空き家を放置で負担増?損をしないための対策とは

空き家 買取

今、日本で、社会問題となっている「空き家の急増」。

総務省が発表した最新の「住宅・土地統計調査」では、日本全国の空き家は「848万戸」、日本の総住宅数の13.6%と過去最高を記録しています。

この数は年々増加の一途をたどっているので、さらに今後も増えていくことが予想されます。

もしかしたら、この記事を読んでいる方の中にも、空き家の所有者がいるかもしれません。

そこで質問なんですが、あなたは空き家を放置することで「とんでもない金額の負担」が発生してしまう、ということをご存じでしょうか?

もしご存じでない方は、今回の記事は「必ず」ご一読ください。
知って損なしの非常に重要な内容となっています。

そして将来、空き家(家族が住んでいた実家の相続など)を所有することになるかもしれない、という方にも必見の内容になります。

ぜひ今回の記事で空き家にまつわる負担について、そして負担を軽減させるための方法を学んでいきましょう!

空き家は放置すると「増税対象」になる

増税
まず、結論からお伝えすると「空き家は放置すると増税対象」となります。

それでは、どういった税金が増額されるのでしょうか?

その答えは「固定資産税」と呼ばれる税金です。

固定資産税とは

「固定資産税」は、住宅、マンション、土地などの「不動産」を所有する人にかかる税金のことです。

固定資産税の計算方法は、

固定資産評価額×税率(標準税率:1.4%)=固定資産税

となっています。

「固定資産評価額」というのは、自治体が決めた基準によって決められる評価額のことで、購入した時の家や土地の価格がそのまま評価額にはならないので、注意しましょう。

要するに、土地の購入額が4000万円であっても、評価額は3000万円、ということもあり得るわけです。

税率は各自治体で決めるのですが、標準税率が1.4%となっていて、ほとんどの自治体もその%を採用しています。

例えば、評価額が3000万円の土地の場合、固定資産税は、3000万円(固定資産評価額)×1.4%(税率)=42万円(固定資産税)となるので「42万円」が固定資産税となります。

これで固定資産税の金額がどのように決まるか、ご理解いただけたかと思います。

しかし、ここまでの説明は「所有している土地」だけで考えた固定資産税の場合です。

所有している土地の上に住宅用の建物を建てると、「住宅用地の特例」というものが適用されます。

住宅用地の特例とは

これは固定資産評価額に対して、1/3、1/6の金額が免除される特例のことです。

例えば、土地の評価額が「3000万円」だった場合、3000万円(固定資産評価額)÷6(住宅用地の特例1/6)×1.4%(税率)=7万円(固定資産税)となります。

先ほど「住宅用地の特例」を入れずに計算した場合は「42万円」になっていましたよね?

「住宅用地の特例」適用によって、42万円→7万円「-35万円も安い」と「35万円」も安くなったわけです。

「住宅用地の特例」が節税対策において非常に重要な法律であることは分かっていただけたと思います。

ただし、ここで注意しないといけないのは、「更地の土地」の場合は、この「住宅用地の特例」は当てはまらないということ。

例えば、住宅用の建物を取り壊して、野ざらしになっている土地があれば、それは「住宅用地の特例」から外れるわけで、それまで免除されていた固定資産税も今後は払わないといけなくなります。

つまり、土地だけだと3倍から6倍の固定資産税がかかってしまうことになります。

実は「空き家」が放置されるのも、これが原因のひとつとされています。

空き家であっても建物が建っている限りは、固定資産税は減免されるので、住まなくなった空き家を放置することで、固定資産税を下げる、という選択肢が選ばれるわけです。

ですが、近年の法改正によって、そうとは言えない状況になってきました。

特定空家等によって空き家も減免が解除される

ここまでの内容で、空き家が増えていく原因はなんとなくわかってきたと思います。

要するに、住まなくなった住宅も、「建て壊し費用+増税」を考えたら、そのまま放置してしまった方が「固定資産税」は安く済む、というわけです。

確かに先ほどの挙げた例のようにかなり安くなるのであれば、空き家を放置する、というのも理解はできます。

ですが、それが原因で日本全国に、空き家が次々と増えてしまっています。

そこで、増えすぎた空き家を取り締まるための「空き家対策特別措置法」が、2015年5月から施行され始めました。

「空き家対策特別措置法」は、定められた基準に当てはまる空き家を「特定空家等」と指定し、自治体などによって立ち入り調査を行ったり、撤去することが可能になる法律です。

そして「特定空家等」と指定されてしまった場合、「住宅用地の特例」も解除されてしまうので、固定資産税がいままでの3倍、6倍になってしまいます。

また、自治体からの助言・勧告・命令が行われ、その指示通りに改善・修繕をしないと、最悪の場合、強制的に空き家を撤去される場合もあります。

この場合、撤去費用(空き家解体費用)は全て所有者の負担となるので、注意しましょう。

損をしないためにはどうすればいいのか

とはいえ実家の相続など、どうしても複数の住宅や土地を所有することは、決して珍しいことではありません。

そんな時、利用しない住宅をどのように扱えば、負担が増えずに済むのでしょうか?

まずは「特定空家等」と指定されないことが重要です。

「特定空家等」と指定される基準は以下となります。

  • そのまま放置すれば倒壊等、著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

上記はあくまでも一例になりますが、特に「近隣の建築物や住人、通行人などに対して悪影響を及ぼすかどうか」と「その危険度・切迫性」が判断の大きなポイントとなります。

例えば、家が傾いていたり、窓ガラスが割れているのに放置されていたり、悪臭だったりという危険な建物、また年間を通して、人の出入りがない空き家が「特定空家等」として指定されることが多いそうです。

なので、大切なのは、自身で住まないのであれば、「賃貸として貸し出す」か「売却」してしまうのがいいでしょう。

賃貸にする場合は、大家として管理する手間も発生しますが、家賃収入も発生するので、その範囲内で管理会社に任せてしまえば、管理の心配はしなくてもよくなります。

売却する場合は、住宅と土地の所有権もなくなるため、固定資産税や空き家の管理も必要なくなります。賃貸などの予定がないのであれば、早いうちに売却してしまうのも良いでしょう。

もちろん「いつか自分の家族が住むかもしれない」という理由などがあるのであれば、老朽化しないように、定期的に通ってメンテナンスなどをして管理するというのもありです。

大切なのは、空き家で損をしないためには「放置しない」ことに尽きるわけです。

空き家対策:まとめ

損をする
今回の記事では空き家でなぜ損をするのか?どうすれば損をしないで済むのか?というポイントをご紹介してきました。

先ほどもお伝えしましたが、決して複数の住宅や土地を保有することは珍しいことではありません。

むしろ実家の相続など、親族が所有していた住宅や土地をなんとかしないといけない場面は、人生において必ず1度は訪れるものだと考えた方が良いです。

そんな時に「まあ、とりあえず放置しておくか」というように思考停止にならずに、空き家をどうするのか、素早く対応するように心がけましょう。

素早く対応できればそれだけ節税にもなりますし、賃貸にするのであれば、その分、家賃収入も期待できるので、むしろプラスになるかもしれません!

空き家で損を出してしまわないように、ぜひ、今回の記事を参考に「空き家をどうするのか」を、今から真剣に考えておきましょう!