暗号資産と税の課題についてわかりやすく解説

暗号資産

ビットコインに代表される暗号資産を持つ方が増えてきていますが、利益がでると気になるのは税金ではないでしょうか。

令和3年12月22日に、国税庁が暗号資産に関する税務上の取扱いについてのFAQを改訂しました。

今回の改訂ポイントは?

改正

今回は、以下の収益が課税対象であることが追記されました。

  • ステーキング
  • レンディング

ステーキングとは、ビットコイン(BTC)でいう「マイニング」の代替え手段と言われており、暗号資産を使わずウォレットに入れておき、ブロックチェーンのオペレーションに参加すると報酬を得られる仕組みです。

レンディングとは、ユーザーが保有する暗号資産を一定期間取引所に預けることで、利用料を受け取ることができる仕組みです。

上記の2つは、株式投資でいう配当金や、不動産投資でいう家賃収入のように、暗号資産を売却せず持ち続けることで利益を得られる【インカムゲイン】になります。

つまり、売却時の利益だけでなく、売却せずとも得た利益に関しての課税面が明確に追記されたということになります。

年初来+90%超の上昇率

ビットコインは2021年を振り返ると、1BTC=約303万円(1月1日)だったものが、1BTC=約580万円(12月27日時点)となっており、90%超の上昇率となっています。

例えば年始に100万円分のビットコインを購入し、年末に全て売却をしたとすると、利益が90万円超になるという計算になります。

利益が出るのは喜ばしいことなのですが、税金についても正しく理解しておかないと、その後の大幅下落で利益が飛んで手元にお金がないため税金が払えない・・という悲惨な結果にもなりえますので注意が必要です。

暗号資産の税制の現状

税制

現在日本の税制では、暗号資産に関する所得は「雑所得」に分類されています。

「総合課税」と呼ばれ、最大で55%の税率が適用されることもあります。

一方で米国や英国といった海外の主要国は、分離課税(税率20%)のようなルールを導入しているため、今の日本の税制には【高すぎる】と投資家らから不満の声も多く漏れています。

日本国内の動き

日本では暗号資産の税制を改革しようという動きがあります。

具体的には、租税の公平性という観点から、株取引やFXなど他の金融商品先物取引等の取引と同様に税率20%の分離課税とすべきとの強い要望が出ています。

そのため、近い将来、暗号資産に関する取引に関しても、そのように肩を並べるのではないのか?といった見通しが世間にはあります。

まとめ

いまではなじみのあるFX(外国為替証拠金取引)についても2012年の4月以降総合課税から分離課税となりましたが、それまでは総合課税でした。

1998年の改正外為法の施行で日本でFXが解禁されてからみると、実に10年以上経ってからようやく税制が改正されたわけです。

資産運用においては、【手数料】と【税金】は少なければ少ないほど良いものです。

今後のより良い動きを期待したいものですね。