こんにちは。JACK佐々木です。
本日は、8月8日に閉会式を終えた東京オリンピックは、日本の経済にとってどのようなものであったのかを、お話ししていこうと思います。
目次
五輪後の日本経済は低迷するのか
正直に言いますと、オリンピック後の日本経済が大きく低迷するとは言えないのではないかと考えています。
オリンピック後の経済に関する統計データを見てみると、上がっていくところもあれば、下がっていくところもあるため、必ずしも下がるとは言いきれないのです。
逆に上がるとも言い切れないのが現状で、例えば不動産は、これまでの統計データにもあるとおり、基本的にどこの土地やエリアでもオリンピック前に値上がりをするので、仕込むならその時期に仕込んでいるはずです。
コロナ禍で五輪を開催した影響とは
コロナ禍で開催した今回のオリンピックに関して言えば、日本の思惑からは完全に真逆の方向に振れているでしょう。
本来であれば、外国から多くの観客を誘致し、各地で競技を行なっていく中で、インバウンドの需要を喚起していく目的があったはずです。つまり、日本の良さを海外の方に広く知っていただくことで、オリンピック後も海外から日本に遊びに来る観光客を増やしていく、という狙いがあったのです。
オリンピック目当てで来てくれた様々な国の方が、北海道、京都、九州など、日本国内のいろいろな土地を訪れ、日本の文化や特産品などと触れ合う。そしてその方々が、SNSなどの媒体を通じて日本をアピールすることにより、日本の良さが全世界に向けてマーケティングされ、広がっていく未来が想定されていました。
しかし結局、選手や関係者しか来られなくなってしまったため、そのような狙いが達成されなくなってしまいました。そういう意味でいうと、今後のインバウンドのニーズを喚起していくことは難しくなると思います。
本来であれば、全世界に日本をPRできるチャンスを逃してしまったことが、コロナ禍でのオリンピック開催における大きな痛手だったのではないでしょうか。
コロナ禍で五輪を開催して良かったか
五輪を開催して良かったというよりは、開催せざるを得なかったというのが正しいでしょう。
オリンピックに向けて何十年も前から準備を重ねてきて、多くの人やお金、組織が動いてきているものを、やらないという選択肢はなかったのでしょうね。そんな中でなんとかして開催したという結果になりましたが、僕個人としては、今となってはやれて良かったのではないかと思っています。
一方で前述のとおり、今後の日本経済を下支えする収益が上がる事業モデルがあったのに、それを実行できなかったという残念な部分もありました。直接的な経済効果よりも、インバウンド需要の喚起ができなかったことは、日本にとって相当な痛手であったと考えられます。
本当であれば、競技以外にもクローズアップされるコンテンツが多くあったと思うのですが、それをお披露目して日本の魅力としてアピール・拡散することができなかったため、インバウンドニーズは今までとあまり変わらないでしょう。
今までも日本に来ていて、もともと日本が好きだという方はこれからも来てくださるでしょうが、新規でのインバウンド改革ができなくなってしまったので、そこはとてももったいなかったですね。
もう少しお話ししたいことがあるのですが、長くなりましたので次回に続きます。
アジア投資の鬼才 JACK 佐々木にインタビュー|前編