2022年4月から、高校で金融教育が始まりました。
そのため、株式投資を始める高校生も増えていくでしょう。
高校生のときから投資に触れておくことには、たくさんのメリットがあります。
未成年でも投資を行えるように、証券会社では必要な口座を持つことが原則可能です。
ただし、未成年の場合は、口座開設が通常のやり方と異なります。
そこで、この記事では、高校生が株式投資を始めるときに知っておきたいことをまとめました。
どうぞ、最後までお読みくださいね。
目次
高校生が株式投資する3つのメリット
高校生のうちから株式投資をするのは、ハードルが高いと感じてしまうかもしれません。
しかし、知識や経験が少ない高校生だからこそ、挑戦する価値はあります。
その価値は、成人してから特に実感できるでしょう。
まずは、高校生が株式投資するメリットについて、以下の3点をご紹介していきます。
- 金融・経済・社会に関する幅広い知識が身に付く
- お小遣いやバイト代以外の収入源ができる
- 資産構築によって将来の選択肢を広げられる
【メリット1】金融・経済・社会に関する幅広い知識が身に付く
株式投資をするためには、投資の手段となる金融商品の知識が必須です。
実際に株式投資を行うことで、将来の資産形成・資産運用に必要な知識が自然と手に入ります。
さらには、社会人経験がない高校生でも、株式投資を通して、金融知識はもちろん経済や社会といった様々な知識を身に付けることができます。
また、副産物として、投資詐欺やマルチ商法などを見抜く目も養われるでしょう。
株式投資をしていると、「こんなおいしい話が存在するわけがない」と、まず直感で分かるようになります。
成人年齢が18歳に引き下げられたこともあり、だまされないための知識を身に付ける意義は大きいといえます。
【メリット2】お小遣いやバイト代以外の収入源ができる
高校生の主な収入源といったら、お小遣い・バイト代など。
学生の間は、そこまでお金は必要ではないかもしれませんが、収入源が増えるのは嬉しいですよね。
株式投資では値上がり益(キャピタルゲイン)・配当金(インカムゲイン)・株主優待といった収益を上げることができます。
特に、配当金と株主優待の2つは、株式を持っているだけで得られます。
配当金が多めに受け取れそうな株式であれば、非課税制度のNISA(ニーサ)を使って買うのがオススメです。
値上がり益については、反対に値下がりして損してしまうリスクがあります。
ただ、しっかり勉強すれば、ある程度はリスクのコントロールが可能です。
まずは無理のない金額を適切に投資して、収入源の確保を目指しましょう。
NISAで株式投資が非課税に!2024年に始まる新NISAを解説【メリット3】資産構築によって将来の選択肢を広げられる
配当金を重視して長期的に株式投資を行う場合、できるだけ早い段階から始めるほど有利になります。
配当金を投資に回しつづけることで、投資額と配当金が積み重なっていく、「複利効果」が見込めるからです。
配当金の年利(投資額に対する1年あたりの利益率)がわずかでも、長期的には大きなリターンになることもあります。
特に、高校生のころから株式投資を始めれば、「超長期投資」の実践が可能になります。
また、投資の世界では「時間分散」という概念があります。
長期間にわたって積立投資をすることで、リスクを抑えることが出来るのです。
高校生から株式投資を始めれば、時間的なメリットを最大限に享受できるわけですね。
大学生や社会人になったときにお金があれば、留学や結婚、起業などをしやすくなるでしょう。
