教育費を投資で準備するのはアリかナシか?【後編②】

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「投資を身近に!」をモットーに、分かりやすくイメージしながらお伝えしています。

前回は教育費準備方法の代表ともいえる学資保険で準備した際の注意点や利回りについて解説しました。今回は投資・預金で準備した場合をみていきます。

投資信託で準備

ひとことに「投資」と言っても、株式投資やFX、外貨預金などさまざまな手法がありますが、ここでは投資信託を毎月購入した場合を確認します。

毎月の積立額を13,000円、積立期間は18年間とし、想定の利回り(年率)を3%で運用したとします。すると元本のトータルは280万円、18年後の積立資産額は370万円となります(1万円以下切り捨て)。

前回の学資保険で準備した場合の設定は、毎月の保険料(積立額)が13,000円、払込期間は子どもが0歳から18歳になるまでの18年間。元本はトータル280万円、受け取れる学資金は300万円ですので、投資信託の方が効率よく準備できることが分かります。

ただし投資信託も2つの点に注意が必要です。

  1. 想定の利回り
  2. 受け取るときに掛かる税金

1.想定の利回り

あくまでも「想定の」とあるように、投資信託の利回りは固定ではありません。投資信託は値動きのある株式や債券などに投資しますから、株式市場の動向などにより変動します。たとえばコロナショックのように株価が大きく値下がりすると、当然投資信託にも影響するため、いざ売却して現金化したいと思っても、タイミングによっては元本を大きく割る可能性もあります。

2.受け取るときに掛かる税金

元本から値上がりした額に対し、税金が掛かります。上記の例の場合、元本は280万円、積立額は370万円ですから差額の90万円に対し20.315%課税されます。つまり90万円×20.315%=18万2835円が税金で引かれてしまいます。よって学資金として手元に残るのは約350万円となります。

投資信託で準備する際の対策方法

この注意点だけを見ると「コロナのようなときに差し掛かったらやっぱり良くない」「しかも税金が掛かり、結果、学資保険の方が良かったのでは」とも考えられます。今回のタイトルである「教育費を投資で準備するのはアリかナシか?」は「ナシ」という結論に至ることでしょう。それも教育費を準備する方法の考え方の1つです。

そのため、もし投資信託で準備する場合、対策が必要です。

  1. 受取時期を早めておく
  2. つみたてNISA口座で準備する
  3. 預金も併せ持つ

1.受取時期を早めておく

子どもが大学入学の直前や高校3年生になる、それよりも前に元本よりも積立資産額が上回っていた場合、その時点で解約し現金で用意しておきましょう。

毎月の積立の場合、時間が経てば経つほど元本が増えますから、できる限り積み立てたいところです。しかしせっかく増えた積立資産も、タイミングが悪いと減る可能性もあることを考えると、直前まで積み立てるのではなく、早めに解約し、利益を確定させておきましょう。

2.つみたてNISAで準備する

つみたてNISAは年間40万円までの投資で得られた収益が20年間も非課税となります。つまり上記のケース20.315%は掛かりません。差額の90万円×20.315%=18万2835円が税金でしたが、引かれることなく学資金は370万円がそのまま手元に入ります。

3.預金も併せ持つ

「なかなか元本よりも積立資産額が増えない」「解約するタイミングを逸してしまった」という可能性もゼロではありません。その場合、教育資金全額投資で準備するのはおススメできません。しかし反対に全額を預金で準備するのも、効率的ではありません。一部を投資信託、一部を預金というように、併せ持つことによって、元本を上回った時に投資信託を解約するというように、タイミングの問題も回避できるでしょう。

これまで前編と後編①②と、教育費に掛かる金額から準備方法についてお伝えしてきました。自分に合う方法をしっかり考えた上で、資金を準備してください。