手遅れになる前にこれだけは覚えて!株式投資に潜む4つのリスクとは

株式投資に潜む4つのリスクとは

リスクとリターンは常に表裏一体であり、株式投資においても、貴重な資金をリスクに晒すからこそ、リターンとしてお金を稼ぐことができます。

しかし、そもそもどういったリスクなのか、それが許容できるものなのかどうか、初心者の方にとっては疑問に感じるところも多いでしょう。

そこで本記事では、株式投資のリスクについて、具体的な事例を用いて解説していきます。

失敗や経験からリスク管理の重要性に気づかされるのではなく、本サイトでしっかりと知識を身につけ、未然防止できるよう努めていきましょう。

株式投資に潜む4つのリスク

株式投資のリスクは、大きく分けて4つあります。

  1. 価格変動リスク
  2. 信用リスク
  3. 為替変動リスク
  4. カントリーリスク

いずれかのリスクに直面した場合、保有していた銘柄の価格が下落、あるいは銘柄自体が無価値になってしまい、結果としてお金を失ってしまうというわけです。

各リスクの対応策は様々ですが、共通して言えることは、常に情報収集や学習を怠らないこと、また銘柄の購入タイミングを分散させて、短期的ではなく長期的に勝負する心構えを持つことです。

価格変動リスクとは?

リスク=危険」と誤った認識を持っていないでしょうか。

正しくは「リスク=不確実性」であり、銘柄の価格が不確実な環境下で上下することで、お金を稼げたり失ったりするわけです。

価格が変動するからこそ稼げる

価格変動のリスクとは、保有した銘柄の価格が下落することによって、売却時に損失が生じるリスクです。

上図のように、1株=1,000で購入し、売却時に800円まで価格が落ちていた場合、1株あたりで200円の損失を被ることになります。

このような下落にチャートに巻き込まれないよう、テクニカル分析を駆使して、投資に値する銘柄を日々探していかねばなりません。

具体的な損失例

トヨタ自動車の株式チャートを参考に、価格変動のリスクの具体例について見ていきましょう。

状況としては、1株=2,200円の所で購入し、1株=1,900円のタイミングで売却したところです。

1株だけの取引であれば損失は300円(2,200円 → 1,900円)となるため、大して痛手にはならないでしょう。

ただ株式投資の最低購入単元は、基本的に100株からと決まっており、少なくとも30,000円(-300円(損失) × 100(単元))の損失を被ることになります。

追加: 数千株~数万株、それ以上の単元となると、稼げる金額も損失額も桁違いに増えていくため、自分のお金の器を見誤らないよう注意しなければなりません。

信用リスクとは?

「信用」がなければ、株式銘柄や紙幣さえも無価値になります。

一万円札が一万円分の価値を発揮できるのは、発行元である日本国が信用を担保しているからであり、支払う側と貰う側が一万円札の価値を認識しているからです。

「信用」があるから価値が生まれる

信用リスクとは、投資した企業が将来的に存続しているかどうか、不確実であるというリスクです。

投資した企業が倒産すれば、発行された株式も紙切れ同然の無価値になってしまうため、信用リスクを軽視することはできません。

例えば、日本を代表するトヨタ自動車や任天堂といった大企業が数年後に倒産している可能性は低いと考えられるため、株式も著しく価格を落とすことはないでしょう。

一方で、創業したばかりのベンチャー企業であれば、数年後も存続しているかは不明瞭であり、最悪の場合株式の購入に充てた資金が返ってこないことも考えられます。

信用リスクは「格付け」から評価

では信用リスクを測るためには、どういったポイントを確認すべきなのか。

その答えとなるのが、「格付け」です。

格付けとは企業の信用力、また利子や配当が適切に支払われるかどうかを評価したもので、以下表(引用元:R&I格付投資情報センター)の通り「A」や「BBB」などの記号で表されます。

AAA 信用力は最も高く、多くの優れた要素がある。
AA 信用力は極めて高く、優れた要素がある。
A 信用力は高く、部分的に優れた要素がある。
BBB 信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。
BB 信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。
B 信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある。
CCC 信用力に重大な問題があり、金融債務が不履行に陥る懸念が強い。
CC 発行体のすべての金融債務が不履行に陥る懸念が強い。
D 発行体のすべての金融債務が不履行に陥っているとR&Iが判断する格付。

上のランクに行くほど倒産のリスクがなく、手堅い投資になります。

一方下のランクに行くほど信用力が低くなりますが、中には価格が10倍以上に跳ねるお宝銘柄も埋もれていますので、侮ることはできません。

為替変動のリスクとは

株式投資は国内に限った話ではなく、証券会社を通じて海外の銘柄を購入することも可能です。

ただ海外の銘柄を保有する際は、その国の通貨と日本円の為替レートもチェックしておかねばなりません。

通貨の価値は日々変動する

為替変動のリスクとは、為替レートの変動によって、換金時の利益や損失に不確実性が生じることです。

銘柄を保有する際は、その銘柄の発行元で適用される通貨で支払う必要があり、日本円を外貨に両替しなければなりません。

ただ通貨の価値は日々するため、米国株取引で利益を出したとしても、日本円に両替した際には資金が目減りしていることも考えられます

為替変動リスクの具体例

例えば米国株式で、100ドルを元手に10ドルの利益を出した状況を考えてみましょう。

この時、取引の前後においてドル円レートが変動しなかった場合と、120円→100円に変動した場合、手元に残る資金は以下表の通りとなります。

ご覧の通り、たとえ取引で利益を取れたとしても、ドル円のレートによっては取引前よりも資金が減ってしまう可能性もあるということです。

ただ為替レートの動向を予測するのは非常に難易度が高いため、海外の銘柄を扱う際は短期で挑むのではなく、長期的に保有して配当金で利益を積み上げる形式をおすすめします。

カントリーリスクとは?

カントリーリスクとは、発行元の企業が位置する「国」「政治」「経済」「環境」、これらによって変動する信用リスクのことです。

カントリーリスクの例

政治リスク:革命・政権交代・要人関連など
経済リスク:インフレ・為替変動・国債の債務不履行など
社会情勢リスク:テロ行為・紛争・内乱・経済制裁など
自然災害リスク:地震・台風・洪水など

発行元の企業がどういった情勢に置かれているのか、証券会社や格付け機関が公開する「カントリーリスク情報」に目を配らせておきましょう。

カントリーリスクについては、滅多なことでは事態が起きませんので軽視されがちですが、時に甚大な被害をもたらすということを忘れてはなりません。

まとめ:リスクについて理解し、許容範囲を考えよう!

本記事では株式投資のリスクについて、以下のポイントを中心に解説しました。

  • 株式投資に潜む4つのリスクの概要
  • 価格変動リスク
  • 信用リスク
  • 為替変動リスク
  • カントリーリスク

リスクに晒されるからこそ稼げるのであって、リスクがなければ投資は成り立ちません。

どの程度のリスクであれば許容できるのか、また目的とする金額に対してリスクは見合っているのか、じっくり考えてみて下さい。

適切なリスク管理が身につけば、コツコツドカンといった典型的な破滅パターンも避けられますので、運用収支も次第に上向いていくでしょう。

以上、参考にしていただければ幸いです。

株式投資におけるポートフォリオの組み方をプロが解説!! 株式投資におけるポートフォリオの組み方を解説|分散投資がポイント