配当利回りが高い「高配当株」は、投資金額に対して多くの配当金をもらえるので、投資家からの常に関心が寄せられています。
そこで、この記事では高配当株について概要はもちろん、おすすめの高配当株について解説していきます。
高配当株について知識をつけたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
高配当株投資とは
まずは高配当株投資とはどういうものかについて説明しておきます。
高配当株とは、株を購入した株主に対して支払われる配当金収入を目的とした投資方法です。
「株式→配当金」「投資信託・ETF→分配金」という形の収入となり、インカムゲインにあたります。
金融商品を購入したら基本的には長期保有するもので、株を保有している間のみ配当金(分配金)を手にすることができます。
日本の配当額の状況
リーマンショック後から現在にかけて、東証一部の配当総額は右肩上がりで増えており、昨年2019年度はリーマンショック時の約2倍に増加しています。
上場企業の社員の平均年収は2012年度から6年連続で伸び率は1%ですが、同期間の企業の純利益の伸び率は年率12%、配当額も12%伸びており、企業の株主重視の経営姿勢が浮き彫りになる結果が出ています。
給料の伸び率の12倍も企業の利益と配当金額は伸びているという事実は、会社員にとってうれしいものではないでしょう。
これからの高配当株を予測するのは難しいのですが、直近での高配当株を参考にするという事は資産運用、投資においてもろもろの参考になります。
未来の事は誰にもわからないので、金融商品に手を出す際は各自リスクに十分に注意し、投信に対する理解を深めた上で行ってください。
最終的にはすべてご自身の判断と責任が伴ってきます。
参考に、2020年10月末日の数字を実際に見てみましょう。
日本株
- 日経平均:22,977.13(前月比マイナス207.99円)
- 日経平均PBR:1.07倍
- 日経高配当株50配当利回り:5.16%
- ドル:1$104.64円
全体指標
配当利回りが3.75%(税引き後3%)以上の企業数:304社(先月より42社UP)
- 一部上場:229社
- 二部上場:26社
- SDAQ上場:49社
各種の指標を見ると景気回復のペースが鈍くなっています。
製造業の景況感はリーマンショック並みの悪さとも言えます。
しかしIT企業は依然強くマザーズは14年ぶりに高値更新しています。(※しかしその後急落してしまいましたが、)
大企業の決算の方をチェックしましても売上・利益が前年比2桁減になってしまっている会社も多く、良い状況とは言えません。
不景気な状況と言えるでしょう。
外国株の状況
欧米の新型コロナ感染第2波が猛威を振るい良くない状況になっています。
欧米先進国の株価指数はすべてマイナス。
米国債、ゴールドも値下がりの傾向がみられます。各種経済政策により、政府債務の対GDP比率は過去最大となっています。
外国株の譲許を見ても不景気と言えます。
しかし、不景気にも関わらず、世界各国の株価指数は楽観的な水準でした。
コロナ関連の懸念材料が多い事もあり、投資家にとっては厳しい局面にあると言えるでしょう。
おすすめの高配当株9選
今回の記事では日本株を中心に見ていきます。
時価総額100位以内、TOPIX100採用銘柄という基準でランキングの高いものを見ると
- ORIX
- 住友商事
- MITSUBISHI
- MUFG
- MIZUHO
- SMFG
- 日本郵政
- ソフトバンク
- JT
といった銘柄になります。
各銘柄を詳しく見ていきましょう。
おすすめの高配当株1:オリックス
前期は最高益を出し、直近の業績は良いが長期予想は厳しい状況です。
しかし、配当は確保できており、自社株買いもあり株価は持ち上げています。
おすすめの高配当株2:住友商事
前々期は最高益を出したものの直近では厳しい状況が続いています。
業績不振の原因のとして強みの交換、ニッケル開発投資などの苦戦があげられます。
総合商社5社の中でリーマンショック以降赤字を2度出しているのは住友商事のみ、安定感にかける部分は懸念点と言えるでしょう。
しかし、減配はしたものの減配幅はさほど大きくなく、こちらは一安心となっております。
おすすめの高配当株3:三菱商事
今期は減益だが、計画通りの増配を行う予定です。
