中長期狙いは玄人向け?株式投資の初心者こそ短期売買から始めるべき理由

株式投資なら、「短期」がいい?

株式を中長期保有して、じっくり値上がりを待つというのは、資産に余裕がある人向けの運用です。

手っ取り早く稼いで資産を大きくしていくためには、短期間で取引の回数をこなし、利益を積み上げていく必要があります。

言い換えるならば、元々お金持ちではない一般の方が株式投資で成功するためには、短期売買が不可欠であるということです。

本記事では、株式投資の短期売買を攻略するポイント、また短期売買のメリット・デメリットについて解説していきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

株式投資は短期売買でも稼げる?

株式投資は、短期売買で稼ぐことは十分に可能であり、また短期売買ならではのメリットも存在します。

しかし多くのサイトや書籍では、中長期を前提とした運用が推奨されているため、短期売買に対して消極的になってしまうかも知れません。

確かに、株式を中長期的に保有することで、経済成長の恩恵が受けやすくなることも事実です。株価も上がりやすくなるため、初心者でも簡単に利益が取れるようになるでしょう。

ただしこの運用が許されるのは、最初から多くの資金を投入できるお金持ちのみ。株式投資の初心者で、まだ運用資金もそこまで大きくない場合は、短期売買にガンガン挑むべきなのです。

