行動経済学は人間の心理に目を向けた経済学として注目されており、投資についてもよく説明されています。今回は、行動経済学の観点から株式投資とダイエットがなぜうまくいかないのか、解説します。
目次
株式投資がなかなかうまくいかないワケ
株式投資で、“高いときに売って、安いときに買う”ことができれば、当然儲かりますよね。
これが100発100中できれば、誰もが大金持ちです。しかしなかなかできません。その理由は以下の2つです。
相場は誰にも読めない
人間は常に合理的な行動ができるとは限らない
1.相場は誰にも読めない
相場師として、毎日、毎時間、毎分、毎秒、相場をチェックしている人であれば、相場を読み込むことはできるかもしれません。
しかし突然の変化が読み切れるかどうか、当たるも八卦当たらぬも八卦。筆者である私は、「占い師」と同じと考えています。
占い師も多くの人を観て、歳を重ねて人生経験が深くなり、四柱推命などのツールを使うことで、人間の特性をある程度読むことができることでしょう。
どこまで信じるかは、占ってもらった本人次第です。
同じように、相場師から聞いたことを信じるかどうか、あなた次第です。
2.人間は常に合理的な行動ができるとは限らない
行動経済学の研究から「人間は非合理な行動をとる」と実証されています。
- 翌朝が早いのに、深酒をしてしまう
- 貯金がないのに余計なものを買ってしまう
- これ以上怒ってはダメだと思っていても、子どもに怒りすぎてしまった
頭では分かっていても、いざ行動に移すとなるとできなかったり、誘惑に駆られてしまうことがよくあります。
では、“高いときに売って、安いときに買う”ことができない心理と、ダイエットがうまくいかない心理を紐解いていきましょう。
“高いときに売って、安いときに買う”ことができない心模様
自分の購入した株の価格がぐんぐんと伸びていたとします。
そのときに人は少しでも高く売りたいと考え、なかなか売ることができません。あるいはもっと上がると想定しさらに購入します。
ところが、株価が一気に落ちてしまったら、損失してしまいます。
反対に、自分の購入した株の価格が下がっていたとします。
すると、これ以上下がっては価値が下がってしまうと恐怖を感じ、売却してしまいます。
ところが、その後株価が一気に上がったら、売らなければよかったと後悔するでしょう。
ダイエットがうまくいかない心模様
以前より太ったなと思っていたとします。
まだ大丈夫だろうと思って、食欲に負け、食べてしまうことが多々ありますよね。太ると分かっていてもスナック菓子や、ビールとフライドポテトの最高においしくて太る組み合わせに手を伸ばしてしまったり。気づいたときには、すっかり肥満です。
反対に、やせているモデルさんが、もっとやせたら魅力的になるだろう、太るのが怖いと、過度なダイエットをするケースがあります。すると拒食症などの病気になってしまい、海外ではやせすぎのモデルは使わないと宣言しているところもあります。
このように人の心は欲や恐怖に支配され、なかなか正しい行動をとることができません。
ではどうしたら成功できるのでしょうか。それは、欲や恐怖に惑わされないための一定のルールを決めていくことです。
そうすれば投資もダイエットも、成功をおさめることができるでしょう。