資産形成と資産運用の違い

資産形成と資産運用の違い

資産形成と資産運用という言葉があります。

どちらも「資産をふやす」という、同じ意味で使われる事が多い言葉ですが、実は似て非なるものです。

今回は両者の違いについて解説していきます。

資産形成とは

「資産形成」とは、資産がほとんど何もない状態から、ある程度まとまった資産をつくっていくことです。

0からはじめの1をつくる。
そして、1を2に、2を3に・・・というように、着実にある程度の塊までつくっていくことです。

雪だるまを作るときをイメージしてみてください。
まず雪を手で集め小さな玉をつくり、それを転がして大きな塊にしませんでしたか?
ちょうどその小さな玉作りの段階でして、資産運用の前のステップになります。

資産運用とは

「資産運用」とは、既に形成されたある程度まとまった資産を、様々な金融資産や実物資産などを通じて、効率よく殖えることを目指していくことです。

100になった塊を、リスク等を考えて、より殖えやすいように、減らさないように配分していくイメージです。

資産形成のステージ

現時点で資産がほとんどない状態、資産運用できる余裕がまだない方はこのステージです。

このステージでは0➡1をつくるのに元手は必要なく、自分の時間や労力や工夫がその源となってきます。
※資産イメージ:~500万円

資産形成のステージでやること

  • 労働などの収入から預貯金をしていく
  • 財形貯蓄などの制度で貯蓄していく
  • 支出を減らす(収入ー支出しか残せない)
  • 副業での収入をつくる(収入増やす)

特に、支出削減は収入増加と同等の効果があります。

携帯電話料金は格安SIMサービスに切り替えたり、外出時のペットボトル飲料は買わずマイボトルを持参し節約したり、ポイ活も積極的に行ったりする・・
など楽しみながらやるのも大切だと思います。

資産運用のステージ

ある程度の資産がある方、あるいはできた方は、資産運用を考えることができます。
つまり、このステージでは元手が必要です。
※資産イメージ:500万円~5000万円

資産運用のステージでやること

  • 投資・金融商品の情報収集
  • 資産の配分を考えポートフォリオを組む
  • 年間の成績の目標を設定
  • 定期的に成績チェック

投資の勉強と実践から経験値もふえていくでしょう。
また、資産全体の5%はFXや暗号資産投資をやるという具合に、ハイリスクハイリターンとされるものも一部組み込むことで、【楽しみ】も産まれます。

もう一つの資産保全

さらにいうと・・
「資産形成」「資産運用」に加えて「資産保全」というステージも意識して欲しいです。

ご自身が構築した資産を、金融機関のリスク、経済のリスク、国のリスクなどからできるだけ遠ざけて、守りに注力したステージです。

このステージは、減らさないことが肝心で、増えるのもわずか数%のリターンのみで、豊かな生活すらできる水準となります。
また自分が亡くなった後の資産の承継まで視野にいれます。
※資産イメージ:5,000万円~

まとめ

資産形成と資産運用は、目的が違うことがおわかりになりましたでしょうか?

お金の働かせ方は以下のようなステージに分けられます。

資産形成 → 資産運用 → 資産保全

このようなステップを知った上で、お金を働かせましょう。

  • 自分が現時点で注力すべきことは資産形成なのか
  • 資産運用なのか?あるいは資産保全なのか
  • これにより、どの金融商品を選ぶべきなのか

という選定がしやすくなります。

例えば、資産運用なのに、すべてがローリスク(無リスク)ローリターンの普通預金のみです、というのはおかしいですよね?

あるいは資産保全なのに、半分くらいがハイリスクハイリターンの暗号資産投資です、というのもありえないのです。

そして、最終的には資産保全まで視野に入れることで将来の不安を解消し、楽しい人生設計を実現していきましょう。