「投資を身近に!」をモットーに、分かりやすくイメージしながらお伝えしています。
よくある質問シリーズです。以前「始めるならどっちから?iDeCoとつみたてNISA」を解説しましたが、今回は「将来の積立を始めるには、iDeCoと個人年金はどちらから始めたほうが良いか」という質問にお答えします。
iDeCoはiDeCoという商品があるのではなく、iDeCoの口座を開設し、預金・個人年金・投資信託の商品を使って運用していきます。今回のこの個人年金は、民間の保険会社の商品として説明します。
目次
iDeCoと個人年金の3つのちがい
iDeCoと個人年金の3つの違いは、以下の通りです。
- 積立期間
- 確定申告や年末調整時の控除
- 受け取るときの節税
1.積立期間
iDeCoも個人年金も「老後のための貯蓄」を目的としています。そのため、iDeCoは60歳、2022年5月からは65歳まで拠出(積立)していきます。
個人年金は、民間の保険会社の商品ですので、加入の時点で積立期間を60歳・65歳・70歳等、自分で選択し決定します。解約するか保険料の支払いを止めない限り、積立が継続していきます。
iDeCoは開始すると自動的に60歳までの積立が決定し、2022年5月からは65歳までできるようになります。ただし国民年金に加入していることが前提です。すでに60歳の時点で国民年金の加入期間が40年に達している場合、60歳で積立は終了します。
2.確定申告や年末調整時の控除
iDeCoと個人年金の大きな差が出るのはココといっても過言ではありません。
iDeCoは、積立金額の全額を控除できます(控除については以前の記事「もう分かっている!?iDeCoの節税機能をおさらい」を参照ください)。たとえば、会社員で毎月23,000円iDeCoで拠出した場合、年間276,000円が控除されます。
一方、個人年金は控除額に上限があります。今から個人年金に加入し、年間8万円以上(月にならすと6,666円)の積立を行った場合、年間4万円が控除されます。積立金額を増やしても控除額は固定です。
3.受け取るときの節税
iDeCoも個人年金も受け取るときに“控除”があります。
iDeCoは一時金として受け取った場合は退職所得控除、年金で少しずつ受け取る場合は公的年金控除となり、所得税が優遇されます。
一方個人年金は一時金として受け取った場合、一時所得としてみなされます。「元本よりも増えた金額から更に50万円マイナスし、かつ1/2で計算してくれる」ので、所得金額が減る=所得税が減らせるというものです。前回の記事「今こそおさらいしよう!変額保険とは~後編~」で詳しく解説していますので、再度ご確認ください。
年金で受け取った場合には、iDeCo同様、公的年金控除となります。
決め手は運用!
個人年金の運用は主に国債です。そのため今から積立を行っても、ほぼ定期預金と同じくらいの利息しか付きません。中には外貨建で外国の債券を使った運用をすることで、利息を増やす商品もありますが、契約後は為替リスクも考えていかなければなりません。また投資信託を使った変額個人年金もありますが、保険料の一部は保障に回っていきますので、それであればはじめから投資信託で運用したほうがよいと言えます。
長期で積立を行うことを前提に考えた場合、まずはiDeCoで節税しながら、分散投資できる投資信託の商品をチョイスし運用を開始して増やし続けることをオススメします。