将来への不安や、豊かな生活への憧れ。
最近は、会社の給料以外の副収入について、世間的に関心が高まってきています。
しかし、副収入を得るために、何から始めればよいか迷う人も多いのではないでしょうか。
株式投資を始めるには、いくつかの事前準備が必要になってきます。
税金の優遇制度や、会社の副業規定などを知っておくことも大切です。
マイナンバー制度への理解も、株式投資に不可欠なことの一つ。
マイナンバーになじみがなく、まだ必要な手続きが済んでいない人も珍しくはありません。
そこで、株式投資と密接に関係しているマイナンバーについて、以下の点を解説します。
- 株式投資におけるマイナンバーの必要性
- マイナンバー提出に伴うリスクの有無
- マイナンバーカード作成から株式投資開始までの流れ
マイナンバーの最新情報を押さえて、簡単に株式投資を始めましょう。
ぜひ最後までお目通しくださいね。
目次
株式投資を始めるにはマイナンバーが必要
株式投資を始めるにあたっては、証券会社で口座を開設します。
口座開設には、いくつかの書類や手続きが必要になります。
その一つとして、2016年1月1日から「マイナンバーの提出」が義務づけられるようになりました。
現在では、証券会社にマイナンバーを提出しないと口座開設そのものができません。
義務化された最大の理由は、脱税の防止といわれています。
マイナンバーは所得隠しを防ぐうえで、大いに役立つからです。
税務署は証券会社からの報告を元に、所得税を決定します。
そのため、証券会社は取引口座の税金計算や納付を、税務署に報告する役割を持っています。
つまり、あなたが株式投資を行っている口座の状況を、証券会社はマイナンバーを通して税務署に提出しなくてはいけないのです。
これだけだと、税務署の都合のように感じるかもしれません。
ただ、実はあなたにもメリットがあります。
それは、株式投資における税金計算と納税を、証券会社に代行してもらえるメリットです。
(特定口座を利用している場合)
もし、あなたが会社勤めであれば、給料の税金計算は会社が行います。
しかし、個人事業主なら、確定申告のためにご自身で税金計算をしなければなりません。
株式投資の利益も、本来であればご自身で課税額を計算したうえで納税する必要があります。
しかし、マイナンバーを提出していれば、株式投資の税金計算と納税を、証券会社が代わりに行うことができるのです。
マイナンバーの提出によるリスクは少ない
マイナンバーを証券会社に提出するリスクについて、心配する人もいるでしょう。
株式投資での副収入が会社にバレるリスク、個人情報の漏洩リスクなどが考えられます。
しかし、実際のところは、マイナンバー提出に伴うリスクはほとんどありません。
ここでは、「マイナンバーの提出で考えられるリスク」について解説します。
会社にバレる心配は?口座開設時の申請次第
法律上、株式投資は副業扱いにはなりません。
ただ、やはり給料以外に金銭を得ていることは、会社の人にあまり知られたくないもの。
周りの人の目を気にしたり、余計な誤解を招いたりすることは避けたいですよね。
先にお伝えした通り、現在あなたが会社勤めであれば、給料の税金計算は会社が行います。
株式投資の利益も課税対象となる所得ですから、納税する過程で会社にバレてしまうおそれがあります。
しかし、ご安心ください。
証券会社で口座開設するときに「源泉徴収ありの特定口座」を選択しておけば問題ありません。
口座に入る利益から直接、納税額が引かれるようになるからです。
つまり、会社に株式投資がバレてしまうリスクはなくすことができます。
具体的な手続きも、とても簡単です。
「源泉徴収ありの特定口座」を開設し、取引時に利用する口座として「特定口座」を選ぶだけ。
(NISA口座が使える場合は、NISA口座を選んでも問題ありません)
ただし、この手続きを怠ってしまうと、住民税の金額から勤務先にバレてしまう可能性があります。
ご注意くださいね。
個人情報保護法より厳格な管理が義務付けられている
マイナンバーは、今後もさらに様々な個人の経済的活動にひもづけられていく予定です。
そのため、マイナンバーの取り扱いには「個人情報保護法」よりも厳格な基準が定められています。
あなたが提出したマイナンバーは、目的以外の用途では使用されません。
証券会社はマイナンバーを適切に管理する責任があるからです。
よって、あなたの個人情報が外部に流出するようなケースはあり得ないと考えてよいでしょう。
きちんと所得を申告・納税をしている人にとって、マイナンバーの申請は一切の不利益になりません。
安心してくださいね。
マイナンバーカード準備から取引開始までの5ステップ
お伝えしたように、個人の経済活動は今後ますますマイナンバーにひもづけられて行く予定です。
それに伴い、国が普及を目指しているのがマイナンバーカード(個人番号カード)。
すでに「マイナンバーカードしか受け付けない」という証券会社も増えています。
今後、いろいろな手間を省くためにも、株式投資を始める前にマイナンバーカードを作成するのがオススメです。
ここでは、マイナンバーカードの作成から株式投資の開始までの一連の手続きを、5つのステップに分けてご紹介します。
【ステップ1】マイナンバーカードを申請する
マイナンバーカードには、さまざまな申請方法があります。
以下に、代表的な申請方法を3つご紹介します。
加えて、発行後も自治体による交付準備などがあり、さらに時間を要する場合があります。
