株式投資でレバレッジをかけるメリット&デメリット|信用取引も解説

株式投資におけるレバレッジとは?メリットとデメリット

上がらない会社の給料や、老後への備え。
最近は会社以外のところから副収入を得ることも普通になってきています。

そんな中、株式投資は少額から始められる気軽な投資として、人気が高まっていますね。
同時に、投資をする以上は、少しでも早く、そして多く利益が欲しくなってしまうもの。

そこで、検討してみたいのがレバレッジ

試したことは無くても、知識として名前を聞いたことはあるかもしれません。
同時に、少し怖いイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょうか。

ここでは、株式投資におけるレバレッジの有用性と注意点を、以下の項目に分けて解説します。

  • 信用取引を使えば株式投資でもレバレッジをかけられる
  • 株式投資におけるレバレッジのメリットとデメリット
  • 株式投資でレバレッジをかける際の3つの注意点

レバレッジを用いて株式投資する際は、上記を踏まえて丁寧にリスクを管理しましょう。
そうすれば、レバレッジは短期で大きな利益を得るための重要な手段になります。

ぜひ最後までお目通しくださいね。

信用取引を使えば株式投資でもレバレッジをかけられる

レバレッジの本来の意味は、「てこの原理」

投資業界では「元の資金量に対して、数倍の取引を行えること」を指します。
少ないお金で大きなお金を動かせる、ということです。

たとえば、3倍のレバレッジをかけたケースを考えてみます。
この場合は資金が50万円だったとして、3倍の150万円分の取引ができるということになります。
   
実は、レバレッジは株式投資においても使えます。
うまく使えば、通常の株式投資よりも大きな利益を得られるでしょう。

株式投資でレバレッジ取引を行う方法には、信用取引と先物取引の2種類があります。
ここでは、一般的に広く利用されている信用取引に関してお話しします。

信用取引とは、証券会社から資金や株式を借りて行う取引のこと。
「借りる」という意味で「信用」という言葉が用いられています。

そして、レバレッジ取引を行うときは担保を求められます。
担保に入れるのは通常、証券口座の現金や株式といった保有している金融商品です。

つまり株式投資におけるレバレッジとは信用取引とイコールであるとも言えます。
そのため、株式投資でレバレッジをかけるためには、信用取引の口座の用意が必要です。

信用取引の口座を開設する際には、審査を受けなければなりません。

まずは証券会社に口座開設を申し込んでください。
審査を通れば、レバレッジ取引が利用できるようになります。

細かな審査の基準は、証券会社ごとに異なります。
一般的には、一定の投資経験や金融資産の保有が求められるようです。

なお、一口に信用取引といっても、証券会社ごとに細かなルールが異なります。
同時に、何か問題を起こしたりするとサービスが利用できなくなる場合もあります。

株式投資におけるレバレッジのメリットとデメリット

レバレッジは、リスクを高めてリターンを増やす仕組みです。

それだけに使い方を誤ると、なかなか利益を積み上げることはできません。
それどころか、損失ばかりふくらむ危険すらあります。

そこで、株式投資でレバレッジを使うメリットとデメリット、それぞれを整理しておきましょう。

株式投資におけるレバレッジの3つのメリット

株式投資でレバレッジをかけるメリットは、主に3つあります。

どのメリットも、投資効率を高める点は共通しています。
一つずつ、詳しく見ていきましょう。

《メリット1》少額でも大きな利益を得られる

信用取引では、最大で約3.3倍のレバレッジをかけて取引することが可能です。
3.3倍のレバレッジをかけた場合は、投資成果もそのまま単純に3.3倍になります。

たとえば、本来の利益が10万円なら、3.3倍のレバレッジをかけることで利益は33万円に増加します。

本来の利益 10万円 × レバレッジ 3.3倍 = 利益 33万円
※手数料と税金は考慮していません。

そのため、レバレッジを使えば少額の資金でも大きな利益を得ることができます。
結果的に、資産形成のスピードを大きく上げることに繋げられるのです。

なお、3.3倍を超えるレバレッジをかけられる投資(株式の先物取引・FX・仮想通貨など)もあります。
とはいえ、レバレッジをかけすぎると資金管理が難しくなるため、3.3倍もあれば十分と言えます。

《メリット2》一日に何度でも取引できる

売買価格の差額のみを決済することを、差金決済といいます。
株式などの有価証券をいちいち受け渡しせず、お金のやり取りだけで売買を完結させる方法です。

差金決済は便利な半面、現物の裏付けがないといった問題から、法律で原則禁止されています。
しかし、信用取引では差金決済が例外的に認められているのです。
 
そのため、同じ資金(保証金)を用いて、同じ銘柄を一日に何度も売買することが可能です。

つまり、信用取引ならレバレッジをかけつつ差金決済もできるため、資金効率が非常に高いといえます。

《メリット3》どのような相場でも利益を狙える

レバレッジ取引は新規の売り注文からでも取引を開始できます。
分かりやすく言うと、下落相場でも利益を狙うことが可能ということです。

通常の株式投資(現物取引)では、まず株式を買い入れ、値上がりしたら売ります。
利益を出すためには、上昇相場において株価が下がっているときに買わなければなりません。

しかし、レバレッジ取引では、証券会社から借りてきた株式を売り、値下がりしたら買い戻すこともできます。
つまり、“買い”と“売り”のどちらからでも取引を始められるのです。

