あなたの資産を守るマルチカレンシー│アジア投資の鬼才!JACK佐々木が語る資産保全の極意

今回は”マルチカレンシー”についてお話ししていきたいと思います。

“マルチカレンシー”の意味を説明しますと、”マルチ”は「複数の」、”カレンシー”が「通貨」。つまり、”マルチカレンシー”とは「複数の通貨」という意味です。
これは「複数の通貨」を保有することを推奨しているわけではありません。

たとえば日本がこの先、経済的に破綻するような事態が起これば、日本で使用されている日本円の価値は急激に下落してしまうでしょう。
つまり、あなたが保有している日本円は、ただの紙くずとなる恐れがあるのです。

これは、日本円以外の通貨(米ドルやユーロなど)でも起こる可能性はあります。
そこで複数の通貨を保有するという意味である”マルチカレンシー”の発想が必要不可欠となるのです。

「この国は、絶対大丈夫!」「この国がまさか無くなるはずないだろう」
こうした未来のことは、神様のみが知ることです。
どんなに世界情勢に詳しい人や、勉強熱心な人であってもピッタリと予想することは不可能です。

だからこそ、どの国で経済破綻が起きても自分の大切なお金を守れるように、そして、子供や孫など次の世代にも資産を残してあげるために、マルチカレンシーの考えが必要となるのです。

マルチカレンシーは、ノーリスク!?

マルチカレンシーは、ノーリスク!?

マルチカレンシーは、投資ではないので基本的にノーリスクだといえます。
なぜなら、保有している円を外国の通貨に換えるだけだから。

一時的な為替の変動などを見れば、リスクがあるように見えるかもしれません。
しかし、そのまま保有する通貨を外国へ行ったときに使用すれば、為替リスクもなくなりますよね。

そのときにポイントとなるのが、日本の銀行を介していない通貨を保有する必要がある、ということ。

「外国の銀行だから、外資系銀行は大丈夫」と思いがちですが、国内にある外資系金融機関は日本の銀行法が適用されるため、日本の銀行と同じ扱いとなるのです。

さらにマルチカレンシーには、リスク管理以外の面もあります。

実際、インドネシアの銀行などには、年間利息で6.5%が付くこともあるのです。モンゴルやアゼルバイジャンなどに至っては、10%超の銀行金利ということもあります。
こうした銀行と比較してみれば、同じ期間、通貨を保有し続けるのであれば金利の高いところのほうが有利ですよね。

ただし、最近では海外での口座開設も非常に難しくなっていて、現地での在住証明を提出しないと開設できないことも多いです。

そのため、海外の視察ツアーなどに参加したり、現地に精通しているところから紹介してもらったりといったかたちで、口座開設を行うことをオススメします。

一般的に保有先として挙げられる通貨

一般的に保有先として挙げられる通貨
ここまでマルチカレンシーについて深掘りしてみましたが、ここからは具体的に保有先のひとつに取り入れたい通貨をご紹介しましょう。

米ドル($)

世界的に流通する、いわゆる基軸通貨と呼ばれる米ドル。
最近はトランプ大統領の発言や貿易関係の視点などから、米ドルを不安視する声もあります。しかし、それでもなお米ドルが原油や世界資本の対外取引で基本となる通貨に君臨していることを考えれば、まだその存在が脅かされるときではない、ともいえるかもしれませんね。

ユーロ(€)

EU(欧州連合)が法定通貨として導入している通貨。
言わずとしれた、EUに加盟している国で使えるユーロは、米ドルに続くシェアの大きさです。最近はイギリスのEU離脱問題が話題になっていますが、この先も加盟国が拡大すれば、それだけユーロ自体の規模拡大が見込まれるといえるでしょう。

スイスフラン(CHF)

永世中立国として有名なスイスの通貨。
世界的に信用の高い通貨として選ばれる「国際決済通貨」(ハードカレンシー)のひとつとしても選ばれています。
ちなみに、日本円も国際決済通貨に含まれますが、「日本円はまだ、スイスフランの地位に達していない」という意見も見受けられます。それほどスイスフランは、世界的に評価の高い通貨として名高いということです。

ここではメジャーな通貨を3つご紹介しましたが、もちろん「マルチカレンシー」に組み込みたい通貨は、この限りではありません。実際に保有する通貨を選定する際のポイントとしては、

  • 実際に足を運ぶ機会のある国かどうか
  • 今後も経済が安定しそうな国かどうか
  • 税金体系はどのようになっているか

など、挙げればさまざまな点があります。
これからマルチカレンシーを考えるためには、すぐに通貨に目を向けるのではなく、こうした条件にも目を向けてみましょう。また、自分自身の求める条件や将来設計とも照らし合わせながら、効果的に保有する通貨を決めていくことが大切だといえます。

以上を踏まえて「為替」を相場のパワーバランスと捉えると、両方の通貨を持っていれば実質、資産は変わりません。
そして、それを実現するためには、日本から切り離した状態での海外口座が必要になってきます。そうすると、次には海外居住地で外貨を使用する、こうした考え方に至るのは、当然の流れといえますね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

JACK佐々木 アジア投資の鬼才 JACK 佐々木にインタビュー|前編