つみたてNISAを利用できる投信は200本

積立てNISA 投信

「つみたてNISA」が、若い世代の間で人気上昇中です。2021年6月末までの3ヵ月間で、つみたてNISA口座の数は20歳代で21.9%、30歳代で15.9%増えました(金融庁調べ)。つみたてNISA口座を持つ投資家の半数近くを20歳代、30歳代が占めています。

つみたてNISAが利用できる金融商品は、金融庁が定めた基準を満たし、運用会社が届け出たもののみ。2021年10月1日時点で、国内で販売されている公募投信約6,000本のうち、200本です。

では具体的に、どのような基準で、どのような投信が対象になっているのでしょうか。

まずはつみたてNISAの基本をおさらい

本題に入る前に、つみたてNISAの概要を抑えておきましょう。つみたてNISAは、その名の通り、積み立て方式(累積投資)でのみ買い付けができる、NISA(少額投資非課税制度)のうちの1つです。

【利用対象者】日本に住む成人
【非課税保有期間】投資した各年から最長20年間
【非課税投資上限額】年間40万円
【その他】
※同年内に1人1口座(一般NISAと併用できない)
※積立投資に限る
※払い出し制限なし、いつでも売却できる

投資対象別・つみたてNISA200本の内訳

つみたてNISAは、国民の長期的な資産形成を、非課税によってバックアップする制度です。基準を満たし、運用会社が金融庁に届け出た金融商品で、金融庁のウェブサイトに掲載されているものが対象です。

つみたてNISAで利用可能な200本の投信は、投資対象で分けると表1の通りです。

 

つみたてNISAの対象となる要件は

資産形成のポイントは、「長期」「積立」「分散投資」。運用にかかる手数料が割高では、長期になるほどコスト負担が重荷になります。そのため、対象商品は低コストが条件です。

長い期間の安定収益が期待できる商品としては、リスク分散効果のある投資信託が適しているという考え方が一般的。つみたてNISAは、個別の上場株式や外国株式では利用できません。

つみたてNISAの投資対象となり得る金融商品の要件は、以下の通りです。

指定のインデックスとは

インデックス投信とETFは、連動するインデックス(指標)が金融庁によって指定されています。指定インデックスのうち、現在、つみたてNISAのインデックス投信の本数が多い、主な指標を挙げておきます。

【国内株式】
TOPIX(東証株価指数)
日経平均株価
JPX日経インデックス400

 

【海外株式】
S&P500
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス
MSCI コクサイ・インデックス
MSCI エマージング・マーケット・インデックス

など

長期運用に適したアクティブ投信も

アクティブ投信について、「手数料が高い」「専門家が運用しているのに市場平均に負ける」などと酷評されることがあります。

つみたてNISAの対象商品のうち、アクティブ投信は20本(2021年10月1日時点)。これらは、金融庁が「長期」「積立」「分散投資」のお墨付きを与えたようなものです。つみたてNISAだけでなく、通常の投信を購入する場合も、この「お墨付きリスト」は参考になるのではないでしょうか。

【つみたてNISAの対象となっているアクティブ投信】(2021年10月1日時点)

  • 投資対象が国内株式
    コモンズ30ファンド(コモンズ投信)
    大和住銀DC国内株式ファンド(三井住友DSアセットマネジメント)
    年金積立 Jグロース(日興アセットマネジメント)
    ニッセイ日本株ファンド(ニッセイアセットマネジメント)
    ひふみ投信(レオス・キャピタルワークス)
    ひふみプラス(レオス・キャピタルワークス)
  • 投資対象が国内の株式及び公社債
    結い 2101(鎌倉投信)
  • 投資対象が海外株式
    EXE-i グローバル中小型株式ファンド(SBIアセットマネジメント)
    キャピタル世界株式ファンド(DC年金つみたて専用)(キャピタル・インターナショナル)
    セゾン資産形成の達人ファンド(セゾン投信)
    フィデリティ・欧州株・ファンド(フィデリティ投信)
    eMAXIS NYダウインデックス(三菱UFJ国際投信㈱)
  • 投資対象が海外の株式及び公社債
    セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(セゾン投信)
    ハッピーエイジング20(SOMPOアセットマネジメント)
    ハッピーエイジング30(SOMPOアセットマネジメント)
    ハッピーエイジング40(SOMPOアセットマネジメント)
    世界経済インデックスファンド(三井住友トラスト・アセットマネジメント)
  • 投資対象が海外の株式及び不動産投資信託(REIT)
    フィデリティ・米国優良株・ファンド(フィデリティ投信)
  • 投資対象が海外の株式、公社債及び不動産投資信託(REIT)
    のむラップ・ファンド(積極型)(野村アセットマネジメント)
    ブラックロック・インデックス投資戦略ファンド(ブラックロック・ジャパン)

まとめ

若い世代の間で、つみたてNISAの口座開設が増えています。つみたてNISAが利用できる金融商品は、金融庁が定めた基準を満たす投資信託で、現在は200本。「長期」「積立」「分散投資」の観点から、低コストや毎月分配型でないことなどが要件で、分散効果の高い投信やETFに限られています。アクティブ投信でも、長期投資に適した基準を満たし、つみたてNISAで購入できる投信があります。

【参考】つみたてNISAの対象商品(金融庁)