老後に備える資産運用iDeCoとは?商品選びや運用のコツを伝授!

老後に備える資産運用iDeCo

資産運用の一つ、iDeCoをご存知でしょうか。

「人生100年時代」が到来し、長期化する老後にそなえ、自身の公的年金の状況を確認し、さらに、退職金や企業年金も含めて、老後の資金を考えなくてはいけない時代背景になっていることは間違いないでしょう。

老後の資産の構築をしていこう、というのがこのiDeCoというわけです。

当記事では、iDeCoの特徴や運用方法をわかりやすく解説していきますので、ぜひご覧ください。

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)とは?

iDeCoは自分で申し込み、掛金を拠出し、自分で運用方法を選んで掛金を運用するというもので、 掛金とその運用益との合計額を給付として受け取ることができる資産運用です。

そして、掛金、運用益、給付を受け取るときに、税制上の優遇措置が講じられているのが特徴です。

iDeCoの掛金は、月々5,000円以上1,000円単位で、自分の加入資格に沿った上限額の範囲内で設定できます。(平成30年1月より、掛金の拠出を1年の単位で考え、加入者が年1回以上任意に決めた月にまとめて拠出(年単位拠出)できるようになっています。)

iDeCoの加入は任意となりますが、『60歳になるまで、引き出すことができない』という条件があります。

60歳になるまで引き出せないという事は、「長期」の運用が前提になっている制度なのですので、無理なく継続して拠出できる掛金額を設定しましょう。

iDeCoを一言で表すなら、自分で作る年金制度と言えます。

確定拠出型年金は2種類ある

また、確定拠出年金には、個人型のiDeCoと企業型のDCの2種類あります。

いずれも老後資金を作る制度ですが、個人型(iDeCo)は自分で自分の老後に備える制度、企業型は会社の退職金制度です。

確定拠出年金の企業型では、加入、掛け金、納付方法、金融機関の選択、運用商品、口座管理料などを、ほぼ会社が対応してくれるので、ほとんどの方は勝手に積み立てられていたので、運用についてなどもあまり考える必要がありません。

しかし、このiDeCo(確定拠出年金、個人型)では上記に上げたすべてを自分で選択し、判断、運用しなくてはいけません。

また、加入資格の条件を満たしていないとできないので、先ずは自分に加入資格があるかどうかのチェックが必要となります。

iDeCoを行う際のポイントについて

iDeCoのポイント

iDeCoは自分で作る年金だとわかりました。

では、iDeCoを資産運用の一環として考えた場合、重要になってくるポイントは『運用商品の選択』になります。

ここが皆さんの一番悩まれる部分だと思いますので、商品選びについて詳しく述べていくことにします。

まず、iDeCoは「長期」「積立」「分散」の考え方を取り入れた、リスクを抑えながら運用する事によって、老後資金を効率的に準備できる仕組みになっています。

商品の種類について

商品の種類は大きく分けると「元本確保型商品」「投資信託」の2種類があります。

多くの金融機関ではiDeCo向けに10〜20本程度の商品を用意しています。

いろいろな名称が付いていますが、各金融機関が取り扱う商品の性質を大まかに整理すると、下記の①〜⑥のように六つの項目に分けることができます。

まずは、この分類を把握しましょう。

  • 元本確保型:①定期預金、保険
  • 投資信託(日本国内):②国内株式型 ③国内債券型
  • 投資信託(外国):④外国株式型 ⑤外国債券型
  • 投資信託(日本国内・外国):⑥株式・債権のバランス型

最初に理解しておく必要があるポイントは、その商品で運用した結果、元本割れするリスクがあるかないか、という点です。

①の(定期預金、保険)は元本確保型の商品なので、満期まで保有すれば元本割れがないという意味で、安全・確実に運用できます。(定期預金はいつ解約しても元本割れはしません。)

これに対し、②〜⑥はすべて投資信託という金融商品になります。

投資信託とは、多くの人から集めた資金をファンドマネージャーという運用のプロが、株式や債券など値動きのあるものに分散投資し、運用する商品です。

運用がうまくいけば元本確保型より高い収益を得ることができますが、運用がうまくいかないと元本割れになってしまうことがあります。

iDeCoで扱う投資信託

次に、②~⑥の「投資信託」の種類を少し詳しく見ていきます。

投資信託は大きく二つの観点から分類できます。

  • 対象とする資産による分類(株式・債権)
  • どの地域に投資するのか(日本国内・外国)

このように分類する理由は、投資対象が、どの資産(株式か債券か)や地域(国内か外国か)を選ぶかによって、期待できるリターンと、想定しておかなければならない損失のリスクが大きく異なってくるからです。