よって、レバレッジ取引を使えば、相場の上昇・下落に合わせて柔軟に投資できるようになります。

株式投資におけるレバレッジの3つのデメリット

株式投資でレバレッジをかけるデメリットは、主に2つです。

どちらもリスクが高くなる点は同じ。
レバレッジを使う際は、必ずデメリットを押さえておきましょう。

《デメリット1》通常よりも多くの損失が発生する可能性がある

レバレッジ取引を行うと、株価の値下がりの影響が大きくなります。
取引を“売り”から始めている場合は、反対に値上がりの影響が増大します。

これは、自分が保有しているお金よりも大きい金額を取引しているためです。

具体例として、買った銘柄の株価が10%値下がりしたときの損失を計算してみましょう。

まずはレバレッジを使っていないケース。
株価100万円のときに買った銘柄(取引金額100万円)であれば、値下がり分は10万円になります。

株価(取引金額)100万円 × 値下がり率 10% = 損失 10万円

もう一方の、レバレッジをかけているケースも計算しましょう。

もしレバレッジが3倍だとしたら、取引金額は300万円に増えます。
よって、損失も30万円と3倍にふくらみます。

保有資産 100万円 × レバレッジ 3倍 = 取引金額 300万円
取引金額 300万円 × 値下がり率 10% = 損失 30万円

このようにレバレッジ取引では、利益と同じく損失も大きくなります。
したがって、レバレッジ取引では適切な資金管理が欠かせません。

《デメリット2》長期保有に向いていない

レバレッジ取引は、株式を長期保有したい場合には向きません。
  
株式の長期保有では、株価が多少上下しても気にしません。
だからこそ、一時的な損失をあらかじめ考慮したうえで運用する必要があります。

しかし上記の方法は、信用取引でレバレッジをかける場合は使えません。
保有資産に対する損失が一定の水準を超えると、証券会社によって強制決済(ロスカット)されるからです。

加えて、レバレッジによって損失が増える分、強制決済の水準にも達しやすくなります。

そのため、レバレッジは中長期的な株式投資と相性が悪いのです。

株式投資でレバレッジをかける際の3つの注意点

株式投資においてレバレッジをかける際は、デメリットへの対策が欠かせません。
裏を返せば、デメリットさえ緩和できれば、投資効率を高める3つのメリットを活かしやすくなります。

レバレッジを使って取引する前に、デメリット対策として3つの注意点を押さえておきましょう。

《注意点1》レバレッジの倍率を抑える

すでに触れた通り、信用取引では保有資産の最大約3.3倍までレバレッジがかけられます。
とはいえ、必ずしも最大倍率で取引を行う必要はありません。

レバレッジの倍率が高ければ高いほど、失敗したときの損失は大きくなります。
そのため、信用取引に慣れるまでは、レバレッジの倍率を低めに抑えておきましょう。

信用取引を始めたばかりのころは、レバレッジを2倍前後に抑えるのがよいとされています。

《注意点2》損切りなどの取引ルールを決めておく

株式投資の経験をいくら積んでも、やはり未来の相場を確実に予想することはできません。
損失が出たときに粘りたくなってしまう気持ちは、誰もが持ち合わせているものです。

そこで、役に立つのが取引ルールです。
あらかじめルールを決めてしまえば、余計なことを考えて失敗することを避けられます。

特にレバレッジ取引においては、損失の拡大を防ぐための損切りの設定が欠かせません。
損切りとは、あらかじめ決めた水準に損失が達したら、その時点で決済してしまうことです。

株式投資において絶対避けなければならないのは、資金が尽きてしまう事態。
それだけに、損失の拡大しやすいレバレッジ取引では、損切りなどの取引ルールの設定が欠かせません。

《注意点3》感情的にならない

損切りなどの取引ルールを決めたのであれば、そのルールは守る必要があります。

そうはいっても、常に変動する相場を相手にするのが株式投資。
つい「今回だけは、もう少し待ってみよう」などと思ってしまう場面も少なくないでしょう。

ところが、レバレッジ取引においては、その「今回だけは」こそが命取り。
あっという間に、損失が強制決済の水準まで達してしまいます。

つまり、「自身の感情」という曖昧な基準で取引してはならない、ということです。
そのため、感情的にならず常に冷静な判断をすることが求められます。

なお、株式投資においては「取引の記録を検証して次に活かす」という作業が役に立ちます。

しかし、感情的な取引を行っていては、正確なデータが取れません。
過去の傾向を調べられなくなることを考えても、やはり感情的な取引は避けたいところです。

まとめ

この記事では、株式投資におけるレバレッジについてお伝えしました。

レバレッジ取引は、自身の保有資産の最大約3.3倍までの金額で取引を行うことができます。

そのため、少額で大きな利益を狙ったり、同じ資産で何度も取引を行ったりすることが可能です。
“買い”だけでなく“売り”からも始められることも、資金効率を高めます。

ただし、レバレッジをかけた分だけ損失が大きくなってしまう可能性もあります。
損失が拡大すると証券会社に強制決済されることもあり、長期保有には向きません。

そこで、株式投資においてレバレッジをかける際の注意点として、以下の3点が挙げられます。

  • レバレッジの倍率を抑える
  • 損切りなどの取引ルールを決めておく
  • 感情的にならない

注意点を理解しておけば、レバレッジは怖いものではありません。
さっそく信用取引の口座開設を検討してみましょう。

証券会社に口座開設の審査基準について相談するのもオススメです。

株式投資でレバレッジを使いこなせると、株取引の幅や可能性をさらに広げられます。
利益拡大のために欠かせない手段にもなっていくはずです。

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