日本は以前から個人の金融資産が多いことで知られています。
2021年現在、その額が過去最高となっていますがご存知でしょうか?
その内訳や欧米と比べた日本の現状をお伝えしていきます。
目次
個人の金融資産は過去最高に!
日本銀行が6月25日に発表した「資金循環統計」によると、
2021年3月末時点での個人の金融資産は1,946兆円。
2020年度の増加額は130兆円に達し、バブル期の1987年度(108兆円)を超えて33年ぶりに最高を更新していました。
※日本銀行「2021年第1四半期の資金循環」より
代表的な金融資産の内訳は以下です。
- 現預金
1,056兆円(5.5%増) - 株式
195兆円(32.1%増) - 投資信託
84兆円(33.9%増)
※日本銀行「2021年第1四半期の資金循環」より
個人の現預金は55兆円増えて1,056兆円です。年度末として過去最高となりました。コロナ禍で個人消費が抑えられたことに加え、1人10万円の特別定額給付金に代表される現金給付があったため現預金もかなり積み上がっています。
株式・投資信託を合わせると3月末時点で279兆円となり、伸び率としては1年間で68兆円増えました。
コロナ禍で企業の業績も低迷している中ですが、金融緩和やカネ余りを背景に上昇するいわゆる「金融相場」の格好です。
2020年度でみると日経平均株価は54%上昇しています。
ちなみに米国は2020年はS&P500が16%上昇、ダウ平均は7%上昇、ナスダックは43%上昇しています。
日米欧の比較
日本銀行が出している資金循環の日米欧比較2020年版によると、個人金融資産に占める現預金と株式等の割合は以下です。
・現預金
日本:54.2%
米国:13.7%
欧州:34.9%
・株式と投資信託
日本:13.0%
米国:44.8%
欧州:25.9%
※日本銀行「資金循環の日米欧比較」2020年版より
日本は個人金融資産に占める株式や投資信託の割合は非常に小さく、現預金割合が高いことがわかります。
実に1,000兆円規模の現預金ですが、半分以上は現貯金です。良くも悪くも?「預貯金好き民族」と揶揄する声が聞こえそうです。
まとめ:貯蓄から資産形成へ
日米欧の比較をみてみると、米国や欧州の方がお金が育つ環境下に資産を振り分ける意識が強いことがみてとれます。
特に米国の株式と投資信託割合は、44.8%ですから日本の3倍以上の割合です。
一定の安全志向も必要ですが、自助努力をして将来豊かになるためには、お金が増えやすい場所に資産を置く、という意識を持つことはとても大切なことです。
日本人の金融リテラシーは欧米に比べて低いといわれてきましたが、いよいよ、2022年度から高校の家庭科の授業で金融教育も開始されます。
まさに「貯蓄から資産形成へ」の流れがより日本国民に浸透してくることでしょう。
理想の人生設計を実現するために、日頃の情報収集と金融資産を育てるチカラを磨いていきたいものですね。