私の考えるグローバルスタンスは3つのポイントで構成されています。
1つ目は「ポータブルオキュペーション」。
2つ目は「マルチカレンシー」。
この2つはどんなものか、これまでコラム内でお伝えしました。
そして今回は3つ目「クロスボーダー」をご紹介しましょう。
「クロスボーダー」とはなにか説明しますと、簡単にいえば「越境」という意味です。
例えば、「ビジネスを行うときはこの国」「留学するなら、あの国」「資産運用をするなら、あそこ」など、目的ごとに視点を変えて考えますよね。
このように「クロスボーダー」は日本を超えて、いろいろな視点から考えることの必要性を指しています。
正直な話、日本だけに資産を集中させておくことは非常にリスクが高いです。
何もしなくても資産が目減りする可能性が大いにありますからね。
実際に大企業以外の中小企業は、すでに海外へビジネスチャンスを求めて、外貨を稼ぎに行っていることからも、そのリスクは明白といえるでしょう。
そのため、目的別に複数の国で拠点をつくる「クロスボーダー・シフト」という考え方が必要になります。
目次
なぜ、クロスボーダー・シフトが必要なのか
もしこの先、日本に大地震や津波、大雨などの災害が起きて、有形資産がなくなったらどうしますか。
はたまた日本にハイパーインフレが訪れたとき、あなたはどうするでしょうか。
預金封鎖やデノミ(通貨単位が1/100や1/1000に切り下がること)が起きる未来だって、起こりえないとはいえません。
過去の話になりますが、日本の高度経済成長期には円高傾向が続いていました。
その頃の日本であれば、円で資産を保有しているだけで資産が自然と増えていきました。
しかし今の日本経済は低成長・低金利です。
その上、いつ起きてもおかしくない災害や経済危機を考慮すると、海外のほうが日本より恵まれた環境であることがわかりますよね。
以上をふまえて、今住んでいる国だけに資産を集中させず、海外にも資産を分散して保有・運用していくことが資産を守る上で大事なことだといえるでしょう。
資産を分散する上で気をつけるポイントは?
これから海外投資をしていこうと考えている方は、以下のポイントを気にしてみてください。
- 金融や不動産での運用が有利な国なのか?
- 教育に長けている国なのか?
- 生活がしやすい国なのか?
など、国ごとの特徴や強みをとらえて、複数の国に資産の保有・運用や移住地の確保をしていきましょう。そうすることでリスクに対応できるようにしていきます。
実際に本物の富裕層は、いろんなところに別荘など持っていますが、これもリスクヘッジのひとつです。 昔のヨーロッパでは、大切な資産が戦争などにより勝手に財産没収されることがあったので、保全場所を分散してきたわけですね。
資産運用はとにかく保全がベースです。
まずは無くさないこと。
そのうえでリスクヘッジをして、いかに増やしていくか。
そのために海外を活用していくのです。
仕事のスキルアップするときは研修を受けたり、資格を取ったりするのに、お金のスキルアップには何もしない方が多いですよね。
しかし何かを行動するときは、ルールや背景などを知らないとはじめの一歩は踏み出せません。
そのためには情報を得ることと、深く勉強していくことがやはり必要だと思います。
本当に目的を達成しようと思うと、知識と計画(ファイナンシャルプラン)と実践が必要です。
目的を達成する方法論はたくさんあります。
ですが、資産運用はその人の生き方や人生設計によって変わってきます。
一攫千金を狙う方もいますが、それも素敵な生き方です。自分に合う人生を送ることが重要だと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
アジア投資の鬼才 JACK 佐々木にインタビュー|前編