一般的には、高いリターンを期待する投資を行うと、考慮すべき損失リスクも大きくなります。

反対に、リターンをあまり追求しなければ、損失のリスクも抑えられます。

iDeCoで積み立てる年金資産は、加入者自身の責任に基づいて資産運用を行っていくことになります。

自身の資産運用の成果次第で、60歳以降に受け取る老齢給付金の額が増えることもあれば、場合によっては減ってしまうこともある制度だということをよく理解しておきましょう。

そのような、基本的な商品の種類を理解したうえで、次の5つのポイント、

  • 運用商品の性格又は特徴
  • 運用商品の種類
  • 期待できるリターン
  • 考えられるリスク
  • 運用商品の価格に影響を与える要因等※選択した運用商品は原則、いつでも変更することができます。

を商品選びの視点として持っておくと、より自分の考えや目標に合った商品を選ぶ手助けになると思います。

金融機関の選び方

金融機関の選び方

iDeCoをやろうと決めた場合、iDeCoを取り扱う金融機関(運営管理機関)を通して加入の申出をしないといけません。

現在、約160の金融機関が運営管理機関としてiDeCoを取り扱っているので、その中から、自分の好きな運営管理機関を1社だけ選ぶ必要があります。

注意点として、各金融機関で取り扱っている運用商品やサービス内容が異なっているので、よく比較検討することが必要です。

金融機関を選ぶ3つのポイント

約160の金融機関があると、その選び方も把握しておかないと決め切れないですね。

ここでは、金融機関を選ぶポイントを3つご紹介したいと思います。

1. 魅力的な商品はあるか

金融機関ごとに取り扱っている運用商品(元本確保型商品や投資信託など)は異なっています。

自分が運用したい金融商品があるかどうか、ラインナップを比較検討する事が必要です。

金融機関の担当窓口の言いなりになるのではなく、事前にある程度の金融商品知識をつけていくこと、また、いくつかの金融機関で話を聞いてみてもいろいろと見えてくるものがあるでしょう。

2.手数料はどのくらいか

iDeCoは、開設した口座にかかる毎月の管理手数料なども、金融機関によって異なります。

手数料は、長期運用の場合、非常に重要なポイントになります。

サービス内容と併せて、必ず確認、検討して下さい。

3. サービスは充実しているか

金融機関の窓口担当者の接客態度、説明内容の分かりやすさを含め、ホームページやコールセンター、報告書などのサービス内容が自分に合っているかを確認することも大切です。

手続き方法の説明や運用商品の案内、運用を学べる資料の内容などを比較して検討する事をお勧めします。

NISAとiDeCoはどう違う?

NISAとつみたてNISA、iDeCoとはどう違うの?と質問されるケースがよくあります。

これらはよく似ている部分もあり、表面的な説明だけ受けると分かりにくいと言われる方も多いです。

実際に行う際は自分の年齢、状況、将来の目標に応じて選ぶ必要があるので、各自が深く理解できるまで勉強して欲しいのですが、下記に簡単に判断できるケースを書いておきます。

  1. NISAが良い場合:100万円ぐらいまでの資金で短~中期(5年程度)を目安に、値上がり目的の投資をする場合。
  2. つみたてNISAが良い場合:まとまった資金ではなく、毎月3万円程度で5~20年を目安に、積立投資で値上がり目的の投資をする場合。
  3. iDeCoが良い場合:老後の資金作りを目的に10年以上かけて積立投資をする場合、iDeCoで投資をして「所得税控除」を受ける。60歳以降の受取時には「退職所得控除もしくは公的年金控除」を利用して老後資金にすると良い。

このように投資金額や投資可能期間を考えれば、自分にとって最適な選択肢が浮かび上がってきます。(共通点としてどれもが値上がり益が非課税となります。)

単純に老後の為の資産運用目的という視点で見た場合は、NISAとつみたてNISA、iDeCoの中では、もっとも節税メリットの大きいiDeCoがおすすめでしょう。

特に拠出時の税額控除と受取時の退職所得控除の節税効果は非常に大きく、それだけでも積み立てをして資産形成をするメリットは出てくると思います。

iDeCoがおすすめの人

iDeCoは他の金融商品と比べると毛色が違い、60歳になるまで引き出すことができない超長期投資です。

住宅購入や教育費などを目的にしている資金の積み立てには向きませんので、積立期間中にお金が必要になった場合、iDeCoの資金を使いたいと思っても60歳までは使えない点には、十分注意が必要です。

投資初心者から上級者まで、幅広い層が運用できますが、あくまでサブの資産運用として考えてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

iDeCoの特徴からNISA、つみたてNISAとの違いまでお伝えしてきました。

iDeCoはあくまで後資金として長期的な資産運用になるので、自分の人生設計とよくよく照らし合わせて、毎月の投資できる金額の設定と、将来の目標をじっくりと考えてから行ってくださいね。