女性の社会進出の増加や、価値観の変化によって、年々増え続けている「共働き」。
どちらか一方が働く片働きよりも収入は多くなる傾向にありますから、「貯金」はしやすいはずですが、なかなか思い通りに行かないのが人生。
「毎月貯金しているのに、思ったほど貯まってない」
こんな現状に、頭を悩ませている人は意外にも多く、老後に必要と言われている2000万円までの道のりは ” 真面目にコツコツ ” だけでは、走り切ることが難しそうです。
そこで今回は、共働きを生かした、上手な貯金方法を解説していきます!
目次
世の中の夫婦はどれくらい貯金しているのか
2020年5月15日に発表された、総務省統計局の「2019年 家計調査(貯蓄・負債編)二人以上世帯」によると、年齢別の夫婦の平均貯蓄額は、29歳までで354万円、30歳~39歳までで730万円です。
ちなみに、年代別平均貯蓄額は、以下のようになっています。
年代 | 奥さんも働いている割合 | 平均貯蓄額 |
~29歳 | 41.1% | 354万円 |
30歳~39歳 | 53.9% | 730万円 |
40歳~49歳 | 59.4% | 1076万円 |
50歳~59歳 | 58.8% | 1704万円 |
60歳~69歳 | 39.4% | 2330万円 |
70歳~ | 12.6% | 2253万円 |
表だけ見ていれば、普通に貯金していても、60代のうちに2000万円貯めることは可能に思えますが、この金額は現金の貯蓄のみではなく、有価証券(株式・債券・投資信託など)、生命保険も含めた金額なので、労働収入だけで「老後2000万円問題」を解決するのは、かなり難しい状況です。
また、60代になると、退職金があるので、最後の最後に貯蓄額を一気に増やすことができるのですが、退職金は勤続年数に比例します。
会社の大きさにもよりますが、勤続年数が10年違うだけで、300万円以上も支給額が変わってきます。
転職によってキャリアアップを図っている方であれば、あまり期待はできないかもしれません。
お金が貯まらない3つの理由
毎月必ず貯金をしているのに、自分たちの貯金額が、平均の金額よりも下回っているなら、下記のことが原因かもしれません。
理由1:1ヶ月でかかる支出が正確に把握できていない
お互いが働いていると、家事や育児などにかける時間は、当然短くなり、外食やクリーニングなど、「時間をお金で買う」ような行為が増えるので、生活コストが高くなってしまいがちです。
こういったことは、家計簿をつけることで、1ヶ月にどれだけ入って、どれだけ出ていったのかが、「見える」ようになるので、余計な出費を減らすことができます。
理由2:具体的な目標金額がない
「毎月3万円は貯金」や「60歳までに2000万円貯める」といった具合に、具体的な目標金額を設定しないまま、貯金をしている人は意外にも多く存在しています。
ゴールやノルマを決めないまま貯金をすると、貯金額にバラつきが出るのはもちろんですが、モチベーションが保てない原因にもなってしまいます。
理由3:お互いの給料を知らない
たとえ夫婦だとしても、お金のことは話しづらいものです。
でも、それを放置していると、費用の負担に偏りが出てしまい、不満を抱えることになります。
「夫婦」という名称ですが、家庭という会社を共同経営しているも同然。
なかなか収入の増えない今の時代だからこそ、お互いの協力が必要なんです。
今日からできる貯金の4つのコツ
「ちゃんとした人」でなければ貯金はできないと、ハードルの高さを感じている方もご安心ください。
ズボラな人でも、しっかり貯金していける「貯金のコツ」をご紹介いたします。
コツ1:人生設計を話し合い、いくら必要なのかを知る
失敗しない貯金の第1歩は、ライフプランを話し合うことです。
内容としては、
- 子供は何人育てるのか?
- 家は買うのか?
- 共働きはいつまで続けるつもりなのか?
- 老後はどんな生活がしたいのか?