長期投資を高校生のうちに始めると、将来の夢を叶えるために必要な資産を築きやすくなります。
高校生が株式投資をする際の3つの注意点
先述の通り、2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げられました。
そのため、高校生が株式投資にチャレンジしやすくなったことが注目されています。
しかし、社会経験の少ない高校生が何となく株式投資しているだけでは、大きな学びや利益は得られないでしょう。
株式投資を始める目的・目標を明確にし、意識しながら、実践することをオススメします。
そのうえで、以下3つの注意点をしっかりと理解し、投資に挑戦していきましょうね。
- まとまった資金を要する株式が買えない
- 扶養から外れて税金が課されるケースがある
- 持っている資金の範囲でしか株式投資できない
【注意点1】まとまった資金を要する株式が買えない
高校生が投資に使える資金は少ないため、購入できない株式が少なくありません。
なぜなら、国内の上場株式※は単元株という最低取引単位が定められているからです。
※上場株式とは、東京証券取引所などで取引されている株式のことです。
個人投資家の多くが取引している上場株式は、基本的に100株単位です。
そのため、ある程度のまとまった資金が必要になるのです。
仮に、1株1,000円の銘柄を1単元購入する場合、1,000円×100株=10万円の資金を用意しなければなりません。
よって、「単元未満株」「ミニ株」といった、1株単位で取引できる株式から買いはじめるのがオススメです。
100株単位の株式は、まとまった資金ができてから検討するとよいでしょう。
【注意点2】扶養から外れて税金が課されるケースがある
ほとんどの高校生は、家族の扶養に入っていることでしょう。
扶養に入っていると、税金の一部が控除されるメリットが生じます。
しかし、株式投資で利益をあげると、扶養から外れてしまうケースがあります。
この点は、高校生が株式投資をするなら要注意です。
主な対策としては、証券会社の口座を「特定口座(源泉徴収あり)」にすることが挙げられます。
「特定口座(源泉徴収あり)」で株式を買っていると、利益から税金分を自動的に天引きしてもらえます。
株式投資でいくら利益を出しても、扶養から外れる心配はありません。
ちなみに、特定口座は、口座開設や株式購入のときにチェックを入れるだけで使えます。
特別な手続きも口座の使用料も特にありませんので、ご安心くださいね。
【注意点3】持っている資金の範囲でしか株式投資できない
証券会社から借りたお金で株式の売買等を行う取引のことを、信用取引といいます。
簡単にいえば、所持金を超える取引ができる仕組みですね。
しかし、信用取引をすると、大きな借金を背負うリスクも生じます。
それだけに、今のところどの証券会社でも、未成年口座では信用取引ができません。
高校生のうちは、所持金のなかで株式投資するしかないのです。
とはいえ、そもそも高校生が株式投資を始める際は、以下の投資三原則を守る必要があります。
- 少額投資:ムリのない金額から始める
- 長期投資:複利効果でお金を増やす
- 積立投資:少しずつ投資金額を増やしていく
投資三原則は、リスクを抑えながら確実にお金を増やしていくためのルールです。
信用取引は投資三原則に反するので、もともと高校生に向かない投資スタイルといえます。
高校生が株式投資を始めるための3ステップ
高校生が株式投資を始める際のポイントが理解できたところで、さっそく口座開設をしてみましょう!
