1000万円はある程度まとまった資金と言えますし、金融商品の選択肢も大きく広がります。
本記事では1000万円の運用方法とそれに伴うポイントについてお伝えしていきます。
元々資金がある方も、資産運用で1000万円の利益を得た方も、ぜひ参考にさらに資産を構築していきましょう。
目次
運用益シュミレーション
仮にですが、1000万円の元本(資金)がありうまく運用できた場合、どれくらいの運用益が考えられるのか、何パターンかシミュレーションしてみました。
年利5%で複利運用をした場合
- 10年 16,288,947円
- 20年 26,532,978円
- 30年 43,219,425円
- 10年 21,589,249円
- 20年 46,609,569円
- 30年 100,626,565円
年利8%で複利運用をした場合
- 10年 40,491,006円
- 20年 108,170,070円
- 30年 258,393,242円
なかなかインパクトのある数字ですが、上記シミュレーションの年利5%、8%は決してハードルの高い運用利回りの数値ではなく、現実にも十分にあり得る数値です。
(例:1973年から2018年までの長期的なS&P500の利回りは年平均で7.1%)
資金が1000万円あるということはそれだけ資産運用を考えた場合有利なのです。
1,000万円の資金があれば、多くの投資先、金融商品を選ぶことも可能になります。
分散投資のポートフォリオを組んだり、守りを主体としたリスクの少ない投資先に投資したりと考えられる選択肢が多くあり悩まれると思います。
上記に書きましたように1000万円の資金があれば明るい未来も現実味を帯びてきますし、資産運用の選択肢のグンと広がります、それだけ初めの一歩を踏み出すには慎重にやらなくてはいけません。
1000万円を運用するときのポイント
まず、1000万円元本で資産運用を考える場合、目標の明確化が重要です。
とりあえず1000万円あるので何となく勧められるままに金融商品を買う、投資するようなことは避けて下さい。
老後資金として活用したいので〇年後にいくらの資産を持っておきたい、使い道として今は特にないのだが、10年間は堅実に年利3%程度で運用しておきたい、などの目標をまずははっきりと決めましょう。
運用の目標が明確になれば、資産運用の戦略を立てる際にブレることなく適切な方法を選択することが可能になります。
資産運用を検討する際にまず、理解しておいて頂きたいのは、大きな利益(利回り)を追求する投資・運用には、それなりのリスクが付き物という事です。
思い通りに短期間で大きな利益を得られたとしても、次の年には大きなマイナス(損益)になる可能性もあります。
短期間の間に大きな利回りを得られて、リスクが全くない投資運用などの都合の良いものはほとんどありません。
リターンを追求するならリスクを覚悟した上で行う必要がありますし、そのような資産運用における諸々の現実とやり方を知ったうえ、で達成可能な目標を設定して下さい。
1000万円といってもその価値が人により様々なので、金融商品をお勧めする場合も、資本保有者の状況(年齢や収入レベル、性格)を設定しないとずばりの事は書きにくいので、一般的な視点で1000万円元本があった場合のポイントを述べていきます。
基本の考え方は分散投資
資産運用の基本は「分散投資」です。
1000万円というまとまった資産を運用する場合はリスクを分散させる、リスクを抑えるという意味でも分散投資を心がけて下さい。
分散投資の重要性の記事でもお伝えしたように、投資の格言に「卵を同時に一つのかごに盛るな」という言葉があるように、卵を複数のかごに入れておけば一つのかごを落とした場合でも他のかごは安全ですし、時間軸を分けて投資しておくと、〇〇ショックのような全世界的な金融危機が訪れた場合でもリスクを回避できることになります。
資産運用は、投資元本が大きければ大きいほど有利になります。さまざまな金融商品に資産を振り分けることができますし、一つの銘柄に費やせる資金額も大きくなるため、そこから得られる配当金や値上がり益も大きくなってきます。
ポートフォリオの組み方、資産配分が重要になる
資産運用を行う場合、どのような金融商品に投資するのか、その組み合わせの事を「ポートフォリオ」といいます。運用から生み出される利益はポートフォリオの組み方次第と言っても過言ではありません。
ポートフォリオの組み合わせを検討すると、次はどれくらいの資産を配分するのか、という点が重要になります。
