値:2021.7.9 終値 15374.30 高値 15403.40

積立てによる長期国際分散投資家の皆さまであれば、こういう時こそログインしてみていただきたいですが、「リバランス」(自分の資産配分の内訳の割合を変える)について考える際に、どのようなことを意識しておくと良いかご紹介しますので、参考にしていただけたら幸いです。

いつまでも同じ相場が続くわけではない

「好調なマーケット環境がいつまで続くかわからない」というのは、直近9月下旬~10月初めまでの、中国不動産問題・岸田ショック・アメリカ発の諸問題などによる急落相場で、なんとなくわかっていただけているかと思います。

我々の思考パターンのクセとして、良い状態も悪い状態も、いまの目先の状態が今後も継続するのではないかと思い込みやすく、いずれ変化が起こるかもしれないということを想定しにくい、ということがあります。

長期にわたって積立投資を継続していくのが積立投資家ですので、多少の変化に右往左往する必要は全くありませんが、「以前のリバランス関連記事」でもご紹介したように、当初の資金計画をベースに、リスクの取りすぎ・リスクの取らなすぎには注意をしましょう。

リスク資産の上下については、その結果や好不調の度合いを保証することは誰にもできませんので、積立投資家の心理状態や思考パターンがとても重要だと感じています。

それでは筆者なりに実感している、積立投資家の思考パターンをタイプ別にみてみましょう。

3つの思考タイプから対応策を考える

Aタイプ ▶「バイ・アンド・ホールド」

「Buy and Hold」(買ったらずっと保有する)を強力に実践しているタイプです。

ドルコスト平均法でコツコツ積立てを継続し、自分が売りたいと思うまで、あるいは売る必要がでてくるまで、いっさい現金化しないタイプ。バイ・アンド・「アホ」ールドと揶揄されることも。

リスク資産は長期保有すればするほど増えやすいという強い信念があり、時代の波に乗ったら最も儲かるタイプですが、現金化が近づくタイミングでは資産の増減幅が大きくなりやすいため要注意ですが、すべて承知のうえで割り切っていれば問題ないでしょう。

Bタイプ ▶「めんどくさい・忙しい」

日常的にも、あまり資産運用に関心がなかったり、仕事が忙しかったり、家族との時間を優先するあまり、そもそもログインすらしない、ログインするのも嫌だというタイプ。

「投資用の現金:リスク資産」の比率がどうなってるとかをチェックすることはまずないと思いますが、「史上最高値」「年初来高値」「世界株高」やその逆、「年初来安値」「世界株安」などのキーワードには反応するようにしていくと良いでしょう。

信念をもってほったらかしにしているのではなく、自覚がないまま放置していることになりかねませんので、せめてスキマ時間にでも、ログインしていただきたいと思います。

Cタイプ ▶「まめにチェックする」

月末や年1回など、比較的こまめに自分の資産残高を、エクセルなどで管理しているタイプ。積立投資を継続していったり、株価暴落局面で買増ししたりすることで、リアルに運用成果を実感しているタイプで、さらに2パターンにわかれます。

①▶Aタイプの要素を含む

こまめに定期的に、あるいはニュースなどでビッグイベントを見たら、資産残高をチェックするタイプ。売却を伴うリバランス(リスクの再調整・資産配分を変える)をほとんどせずに、定期的な積立てを継続しつつ、待機資金の現金を活用して、たまにリスク資産の買増しをする。

現役で健康的に仕事をしているうちは特に問題ないと思いますが、働くことをやめる時期を意識しだしたり、いつ引退するかを考えるようになった際には、少しずつリバランスを意識していくと良いでしょう。

②▶Bタイプの要素を含む

自分のリスク資産が多少増えたり減ったりしても気にならないタイプ。それよりも、資産運用について考えること自体にあまり価値を見出していないため、年末や年初、長期休暇中など、余裕のある時にチェックして、リバランスするかどうかを判断するタイプ。

ログインする時期によってリバランスするかどうかを判断するのはたしかにあまり考えずにすみますが、もう少し世界情勢やマーケット環境を基準に考えていただいても良いような気もします。

相場は自分のヒマな時間を考えて動いてくれるわけではありません。日常生活のなかに、自分の資産について考える機会を増やしていっていただいても良いかもしれません。

年末年始はお金のことを考えるチャンス

以上、口座にログインするタイミングやリバランスについて、積立投資家のタイプ別に、筆者なりに感じている特徴や対応方法をご紹介してみました。

正解があるテーマではありませんから、自分の生活スタイルにあった方法で問題ありませんので、年末に向けて少し考えてみるきっかけにしていただければ幸いです。

次回は、NISAやつみたてNISAを活用しつつ、長期投資を継続するためのちょっとしたコツをご紹介します。