2010年、中国は、国内総生産(GDP)で、日本を追い抜きました。その間、日本は、立ち止まっていたも同然。
日本の状況を見てみれば、仕事は増えるのに給料は上がらず、なのに、税金と生活費は上がる一方。これでは、生活が苦しくなるばかり。老後の年金も、今もらっている世代より少なくなるのは確実です。
では、私達は一体どうすればいいのでしょうか。
目次
日本の会社は、海外投資で稼いでいる
そこで、注目してもらいたいのが、日本の会社がどうやって稼いでいるか。
そう、日本企業は、大赤字で青息吐息の会社ばかりではありません。企業には、多額の内部留保(企業が社内に蓄えるお金)があるとの話は、よく話題に上りますよね。2019年度末の内部留保額は、475兆161億円(金融機関を除く全産業)
この内部留保を社員や下請け企業に配ればいいのではと言うのは簡単。でも、そんなことが上手くいかないのは、ここ数年のコロナ危機を見ても明らかですよね。
会社は、万一に備えてお金を蓄えておく必要があります。ならば、あなたが取るべき手は一つ。どうやって日本の会社がお金を稼いだのかを調べて、マネをすること。
日本は、投資で稼ぐ国に
すでに、日本は、世界の工場でも、輸出大国でもありません。製造業が花形だった時代は、もう、半世紀近く前の出来事。
日本の経常収支が、それを証明しています。昔は、日本=貿易黒字が当たり前。モノを作って売ることで豊かになりました。その時は、得するか損するか分からない投資をするより、モノを作って売った方が確実に儲かったのです。
でも、今は、違います。大手優良企業は、海外へ投資をして稼ぐ時代。
貿易収支と所得収支の逆転
まず、下のグラフを見て下さい。青棒は、貿易収支。オレンジ棒が第一次所得収支。
日本経済は、貿易黒字と思い込んでいた方には、ショッキングなグラフになるかと思います。
データ:財務省 経常収支
第一次所得収支は、海外投資で得た利子や配当などの収支。
2008年度から、黒字は減る傾向が出ていました。これは、リーマンショックによる世界景気の悪化が主な要因。その後、この流れが決定的になったのが、2011年の東日本大震災。それ以降、貿易収支は、エネルギーの輸入などで、赤字の年も多いくらい。
ところが、その状態の中、海外に投資して得られる所得収支は、増えています。それに対して、貿易黒字は、雀の涙レベルにまで少なくなりました。
●1998年度の貿易黒字:約16兆円⇒2019年度:約4,839億円
●1998年度の第一次所得収支:約6.2兆円⇒2019年度:約21.6兆円
このように、貿易黒字は減り、所得収支は、大幅に増加。日本企業が、海外投資で稼いでいることが、はっきりしましたね。
たとえ名人でも魚のいない池で、魚は釣れない
どんな名人でも、魚がほとんどいない池に糸を垂れていれば、たった一匹釣り上げるのも難しい。ところが、魚がウジャウジャといて、餌が欲しくてガツガツしている池ならば、素人同然の人でも、かんたんに釣り上げることができます。
バブル崩壊後の失われた時代の日本は、魚の少ない池でした。それに対して、海外には、魚の多い池がたくさんあったのです。中国投資や米国投資で、大儲けした人は、あなたの周りにもいたのではないでしょうか。
日本だけでなく、これからは、海外で稼ぐことも考えていいと思いますよ。
本連載では、外貨投資に関する話を書いていきますので、よろしくお願いいたします。