株式投資する際はNISA口座で!NISAのメリットや新情報を紹介

株式投資でNISAを使うと?プロが解説!!

株式投資をきっかけに、NISA口座に興味を持った方も多いのではないでしょうか。

NISA(少額投資非課税制度)という名前は聞いたことがあっても、実際にどんな種類・制度があるのか理解できている人は少ない印象です。

そこで今回は、いまさら人に聞けないNISAの基本的な知識と、株式投資をするうえで知っておいた方が良いメリットや注意点をまとめてみました。

そもそもNISAとは何なのか

通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、売買益や配当金に約20%の税金がかかります。
NISAとは、投資から生じた利益にかかる税金が、一定の金額分かからなくなる(非課税になる)制度です。

具体的には、NISA口座を開設して投資することで、NISA口座で得られた売買益や配当金が非課税となる仕組みです。

NISA口座は、特定口座や一般口座といった課税口座とは別に開設します。
日本に住む20歳以上の方、2023年1月からは18歳以上の方が開設できます。

NISA口座には「一般NISA」「つみたてNISA」があり、どちらか一方を選択する必要があります。

違いをざっくりと説明すると、一般NISAは「投資方法と対象商品が幅広く、非課税投資枠が大きい」、つみたてNISAは「非課税期間と投資可能期間が長い」となります。

一般NISAとつみたてNISAの共通点もあり、主に3つ挙げられます。

  1. 一人当たり一口座しか開設できない※1
  2. 売却した分の非課税投資枠は減額される※2
  3. 残った非課税投資枠の翌年への繰り越しは不可
※1 一定の手続きによって、1年単位で金融機関を変更することはできる
※2 非課税投資枠の再利用は不可

一方で、一般NISAとつみたてNISAの違いは数多くあります。
両者の主な違いは、以下の通りです。

一般NISA つみたてNISA
投資方法 通常買い付けまたは積立方式 積立方式
対象商品 株式・投資信託等 長期積立・分散投資に適した一定の条件を満たした投資信託
非課税投資枠 年間120万円 年間40万円
非課税期間 最長5年間 最長20年間
ロールオーバーによる継続保有 不可
投資可能期間 2014年~2023年 2018年~2042年

※ロールオーバー:非課税期間終了後、翌年の新たな非課税投資枠へ金融商品を移すこと。後半で詳しく解説します。

上表を見て分かる通り、つみたてNISAの対象となる金融商品は、一定の条件を満たして金融庁に届けだされた株式投資信託とETF(上場投資信託)に限られています。

非課税枠を使って株式投資をしたい場合は、一般NISA口座を開設するようにしましょう。

※投資信託:投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品のことです。その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みとなっています。

一般NISA口座で株式投資をした方がいい4つの理由

一般NISA口座で株式投資をすると、売買益や配当金に税金がかからないことが分かりましたね。

ただ、一般NISA口座で株式投資する理由は、他にも4つほど挙げられます。
つみたてNISAとの違いも意識しながら、確認してみましょう。

1.どこの金融機関を選んでも、条件に差が少ない

通常、ネット証券の方が、銀行や対面証券会社よりも各種手数料が安くなっています。

しかし、NISAの場合は制度上、売買手数料はいずれも無料で、口座管理料もかかりません。
したがって、コスト面では金融機関による差はまったくないのです。

ただし、一部のネット証券では、「保有残高や購入金額に応じてポイントが貯まる」サービスなどを行っています。
より「お得度」を重視したい方は、チェックしてみてもいいかもしれません。

2.大きな値上がりが期待できる

株式投資の魅力といえば、なんといっても大きな値上がりが期待できることですね。

株価が安い時に買い、株価が上昇してから売れば、その差額が利益となります。
大きく値上がりするほど、NISAの非課税メリットが活かせるのです。

非課税投資枠は、株式購入時に購入金額分が消費されます。
そのため、NISA口座で購入した株式が値上がりしても、非課税投資枠が値上がりの金額分で消費されることはありません。

税金がかからないため、利益が増えた分が、そのまま資産になるのが嬉しいですね。

3.配当や優待目的ならじっくり保有することができる

配当や株主優待を目的とした株式投資をするなら、株価の上がり下がりをそれほど気にする必要はありません。

NISAの非課税期間の5年間、じっくりと保有し、権利確定日を待ちましょう。

※権利確定日:配当と株主優待の対象となるのは、管理確定日に株を保有している人になります。株式の発行会社が定めている権利確定日の2営業日前が「権利付最終日」、1営業日前が「権利落ち日」となります。