こういったことを、夫婦で話し合うことで、今後の人生でいくらかかるのかを、事前に把握することができます。
特に大事なのが、子供を産むかどうかです。
子供を18歳まで育てた場合、1年間でかかる教育費は以下のようになります。
幼稚園 | 22万3647円 |
小学校 | 32万1281円 |
中学校 | 48万8397円 |
高校 | 45万7380円 |
こちらは、公立に通わせたときの金額なので、私立へ行かせるとなれば、更に費用がかかることになります。
今の時代は、「子供を意識的に作らない、持たない価値観」通称、DINKs(ディンクス)と言われる、共働き夫婦のあり方も増えてきています。
安心の老後を迎えるためにも、まずは今後のライププランを話し合ってみましょう。
コツ2:「使う貯金」と「積み立てる貯金」に分けておく
人生は何が起こるかわかりませんので、突然の出費はつきものです。
もちろんそのための貯金なんですが、「急に必要になったから」と、貯金を切り崩してばかりいるのも、貯まらない原因となってしまいます。
二人で話した人生設計をもとに、「すぐに使う用」「車や家などの大きな買い物用」「老後用」など、用途別に口座を分けておくと、安定的に貯めていくことができます。
コツ3:定期預金に入れる
ズボラな方でも貯金はできるとお伝えしましたが、やはり貯金は、「己との戦い」であることに変わりはありません。
貯金が大事とわかっていても「あると使ってしまう」という方は多いのではないでしょうか。
こればっかりは性格の問題なので、一番の解決策は、定期預金を組んで強制的に使えなくすることです。
コツ4:ボーナスを貯金する
予定外の出費があれば、予定外の収入だって当然あります。
実際は予定通りですが、サラリーキャップの観点から見れば、ボーナスは立派な臨時収入です。
基本的には月々のお給料で日常生活は、やりくりできているわけですから、老後の安心のために、毎年のボーナスを貯金に回すという行為は、意外と賢い選択なんです。
自分の貯金を平均値以上にする方法
冒頭でもお伝えしましたが、労働収入だけで2000万円を貯め切るには、働いている会社のレベルや職場での肩書きが大きく影響してきます。
だからこそ、資産運用に目を向けることで、2000万円を達成できるどころか、3000万円、5000万円と、さらなる資産の構築も目指していけるようになります。
「失敗したら、せっかく貯めたお金がなくなってしまう」
誰もがこんな不安を抱くと思いますが、iDeCoやNISAなら、失敗のリスクはほぼないので、資産運用の第一歩として、最適だと思います。
また、NISAの様に積み立てるものとして、仮想通貨もあります。
価値の変動が大きいので、「大儲け」と「大損」両方のイメージが強い仮想通貨ですが、その原因はレバレッジです。
仮想通貨やFXにはレバレッジという、用意した資金よりも、大きな金額でトレードできる制度のことです。
イメージとしては、1000円しか持っていないのに、10万円分のトレードができるということです。
レバレッジの倍率を上げることで、小資金でも大きな利益を手にできますが、読み間違えたら、その分リスクも大きくなります。
ただ、レバレッジは「使わない」こともできるので、「レバレッジ0倍」で仮想通貨を保有すれば、仮に価値が1000円下がったとしても、わずか1000円しか損はしません。
この状態を「現物保有」と言ったりします。
レバレッジを使った状態で、1000円も価値が下がると、一気に資産を減らしてしまう可能性もありますが、現物保有の場合は、動いた価格の分しか減りません。
ただ、現物保有となれば、当然利益も減ってしまうのですが、仮想通貨のいいところは、「想像以上に上がる」ことはあっても、「想像以上に下がる」可能性があまりないということです。
なので、仮想通貨を現物で積み立てていくことで、いずれ大きな利益を手にできる可能性はあります。
共働き夫婦と貯金のまとめ
貯金成功の秘訣は、やはり計画を立てることです。
そういった中で、「共働き」という状況は、かなりアドバンテージがあるんです。
サラリーマンの生涯年収は、2億円と言われていますが、共働きの夫婦は、夫、妻ともに正社員であれば、生涯年収6億円と言われているんです。
特に、年金や退職金は、片働きと比べて大きく差が出てくるので、不安のない老後のためにも、ぜひ今回の記事を参考にしてください。
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