手順としては以下の通りです。
- 投資の基礎知識を身に付ける
- 親権者の了承を得る
- 証券口座を開く
【ステップ1】投資の基礎知識を身に付ける
何も知識がない状態で株式投資を始めるのは非常に危険です。
ただ株価を示すグラフを見て、上がりそうな株をなんとなく買おうとしていたら、要注意。
根拠なく買った株式は、株価が値下がりする可能性も十分考えられます。
株式投資では、以下のようなさまざまな要因で株価が変動します。
- 世界経済の指標
- 政治動向
- 個別企業の業績動向
- 個別企業のニュースリリース
- 機関投資家の売買
- TOB
安心して株式投資をするためにも、まずはしっかりと知識を付けることから始めましょう。
【ステップ2】親権者の了承を得る
未成年口座を開設する場合は、親権者があらかじめ、対象の証券会社の口座を開設してることが条件になっている場合が少なくありません。
しかし、株式投資を始めようと高校生が親に相談した場合、断られてしまうこともあります。
株式投資をギャンブルと同じようにとらえ、リスクが大きいと考えている。
親自身が株式投資で大損を出した経験がある。
親が同意しない理由はいろいろと考えられます。
そのようなときは、高校で金融教育が始まっている事実、高校生の株式投資を国も後押ししてくれている事実を、安心材料として伝えてみてください。
【ステップ3】証券口座を開く
高校生が株式投資を始めるためには、証券口座(未成年口座)を開設する必要があります。
先述の通り、ほとんどの証券会社は、親権者がその会社の口座を持っていることを開設条件としています。
ただし、証券会社によっては、親子同時に申し込みできるところがあります。ぜひご確認ください。
証券口座を開設する手順は、以下の通りです。
- どこで口座を開設するか比較検討する
- 口座開設ホームページから申し込む
- 本人確認書類・マイナンバーを提出
- 必要事項を入力してデータを送信する
- 郵便またはメールで完了の通知がきたら口座開設完了
なお、高校生が証券口座を開設する際の必要書類は、証券会社によって異なります。
証券会社が公開している情報を、しっかりチェックしておきましょう。
高校生にオススメの証券会社3社
基本的に、ネット証券では未成年口座を開ける証券会社が多めです。
以下では、高校生が株式投資を始める際に、オススメの証券会社を3つご紹介します。
- SBI証券
- 楽天証券
- ペイペイ証券
【証券会社その1】SBI証券
☆SBI証券のおすすめポイント3選
- 未成年口座であっても通常の口座と同様に、Tポイントを使って投資ができる
- 1,000万円までは銀行預金のような公的な保護(投資者保護基金)があるため安心
- 少額投資の1株から購入できる
高校生がSBI証券で口座を開設するためには、親権者がSBI証券の口座を持っている必要がありますので、注意しましょう。
【証券会社その2】楽天証券
☆楽天証券のおすすめポイント3選
- 楽天ポイントを使って投資ができる
- さまざまなサービスでお得にポイントをゲットできる
- 未成年口座の開設申し込みが全てWebでできる
楽天証券もSBI証券と同様に、親権者の口座開設が必要です。
【証券会社その3】PayPay証券
☆PayPay証券のおすすめポイント3選
- 高校生の場合は親権者のPayPay証券口座が不要(0〜14歳の場合は必要)
- 1,000円からの少額投資ができる
- 投資を学べるコンテンツが豊富
PayPay証券は、SBI証券や楽天証券とは違い、高校生が株式投資をする際に、親権者の口座開設が不要な点が嬉しいですね。
高校生にオススメの株シミュレーションアプリ3選
とはいえ、「いきなり実際の株取引をするのは不安……」という方も多いと思います。
そこで、まずは株シミュレーションアプリを使って、株式投資の練習をしてみましょう。
スマホを使ってゲーム感覚でできるものが多いので、高校生にはとてもおすすめです!
以下、3つのアプリをご紹介しますね。
- 株たす
- トウシカ
- トレダビ
【アプリその1】株たす
「株たす」では、本番同様の操作画面、株価を利用して本格的な取引体験ができます。
また、株式投資の基本を学べるコンテンツも充実しているため、金融知識も身に付けることができるでしょう。
【アプリその2】トウシカ
「トウシカ」では過去の値動きを使った短期トレードが練習できます。
また、アプリを通して、積立シミュレーションもできるため、「複利」を勉強するにも役立つでしょう。
【アプリその3】トレダビ
「トレダビ」では 本物の株式市場データを使用しているため、リアルな取引体験が可能です。
スタート資金が「1000万円」と高額なため、資金管理については注意しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
この記事をお読みいただいたあなたなら、高校生のうちに株式投資を始めることができるはず。
若いうちから株式投資の勉強をすることで得られる経験は、確実に、あなたの今後の人生に生きてきます。
株式投資の開始に向けて、ぜひご両親と相談してみてくださいね!