4.確定申告がいらない

NISA口座での株式投資は、上限金額の枠内であれば、配当金や分配金、譲渡による利益には税金がかからないことがわかりましたね。

税金がかからなければ、当然ながら確定申告は必要ありません。

「副業として株式投資をしたいけれど、確定申告がめんどう」と思っていらっしゃる方は、ぜひNISA口座を活用してくださいね。

一般NISA口座で株式投資をする際の6つの注意点

株式投資をする上で、非常にお得で便利なNISA。
しかし、いくつか注意点もあるので、しっかり頭に入れて、効率的に資産形成をしていきましょう。

注意点は、主に6つあります。

1.途中で売却してしまうと非課税枠は消滅する

毎年コツコツ積み上げていくことで、NISAの非課税枠は拡大していきます。

しかし、途中で売却した部分は非課税枠が終了するので注意しましょう。

少しずつ売却した場合も、売却した分の非課税枠が少しずつ減少していきます。

2.非課税枠を翌年に繰越せない

年内に投資しないで残ったNISA非課税枠は、翌年に繰越せずに消滅します。

たとえば、一般NISAの非課税枠120万円のうち、年内に80万円までしか投資しなかった場合、残りの40万円の枠は消滅してしまいます。

2023年に引き継ぐことはできませんので、注意しましょう。

3.特定口座で保有している株式をNISA口座に移せない

NISA口座を開く前に、課税口座(特定口座や一般口座)で購入した株式を、後からNISA口座に移すことはできません。

NISA口座を使って高配当株などに投資するときは、要注意です。

4.損失が出た場合の税金対策ができない

課税口座で損失を出した場合は、損益通算※1や繰越控除※2を行うことで、支払う税金を減らすことができます。

しかし、NISA口座で出た損益は全て非課税になるため、損益通算も繰越控除もできません。
損失が出た場合の優遇税制は利用できないという点は理解しておきましょう。

※1 損益通算:赤字の所得を、黒字の所得と相殺する計算方法のこと。税制上の黒字所得を減らすことにより、支払う税金も減らすことができます。

※2 繰越控除:本年度分の損失を翌年以降に繰り越し、繰り越した年の利益にかかる税金を控除する方法のこと。

5.つみたてNISAとの併用ができない

証券会社の口座は一人で複数持つことができます。
ただ、NISA口座は「一人一口座」しか作れません。

一応、1年ごとに一般NISAとつみたてNISAを交互に使うことは可能です。
また、妻が一般NISA口座、夫がつみたてNISA口座を使うなど、家族で使い分けることもできます。

6.非課税期間の終了後に株価が上がると課税される

一般NISA口座で投資した株式が、購入時よりも値下がりしたまま非課税期間の5年が終了したとします。
すると、課税口座(特定口座、一般口座)へ株式を移し替えなければなりません。

このとき、非課税期間の終わった時点の株価で買ったとみなされます。
そのため、その後に回復した株価は値上がりとみなされ、課税されてしまいます。

つまり、株価で損失を出しているのにもかかわらず、税金を納めなければならないケースがあるわけです。注意しましょう。

一般NISA口座を開設し株式投資をするまでの流れ

株式投資でNISA口座を活用する際のポイントがお分かりいただけたでしょうか。

ではさっそく、NISA口座を開設し、株式投資を始めるまでの流れを見てみましょう。

①まず、一般NISA口座を開設する前に、証券会社であれば証券口座、銀行であれば投資信託銀行というように、それぞれの金融機関で専用口座を開設しておく必要があります。

②その後、金融機関から一般NISA口座開設申込書を取り寄せます。(郵送されます)

③その書類に必要事項を記入し、本人確認書類(運転免許所、パスポートなど)のコピーや、マイナンバーカードもしくは通知カードのコピーを添付して金融機関に提出します。

④それを受けて、金融機関は税務署に一般NISA口座開設の申請を行います。
税務署は申請内容の確認が完了すると、金融機関へ確認したことを通知します。(郵送します)

⑤そして、金融機関は一般NISA口座を開設し、一般NISA口座開設完了の通知が届きます。

これで一般NISA口座で投資を始めることができます。

文字にするとなんだかややこしく感じるかもしれませんが、おおまかな流れをまとめると、以下のステップを踏むだけ。

今すぐ開設して、運用を始めましょう!

  1. 金融機関で専用口座開設
  2. 申込書の取り寄せ
  3. 必要書類の返送
  4. 税務署による申請内容の確認
  5. 口座開設通知の到着

なお、投資の利益を非課税にするためには、配当金の受け取り方法で「株式数比例配分方式」を選択しておく必要があります。

この選択の手続きをしていないと、配当金に20%の税金が課せられることになってしまいますので注意してくださいね。

ちなみに株式投資信託の分配金については、この手続きを行う必要はありません。

一般NISAで株式の非課税期間を延長したい場合は「ロールオーバー」

一般NISA口座で株式投資をする際、非課税の優遇を受けられるのは最長5年です。

では、非課税期間が終了しても、株式を売却せずに投資を続けたい場合、どうすればよいのでしょうか。

1つは、一般NISA口座以外の課税口座に移すという方法があります。
ただし、この場合はそれ以降に投資をして収益が出ると、20%の税金がかかることになるので注意しましょう。