業績に関してはおおむね順調で、事業は盤石と見られるが、不採算事業への見直しを進めるなど、利益追求に貪欲な姿勢は崩さず維持しています。
長期的な視点で見ても安定感は大いにあるでしょう。
おすすめの高配当株4:MUFG
最終増益見込みを5500億円から6000億円に上方修正を行う予定です。
新型コロナウイルスの影響はさほど受けていないとみられますが、金融業界全体に言える事であり、金融破綻ではないので銀行株への安心感があります。
おすすめの高配当株5:みずほFG
近年は業績が良いとは言えません。
メガバンクの中ではMUFGと三井住友に比べると見劣り観があり、今期の業績は300億円ほど上方修正、融資の増加、社債の増加による手数料が増えました。
おすすめの高配当株6:三井住友FG
メガバンクの中では唯一利回り6%越えになっています。
今期は減益だがメガバンクの中では一番勢いがあると言え、社内改革も行っており、ここ数年はMUFGを猛追している状況です。
改革実行姿勢で業績拡大を狙うでしょう。
おすすめの高配当株7:日本郵政
上場来から非減配を崩さず、郵貯、簡保事業が収益の柱になります。
物流事業の日本郵便は厳しい側面もあり、アジア中心の物流網の構築にも力を入れているが高収益の事業化は難しいのではないかとの予測が多いです。
将来性を考えた場合、高配当の継続には注意が必要です。
おすすめの高配当株8:ソフトバンク
他のキャリアの配当利回りが4%ほどに対し、ソフトバンクは良いと言えるでしょう。
直近の業績も良好です。
長期的に高配当を続けていけるかどうかは注意してみていく必要はあるが、現時点では利益も十分あるので心配はないと思われますが、政府からの値下げ圧力に対しては経緯を見守る必要があります。
中国との関係が深い企業なので、アメリカによる今行われつつある中国共産党への攻撃が心配要素としてあげられるでしょう。
おすすめの高配当株9:日本たばこ産業
業績はゆったりとした下降をたどっているので、長期的な配当の安定が気になるところではあります
先細りの懸念はあるが、主要事業のたばこ(海外向け)が伸びており、減収減益幅を押さえています。
とはいってもJTは人気高配当株の筆頭格と言えるでしょう。
高配当株の5つのメリット
高配当株のメリットデメリットについて書いておきます。
メリット1:比較的安定している
配当金は増配の時もあれば減配の時もあります。
しかし、株価の様に短期間で上下動をすることが無いので、比較的安定志向で運用を考えられるものと言えるでしょう。
メリット2:株価に一喜一憂する必要がない
株価の予測はプロにとっても困難で、性格に予測できるものではありません。
キャピタルゲインで稼ぐためには随分と労力も必要で、株価の値動きに対して随分と神経をすり減らすものです。
それに比べて配当は安定しているので、いちいち一喜一憂する必要はないのです。
メリット3:キャッシュフローがプラス
定期的に配当金という収入が入ってくるのでキャッシュフローがプラスになります。
メリット4:利益が予想しやすい
配当金というものは事前に入ってくる金額と時期が予測しやすいと言えます。
株価の値上がり益(キャピタルゲイン)は非常に予測が難しくなるので、同じ株でも全く要素の違うものであると認識しておいてください。
メリット5:長期保有すれば投資金額を取り戻せる
例として上記のJTで考えてもらえればと思うのですが、利回り約7%という事は14年で投資額に達するという事です。
7年保有するだけで投資金額の半分回収できる計算になります。
もしも株価が下がっても配当金で回収することができていればリスクを低減できると考える事ができますね。
高配当株の2つのデメリット
次にデメリットについて見ていきましょう。
デメリット1:購入のタイミングを見極める必要がある
毎月積み立て型のインデックス投資に比べると、配当の高い時期に購入するとか、株価が下がった時であるなどのタイミングを見極める必要はあるでしょう。
デメリット2:ある程度の投資元本が必要
短期間に大きな利益が出るものではありません。
どちらかというと堅実で地味な投資手法であると言えるでしょう。
おすすめ高配当株:まとめ
いかがでしたか。
新型ウイルス拡大の影響もあり業績が悪化している銘柄もありますが、既に増配や配当維持を発表している銘柄も多くあります。
賢く株式投資や資産運用をして、今後の生活を、より豊かなものにしてくださいね。