株式の短期売買のメリット

メリット1:早く経験値を積める

中長期の運用と比較して、早くから経験値を積めるというのが短期売買の最大のメリットです。

短期売買・中長期売買に明確な定義は有りませんが、短期の場合で数日〜数週間、中長期の場合は数ヶ月〜数年といったスパンで銘柄を保有するのが一般的です。

しかし、1回あたりの取引であまりにも多くの時間をかけると、場数を踏んで学べる機会が得られません。

中長期の売買では、場合によっては5〜10年間も銘柄を保有することがあり、それだけの年数を経てようやく正しい運用であったかどうかが検証できるわけです。

一方で短期売買は、1回あたりのスパンが短いため、検証する機会も豊富に得られ、回数をこなすことで早くから成長を見込めるというメリットがあります。

メリット2:資金効率が良い

資金効率が高いというのも、短期売買ならではのメリットです。

株式を購入するためには、ある程度のまとまった資金が必要になり、保有している間はその資金が拘束されることになります。

ただ短い期間で売買を繰り返すことで、限られた資金を効率的に使えるようになり「勝てる見込みが高い勝負に挑めない」という機会損失リスクを避けることができます。

投資の運用成績は「期待値 × 試行回数」で決まるといっても過言ではありませんので、短期売買で回数をこなすことでパフォーマンスを大きく高められるでしょう。

メリット3:即金性が高い

短期売買では、あまり時間をかけずに損益が確定するため、株式投資の中でも特に即金性の高い運用スタイルです。

利益が取れればそのまま再投資できるため複利運用との相性も良く、また含み損を抱えたとしてもすぐに決済されるため、塩漬けのリスクも低いと言えます。

副業としての人気も高く自分の実力がそのまま利益に反映されるため、ゲーム感覚で楽しめてモチベーションが損なわれることもありません。

最近では、ミニ株と呼ばれる従来よりも少額で保有できる制度がありますので、少額からでも短期売買で資産を増やしていくチャンスが広がっています。

株式の短期売買のデメリット

デメリット1:中長期の投資に比べて投機的

短期売買では数年後の見通しを立てる必要はなく、深い企業分析も不要です。

その反面、株価が上昇するか下落するかは運次第ということも多く、テクニカル分析を怠ればギャンブル的な取引になってしまうでしょう。

また短期間では株価が大きく変動しないことから、差益を多く取ることも難しいとされています。

注文量や取引回数を増やして利益を伸ばすにしても相応の実力が必要になりますので、堅実に稼ぎ続けるためにも、1つずつステップアップしていく心構えが重要です。

デメリット2:売買手数料が多くかかる

短期売買は必然的に取引の回数が多くなるため、その分手数料が多く掛かってしまいます

とはいえ証券会社によっては、1回あたりの取引で手数料を徴収するタイプのものもあれば、取引量とは関係なく月額制の口座もあります。

そのため短期売買に取り組まれる際は、手数料をなるべく抑えられるよう専用の口座を持っておくと良いでしょう。

デメリット3:インカムゲインが得られない

株式投資の利益には、株価の差益で稼ぐ「キャピタルゲイン」と、株式配当で稼ぐ「インカムゲイン」の2種類があります。

中長期を前提とした運用ではどちらの利益も狙えますが、短期売買の場合はキャピタルゲインのみに限られます。

必ずしもインカムゲインが得られないというわけではありませんが、基本的に短期売買では、配当日を待たずして取引が完結してしまうでしょう。

短期売買のコツ・ポイント

ポイント1:テクニカル分析は必須

短期売買においてファンダメンタルズ分析は必要なく、テクニカル分析のみが頼みの綱となります。

取引のタイミングを値頃感や感情で判断するのではなく、テクニカル指標を用いてロジカルに行っていかねばなりません

絶対的に勝てる手法は存在しませんが、期待値を追ってトータル収支をプラスに持っていけるよう、常に取引の前にはテクニカル分析を徹底してください。

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ポイント2:ウィークリートレードから始める

短期売買のイメージといえば、モニターを複数並べてカチカチと取引を繰り返すトレーダー像が思い浮かぶかもしれません。

確かにそういった取引スタイルで稼ぐ人も存在しますが、それはデイトレードやスキャルピングと呼ばれる、やや上級者向けの運用手法です。

初心者が最初に取り組むべきは、短期売買の中でも比較的スパンが長めとなる「ウィークリートレード」、1週間単位で取引を完結させることをおすすめします。

週一のペースであれば、本業が忙しい方でも無理なく継続できることに加え、含み益を伸ばす時間の確保、あるいは含み損の回復を待つことも可能になるからです。

また実践してみると分かりますが、1週間のうちに、一度も含み益にならないというのは非常に稀なことです。

一度も含み益にならないということは、その週の最高値で株式を保有したということであり、そういった高値掴みが続くようであれば、取引手法を再考すべきタイミングと言えるでしょう。

ポイント3:出来高の多い銘柄を選ぶ

短期売買においては、なるべく出来高の多い銘柄を選ぶようにしてください。

出来高とは一定期間内の取引量のことであり、その銘柄の注目度とも考えることができます。

出来高が少なければ売買が成立しなかったり、また値動きが安定せず株価が飛ぶことも考えられるため、リスク的であると言わざるを得ません。

またチャートに発生するトレンドの継続・転換は、出来高の大きさからもある程度予測できるため、そういった意味でも都度出来高を確認しておく必要があります。

短期売買で損切りを圧倒的に減らす方法

損切りの重要性について

損切りの重要性については今更いうまでもありませんが、損切りをしないとどうなるのか具体例を1つお示ししましょう。

上のチャートは、2022-2023におけるトヨタ自動車の株価です。

ご覧の通り大きく下落トレンドを描いており、株価は2450→1850と約25%の下落となります。

100万円分の株式を保有していた場合、含み損は約25万円、勉強代としては決して安くない金額と言えるでしょう。

日本を代表する大企業であっても、常に株価が右肩上がりになるわけではなく、時には損切りも必要であることを伝えてくれる例です。

株式投資に潜む4つのリスクとは 手遅れになる前にこれだけは覚えて!株式投資に潜む4つのリスクとは

損切りを減らす方法

損切り回数を圧倒的に減らすコツは「上位足のトレンドを確認すること」です。

上位足とは、週足・月足といった期間の長い時間足のことであり、特に初心者の方は、上位足のトレンドの確認を徹底してください。

例えば、先ほども挙げたトヨタ自動車の週足・月足を見てみると、以下の通り下落トレンドの途中であることが分かります。

上位足に移るほどチャートに対する影響力は大きくなり、下位足の上昇トレンドも、度々上位足の下落トレンドに飲み込まれています。

逆にいえば、上位足の上昇トレンドに合わせて注文を入れることで、仮に含み損を抱えたとしても、長期的に見れば救済される可能性は高くなるということです。

含み損を抱えにくくして不要な損切りを減らすためには、上位足(週足・月足)の上昇トレンドが不可欠であるということを覚えておきましょう。

まとめ:初心者こそ短期売買!

本記事では、株式投資の短期売買について以下のポイントを中心に解説しました。

  • 短期売買でも稼げるかどうか
  • 短期売買のメリット・デメリット
  • 短期売買のコツ・ポイント
  • 短期売買で損切りを減らす方法

少ない資金を増やしていくには、取引回数を増やして利益を積み上げるしかありません。

難易度が高いと敬遠されがちな短期売買ではありますが、実際に行動して、その難しさを痛感したという人はどれ程いるのでしょうか。

本記事で紹介したポイントを押さえた上で実践してみれば、意外と無理なく稼げることに気づけるはずです。

短期売買を成功させるためにも、ぜひ繰り返し学んで取引スキルの習得に努めてみてください。

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