「市場はよく間違う!」積立投資家に役立つ投資の考え方

積立投資家

2016年9月、個人型確定拠出年金の愛称が「iDeCo」に決定、2017年5月に大手ネット証券で投資信託が100円から買い付けできるようになり、2018年には「つみたてNISA」が開始、このような動きもあり少額からできる積立投資が徐々に普及を拡大させてきています。

また、来年2022年に予定される18歳以下への10万円相当の話もあります。少額からできる国際分散投資による長期積立の話題が増えることも想定されます。

投資初心者にとっては、投資といえば「資産形成」というイメージを抱くかたが多いと思いますが、徐々にステップアップしたいと思った時にお役にたてそうな投資の考え方の一例をご紹介します。

市場はよく間違って動くが株価推移は尊重すべき!

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2021年11月25日、南アフリカでコロナウィルスのオミクロン型が発見されたと公表されてから、日経平均株価は29,499円から27,753円へ1,746円下げたものの、アメリカのDr.ファウチが「オミクロン型は初期データに基づくと従来型より重症化しにくい可能性がある」と指摘したことにもより、12月8日現在その半分以上の933円を戻しています。

マーケット関係者などのように日々情報収集している人たちからすれば、「ウィルスは感染拡大と反比例して弱毒化していく」というのは半ば常識ではあるものの、筆者の想定以上に大きく株価が下落した印象を受けました。

コロナウィルスの新型が発見されたのでひとまず売っておこうかとでも言わんばかりの動きとなり、株式市場は「不安定を嫌い、安定を好む」というのがまさに如実に表れたのでしょう。

投資初心者からすれば、この一連の上げ下げはそもそも意味があったのかと笑い話にもなってしまうのかもしれませんが、そもそも株式市場はこのように「よく間違う」のです。ただし間違ったとしても、それによる株価の推移、トレンド(方向性)は尊重しないといけません。

積立投資家なら喜んで積立てしよう!

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「ドルコスト平均法」(定期定額投資法)によって、毎月一定額で積立てをされているかたであれば、このような株価下落局面は、積立時により多くの口数を買うことができるためラッキーです。筆者も月末から月初にかけて積立額を一時的に上乗せしました。

積立投資家はそもそも定期的に買い続けますので、株価が上がろうと下がろうと関係ないわけですが、このような下落局面で積立額を一時的に増やすのも一手です。リバランスを比較的ちゃんとやっているかたであれば、このような方法もセオリー通りということで構いません。

積立投資は、対象の株価が上昇し続けると投資効率が落ちてしまうため、上昇し続けてから大きな下落を迎えると、場合によっては大きな含み損(いま売ったら損失がでる状態)となってしまいます。

自分に都合の良い言い方をすれば、積立期間中はなるべく長期間マーケット環境が良くない状態で動き、現金化を視野に入れ始めたころにどんどん上昇していくというパターンが、一番ありがたい動きとなります。

一括投資家ならトレンドを尊重しよう!

一方でまとまったお金を動かす「一括投資」をする、個別株に投資するということであれば、このような考え方は危険です。

積立投資デビューが主に米国株式の影響の強いインデックスファンドやアクティブファンドだったというかたであれば、人によってはそこそこの大きな資金を獲得し、世界的には出遅れている日本の個別株式への投資へ、ステップアップするというかたも少なくないかもしれません。

そのような投資家のかたが一括投資をする際には、積立投資と同じ発想のままのぞんでしまうと、大きな痛手を被ってしまうかもしれませんので要注意です。

個別株式に投資する場合であれば、最近普及しだしている1株や少額から買える株式投資を除くと、ある程度のまとまったお金を1つの株式に投じることになります。

直近の海運株の大幅上昇からの大幅下落が顕著だったように、決算内容が良いからといって株価のトレンドを無視した売買をしてしまうと、思わぬ大ケガをするケースも想定されます。株価のトレンドに素直に売買していかないと、2度と買った値段を回復しないということにもなりかねません。

個別株式に一括投資する際には、積立投資と同じ発想で投資することはオススメできませんので、注意しておきましょう。

お金を失った時の感情は、お金を儲けた時の2~2.5倍の痛みを伴うと言われています。積立投資に一括投資を併用する場合には「大ケガすることを防ぐ」ということをより意識しておくと良いでしょう。

誰もが最後は一括投資家

また、歳を重ね資産が大きくなってくると、毎月の積立額がその資産に与える影響が小さくなっていくと同時に、その資産総額が上下に動いた時の金銭的インパクトはどんどん大きくなっていきます。ということは、最終的には積立投資家であっても一括投資と同様の考え方を身につけなければいけない時がやってくるということです。

将来を見すえて、柔軟な考え方ができるように今から準備しておいても、損にはならないでしょう。