例えば、安全性の高い債券を〇%、多少リスクの高い株式を〇%、比較的安全性も高く、安定利回りの見込める不動産関連商品を〇%、といった感じになります。
株式の比率を高くすると値上がり時に大きな利益は見込めますが、その分値下がりした時は損失も大きくなります。
債権の比率を大きくし、株式の比率を低くしておくと、大きな利回りは期待できませんが、元本が減る可能性は低く設定できます。
金融商品の種類と配分をどのようにセッティングするのかは、資産運用を行う際に一番頭を使う部分ですが、その分、面白さを感じるところでもありますので、真剣に向き合い勉強するスタンスで希望を持ちながら行ってください。
資産運用には上がり下がりが付き物という事への理解
特にリスクの高い株式のような価格の上下動が激しい金融商品への投資を行った場合は、価格の上下動に著しく一喜一憂しないように心がけて下さい。
まず、「リスク」という言葉について説明しておきますが、金融における「リスク」とは「危険」ではありません。
その金融商品の価格の上下動する幅の広さの事を指します。
「リスクが高い」とは大きく下がる可能性もあるが、逆に大きく上がる可能性もある、という事です。
リスクは回避するものではなく、「読み取りコントロールするもの」と認識しておいていただくとリスクという言葉も怖くなくなるでしょう。
話を戻しますが、そのようなリスクの高い株式などは短期的に見ると値下がる場面が必ずあります。
しかし、長期的なスパンで見ると上がっている場合もあるのです。
一時的に価格が下がったからと焦ってしまい、保有しているものを売ってしまい、その後の値上がりのチャンスを逃してしまうというようなケースに陥らないよう、精神的な余裕も必要になります。
1000万円という資産を運用する場合は1000万円に伴う精神的度量も必要です。
リスク度合いに応じた金融商品
最後にそれぞれのリスク度合いに応じた金融商品の説明をしておきます。
自分が行う際はそれぞれの金融商品について詳しく調査、勉強することをお勧めしますが、一つの指針にしてくださいね。
ローリスクローリターン
リスクは低めですが、その分リターンもあまり期待できない商品になります。
定期預金
普通預金よりも金利が高く、元本が保証されているが1000万円を預けた場合の10年間の利息は1万円以下となります。
債券投資
信頼性の高い国債と金利が高い社債の2種類があり、定期的な利息収入があります。
満期時には資産が全て返金されますが、発行元が債務不履行に陥った場合、元本や利息が支払われない事も。
海外積立投資(オフショア投資)
独立系のファイナンシャルアドバイザーに運用を任せる事で海外への分散投資が可能です。
高い利回りと低い税率を期待できますが、為替差損などのリスクがあり、資産運用の知識が求められる商品です。
ミドルリスクミドルリターン
リスクもリターンも平均的な金融商品になります。
投資信託
1000万円で1年間運用した際の利益の平均は30~40万円程度で、売買差益と分配金による利息収入があります。
価格変動による元本割れのリスクがありますし、信託手数料がどれくらいか事前によく確認することが必要です。
ヘッジファンド
大きな資産を持つ限られた人だけが購入でき、運用に制限がないので、投資信託よりも利回りが大きいです。
投資信託と同様に元本割れのリスクがあります。
不動産投資
不動産の賃料収入は5~10%程度の利回りが期待でき、債券よりも高い定期収入を見込めるが、物件の選定、管理など不動産ならではの手間が必要です。
ちなみに、「REIT」ではこの手間(自身が不動産を保有する)が掛かりません。
ハイリスクハイリターン
知識を持たずに始めてしまうと損失につながる可能性がありますが、大きなリターンを見込める金融商品です。
株式投資
1000万円の資産があれば購入金額が100万円を超える大企業の株式を購入でき、売買差益と配当金によって利益を得られます。
短期投資は大きな損失が発生する場合があるため、長期での運用をお勧めします。
FX(外国為替証拠金取引)
レバレッジという手元資金の何倍もの取引が可能です。
レバレッジを使う場合、利益も大きくなるがそれと同様に損失も大きくなるため、見極めて設定しましょう
まとめ
1000万円の手持ち資金があると資産運用の幅も大きく広がります。
その分できる事も多くなりますが、投資運用に関して浅い知識のまま着手してしまうと失敗してしまう可能性も高くなります。
必ずしっかりと勉強してから始めて下さい。
資産運用は手持ち資金が多いほど有利になります。その利点を生かしつつ堅実、確実な運用を心がけて下さい。