日本人の持つ優れたバランス感覚は、トレード(投資)の時だけ、ドブに捨ててしまいましょう

日本人の持つ優れたバランス感覚は、トレード(投資)の時だけ、ドブに捨ててしまいましょう

外貨投資に限らず、投資で大事なのは、勢いに乗ること。一般的な常識と投資の常識は、違うことも多く、この差に戸惑って、混乱&損をする人は、数多い。

日本の美徳:バランス感覚を捨てて、勢いに乗れ

日本は、「和をもって尊しとなす」のように、争いを好まない面をもっています。そして、この和とは、「平均=バランスを重視する」というところにつながっていると思います。

トレード方法

人間性・組織論という点では、このバランス重視はとても大事な美質。しかし、投資の上では邪魔になることも多いので、外貨投資に限らず、トレード・相場に取り組む時は、綺麗サッパリ、捨ててしまいましょう。

バランス感覚からは、上がれば売り、下がれば買い

投資の勉強をしていると「トレンドイズフレンド」という言葉が見かけます。これは、トレードの基本となる原理で、トレンド=相場の流れに逆らわず、トレンド方向で売買せよという意味。

ちなみに、トレンドは、上昇・横ばい・下落の3つだけ。

●上昇トレンド:買いポジションを持つ
●横ばいトレンド:ポジションを持たないか小刻みに逆張りを行う
●下落トレンド:売りポジションを持つ

このトレンド重視は、投資や資産運用の世界での鉄則。

しかし、これを素直に守る上で、日本人の持つバランス感覚が邪魔してくるのです。私も、このせいで、さんざんな目に合いました。コツコツと貯めた利益をドカンと一発で持っていかれる。そんな羽目になるのもバランス感覚が要因の一つ。

バランス感覚からは、上がると売りたくなる

上昇トレンドが続いていると、さすがに、上がり過ぎているという思いがムクムクと湧いてきます。ならば、
そろそろ下がるだろうというのが、バランス感覚による売りたい気持ち。

となると、先程の「トレンド重視の鉄則」に、逆らうことになります。日本人的バランス感覚は、トレンド通りに売買する順張りではなく、トレンドに逆らう逆張りをしがち。

●日本人的バランス感覚重視の逆張りトレード:下がったら買う。上がったら売る
●外国人(大陸型)のイケイケ順張りトレード:下がったら売る。上がったら買う

下落した時の行動

この心理的な違いがあれば、同じ状況に接しても真逆の行動に出てしまいますね。もちろん、日本人の得意なパターンが通用する時もあります。それが、横ばいトレンド。

横ばいトレンドは、バランス感覚が生きる

横ばいトレンドは、「上がったら下がる。下がったら上がる」という日本人得意のバランス感覚によるトレードを行うことで、利益を得やすい相場。

ところが、一旦、トレンドができてしまうと、いけません。そろそろ上がる・そろそろ下がるのバランス感覚は、無視。そうしないと、あれよあれよと考えている間に、上昇や下落が続いて含み損が膨らみ、大変なことになります。

一旦、トレンドができると終わるまで続くと覚悟しましょう。

日本人ならではのバランス感覚を無視してイケイケドンドンの大陸型順張りトレードに切り替えないと大損してしまうことになりがち。

今回の話。特に、FXの短期売買を行っている方は、納得いただけると思います。24時間、市場が開いていて、取引できる為替相場。しかし、時間帯によって、市場の流れが違います。

日本の金融機関・日本人トレーダーの多い日本の日中(東京時間)は、下がれば上がる・上がれば下がるという横ばいトレンドになりやすい。ところが、日本の夕方になり、欧州の人々が参加してくると話は変わります。大きなトレンドができて、上昇トレンドや下落トレンドができがち。そのため、トレンドに逆らわない方が有利になりやすいという特徴を持っています。

これも、それぞれの国(地域)の持つ特徴。外貨投資に限らず、投資を行う時は、バランス感覚を少し脇に置いて、イケイケ気質も備えておきましょう。