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アノマリーとは?
マーケット(相場)の動きを予想することは、プロでも難しいことです。
ただ、投資家が参考にしている、よく当たる経験則のようなもの、言い伝えられているものがマーケットにはあります。
例えば10月には
「ハロウィン効果(ハロウィンの時期に株価が安くなり、その後上昇しやすい)」というようなものがあります。
相場格言となっているものもありますが、このように、いわゆる法則や理論から合理的な説明はできないものの、よく当たるといわれる現象を「アノマリー」といいます。
ちなみに英語Anomalyは「変異性」「異質な」という意味の言葉ですので、合理的に説明できない「変な」「異質な」事象ということになります。
月ごとアノマリー
代表的な月ごとのアノマリーを列挙してみます。
【1月】
「1月効果」
税金対策としての売りが年末に出る一方で、年明けには新規の投資資金が流入しやすいとされている。1月が堅調なら一年通じて堅調、そうでなければ通じてそうでない(軟調)とも言われる。
【2月】【3月】
「節分天井彼岸底」
節分の時期(2月上旬)に高値をつけて、彼岸の時期(3月中旬)に安値をつけるという、相場の言い伝え。
【4月】
「4月効果」
新年度となる4月(日本では)は、新規投資の資金が市場に流入してきて株高を生むといわれている。
【5月】
「Sell in May」(5月に売れ)
米国起源のアノマリー。5月は値下がりトレンドの起点となりやすいから、ポジションを売り払うとよいというもの。
【6月】
5月からの下落サイクル
【7月】【8月】
「夏枯れ相場」
7月から8月にめがけて、市場は閑散期に入り、出来高は縮小、株価は軟調となる傾向があるというもの。
【9月】
「9月に相場に戻るのを忘れるな」
5月に売りで一旦離れた相場から、秋口にかけて相場にもどってくるようにというもの。”Sell in May and go away,But remember to come back in September”とあり、9月頃には株価が底を迎える傾向があることから、そのころに再び市場に戻ってくることを忘れないように、と言われているもの。
【10月】
「10月効果(October effect)」
10月は株価が急落しやすいといわれる。
1929年10月24日の木曜日は“暗黒の木曜日”、1987年10月19日の“暗黒の月曜日“など米国では歴史的に、市場が崩落した時期は10月に多かったことが理由とされる。
「稲穂相場」
たわわに実る稲穂が頭を垂れるように、上値が重くなる相場。新年度以降、相場が好調なほど、傾向が強いとも言われている。好調な相場で投資家の株の含み益がたわわに実るほど、年末に向かって、何かと物入りとなる年末に向けて換金したい個人の方も少なくないといわれるため。
「ハロウィン効果」
毎年10月のハロウィンの時期に株価が安くなり、そこを起点に約半年、株式が上昇しやすく、投資効率が高いといわれる。ヘッジファンドの決算の前である10月辺りからポジションの換金売りも出やすいという理由もあるのではといわれている。
【11月】
10月末のハロウィン効果を境目に、11月には株価がようやく上昇トレンドに乗り出しやすい、と言われる。
【12月】
「税金対策売り」
年末にかけて投資家が税金対策のために保有している株価を処分売りしやすく、売り越し、株価が下がるというもの。
「サンタクロースラリー」
投資家がクリスマス休暇に入ると相場の売り圧力が弱まり、結果として株高になるという現象。
日本特有のユニークなアノマリー
「サザエさん効果」
サザエさんの視聴率が上がると株価が下がり、サザエさんの視聴率が下がると株価が上がる、というもの。
根拠はサザエさんの視聴率が高い時期は、日曜日の夜にみんなが家にいるということになりますから、外でお金を使わず過ごしているので、景気が冷えている(株価下がる)という考えのようです。景気が良い時は日曜日夕方に外出する機会が増えてサザエさんは観られませんからね。
実はこれ、大和総研が2005年に発表したリポート調査によるものです。
面白いですよね。
まとめ
アノマリーですから、その通りにマーケットが動くことがありますが、もちろん、当てはまらないこともあります。
相手は「生き物である相場」です。
鵜呑みにするのは危険ですが、歴史上のパターンから推察したり対処できることはあるでしょう。
なにより、事実として歴史やアノマリーを参考にして動く投資家もいます。
マーケットは参加者である投資家(すなわち人間)の心理が作り出しますから、その人間の行動や心理に照らし合わせて考えた場合、過去の経験則であるアノマリー現象はあながち間違っているともいえないわけで、投資判断の一つになりえますね。
是非、楽しみつつ参考にしてみてください。