そしてもう一つ、保有している株式を翌年の非課税枠に移す「ロールオーバー」という方法があります。

ロールオーバーが可能な金額に上限はありません。
株式の時価が年間非課税枠の120万円を超えている場合でも、そのすべてを翌年の非課税枠に移すことができます。

例えば、2018年に一般NISA口座で120万円分の株式投資して、5年後の2022年末に160万円に増えたとします。

2022年末で非課税期間は終了しますが、翌年2023年にこの160万円の株式を新たな非課税枠に移すことができます。
さらに5年間、非課税になるのです。

これなら結果的に最大10年間も非課税の優遇を受けられることになりますね。

なお、ロールオーバーした金額分だけ、新規の非課税投資枠が少なくなることには気を付けましょう。

ロールオーバーした金額が80万円の場合、新規の非課税枠は40万円。
120万円以上の場合は、非課税投資枠を使い切るため、新規の投資はできません。

2024年度から制度が変わるNISA!どのように変わるのか?

ここまでお読みいただければ、「さっそくNISA口座を活用して株式投資を始めよう」と思うのではないでしょうか?

しかし、制度に関する新たなお話が一つあります。

2024年以降、現行の一般NISAは2階建ての制度に変更されることになりました。
2020年度の税制改正において、より多くの国民に積立・分散投資による安定的な資産形成を促そうという観点から決まりました。

2階建て制度を詳しく説明すると、1階部分はつみたてNISAと同様に、積立、分散投資に適した株式投資信託等が投資対象です。
年間の投資上限額は20万円で、買い方は積立に限定されます。

2階部分は現行の一般NISAと同じく、上場株式・株式投資信託等を購入できます。
年間の投資上限額は102万円で、一括・積立を自由に選べます。

しかし、原則として、2階の非課税枠を利用するためには、1階での積立投資を行う必要があるのです。

とはいえ、2階部分を使いたいからといって、1階部分の20万円の枠を全て使い切る必要はありません。
金融機関にもよりますが、1000円、2000円といった最低投資金額の積立を行えば、2階部分が使えるようになります。

また、株式投資だけをしたい方は、申請することで2階部分の投資だけをすることも可能です。
しかし、この場合でも2階部分の投資金額の上限は年間102万円のまま変わりませんので、ご注意くださいね。

旧一般NISAと新NISAの概要は、以下の通りです。

旧一般NISA 新NISA
非課税投資枠 年間120万円 1階部分:年間20万円まで
2階部分:年間102万円まで
非課税期間 最長5年間 最長5年間
対象商品 株式・投資信託等 1階部分:つみたてNISAと同じ金融庁の基準を満たした投資信託
2階部分:旧一般NISAから高レバレッジ投資信託などを除いたもの
投資可能期間 2023年まで 2028年まで

株式投資をするうえで、「投資金額」と「ロールオーバー」に関しては、制度変更の影響を受ける可能性もあります。
あらかじめ確認しておきましょう。

また、すでに一般NISAを利用しているという方も、心配する必要はありません。

新制度開始時に自動的に新NISAが設定されるため、再度マイナンバーなどの本人確認書類を出しなおす必要はないのです。

しかし、旧一般NISAから新NISAへロールオーバーする場合は、少々複雑になるので注意が必要です。
ロールオーバーする株式が新NISAの枠(122万円)を超えていた場合は、旧一般NISAと同様に、時価ベースで全額ロールオーバーできます。

ただし、新NISAでは一部の上場廃止の恐れのある株には投資できません。
その場合、課税口座に移し、保有し続けるか売却する必要がでてきます。

ロールオーバーする資産が新NISAの枠(122万円)を超えていない場合は、まず2階部分の非課税投資枠に移し、いっぱいになったら、次に1階部分の非課税枠を使っていきます。
ロールオーバーで使われなかった残りの非課税投資枠は、新たな投資で利用できます。

ただし、1階部分と2階部分がどちらも余った時に、新たに投資をする場合、まず1階部分を使う必要があります。
1階部分で購入できるのは、投資信託のみとなるので、株式投資だけを行いたいと考えている方は、申請することを忘れずに。

もっとも、ロールオーバーの場合も同様に、1階部分の非課税投資枠をすべて使い切る必要はありません。
1000円、2000円といった最低投資金額の積立を行ってから、株式投資をするのもオススメです。

まとめ

いかがでしたか?
NISAは株式投資をするうえで、非常に効果的な制度だとお分かりいただけたのではないでしょうか。

まず第一に大切なのは「何の株式」に投資するか。
それさえしっかりと見極めれば、あとはNISA口座を開設し、じっくりと利益を狙っていくだけです!

この記事を読んで、あなたの資産形成がより豊かなものになれば、幸いです。

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