マイナンバーカードの申請は、早めに済ませておきましょう。
《申請方法1》オンラインで申請する
マイナンバーカード総合サイトより、「オンライン申請」を選択し、申請書IDやメールアドレスを登録します。
(個人番号カード交付申請書のQRコードから入った場合は、申請書IDの入力は不要です)
すぐに登録完了のメールが返ってきますので、そのメールのURLからWEBサイトに飛びます。
顔写真をアップロードし、申請情報を入力したら申請完了です。
ちなみに、顔写真の登録は、画面の指示に従うだけで済ますことができます。
その場で顔写真の撮り直しなども行えるので大変便利です。
《申請方法2》郵便で申請する
個人番号カード交付申請書に従って必要事項を記入したあと、顔写真を貼り付けます。
送付用封筒に入れてポストに投函すれば、郵便での申請は完了です。
必要情報の記入と投函だけなので、時間が無い方にオススメの方法です。
《申請方法3》証明写真機から申請する
証明写真機を使う場合は、最初にタッチパネルから「個人番号カード申請」を選択します。
撮影用のお金を入れ、個人番号カード交付申請書のQRコードをバーコードリーダーにかざします。
そのまま画面の案内に従い、撮影した写真をそのまま送信します。
なお、証明写真機のすべてが、マイナンバーカードの申請に対応しているわけではありません。
対応している証明写真機は、外側に「マイナンバー対応」と表記されています。
【ステップ2】マイナンバーカードを受け取る
申請から1か月ほど経つと、マイナンバーカードが発行されます。
マイナンバーカードは居住している市区町村に送られ、その後交付通知書が送られてきます。
そしたら、交付通知書に書かれている必要書類(交付通知書・運転免許証など)を自治体の窓口に持っていきましょう。
窓口の手続きを経て、マイナンバーカードが受け取れます。
【ステップ3】口座開設する証券会社を選ぶ
マイナンバーカードを入手したら、口座開設する証券会社を選びます。
取引ツールの使いやすさやキャンペーンの違い等も考慮しながら、最も適した証券会社を決めましょう。
ちなみに、証券会社ごとに取引の際の手数料などが異なります。
取引数によっては、いずれコストに大きな差が生じかねません。
また、夜間取引(PTS取引)ができるかどうかは重要です。
あなたの生活スタイルを踏まえて検討しましょう。
ちなみに、複数の証券会社で同時に口座を持つことも、もちろん可能です。
ただし、株式投資の利益が非課税となるNISA口座は、1人1口座しか用意できません。
(条件つきで、他の証券会社に移管はできます)
まずは大手の証券会社で口座開設してみるとよいでしょう。
【ステップ4】マイナンバーを提出して口座開設する
証券会社が決まったら、店舗かインターネット、電話で「口座開設申込書」を請求します。
そのあと申込書に必要事項を記入・署名・捺印のうえ、必要書類を添えて提出します。
必要書類としては、「顔写真付きの証明書」「金融機関の口座番号が確認できる書類」、そしてマイナンバーカードがあれば基本的に十分です。
(詳細は各証券会社にご確認ください)
言い換えれば、口座開設の時点で、マイナンバーを証券会社に提出する必要があります。
マイナンバーを提出する方法は、証券会社によって異なります。
そのため、口座開設する証券会社に確認するのが確実ですが、ここでは代表的な方法をご紹介します。
《提出方法1》書面で手続きする場合はコピー
証券会社に電話で問い合わせると、後日書面が送られてきます。
書面に必要事項を記入し、マイナンバーカードのコピーなど必要書類とともに返送します。
《提出方法2》スマートフォンで手続きする場合は写真
スマホからオンラインで申請できる証券会社が増えています。
アプリのダウンロードやQRコードを用いて申請することが可能です。
その際、マイナンバーカードをスマホのカメラで撮影し、画像として提出します。
なお、QRコードでの申請であれば、数字の間違いなどもほぼ起きません。
直接足を運ぶ必要もなく、現状で最も簡単な手段と言えます。
【ステップ5】株式投資を開始する
証券会社の審査を経て、口座開設は完了となります。
スマホやネットで申込された場合、口座にログインするために必要な情報がメールに届きます。
登録メールアドレスにログイン用のパスワードやIDが届いていないか、ご確認ください。
また、郵送で手続きした場合も同じく、ログイン情報が登録住所に返送されてきます。
ログイン情報を使って取引画面にログインできれば、入金後に取引できるようになります。
以上をもって、株式投資を始める準備はすべて完了です。
紛失してしまった時は、お近くの交番・警察署で紛失届を提出してから市町村窓口に届け出てください!
まとめ
この記事では、株式投資を始めようと考えている方に向けて、マイナンバー提出の必要性やリスクなどをお伝えしました。
証券会社で口座開設するためには、マイナンバーの提出が必須です。
ただ、申請後に何か不都合があるわけではありません。
むしろ、適切に税金を計算してくれるためのものと考えることができます。
これからは個人の経済活動は、すべてマイナンバーカードにひもづけられていきます。
ですから、株式投資を始めようと考えているのでしたら、ついでにマイナンバーカードも作ってしまいましょう。
今後、いろいろな手続きにおいて手間を減らせるはずです。
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