フリーランスになった場合の税金の注意点について解説

フリーランス 税金

サラリーマンから見るとフリーランスという生き方は、時間に束縛されず、自分の力量のみで稼ぎ、心豊かな人生に見えるかもしれません。

しかしその一方で、独立起業している訳ですから、いままで会社がやってくれていたような各種手続きを自分で行う必要が出てきます。

今回の記事ではフリーランスになった場合に、事業で稼ぐことの次に重要な税金の対策について見ていきましょう。

フリーランス後の税金の考え方

まず、考え方としてはフリーランスになった場合、会社員の時に給料から天引きされていたもの(税金や社会保険とかです。)それを全部自分でやる必要があるということを認識してください。

年金や国民保険は区役所で手続きできますが、税金は確定申告をする必要があります。
(※確定申告:所得に価格税金を自分で計算して申告・納税する事です)

フリーランスは税金についての理解をしていないと危険です。

税金を甘く見ているとあとでエライ目にあうので、まず初めに税金の知識を頭にインストールしてください。

きちんと仕組みを理解し、確定申告をしないと以下のようなペナルティを課せられるケースもありますので初めに必ず知っておかないといけない点から書いていきます。

大きく分けて4つあります。

確定申告でペナルティが課せられる4つのケース

ケース1:脱税

自分の意思で税金をごまかすことです。

よく聞く言葉ですね。

脱税が発覚した場合、重加算税が課せられます。通常支払うべき税金に加えて、税額の約35%のペナルティが与えられます。

さらに、状況によっては脱税額+重課税+過少申告加算税等というようにペナルティが加算され税額の50〜100%近くの税金が課せられる場合もあります。

ケース2:過小申告加算税

申告はしているものの、金額が少なかった場合、税額の約10%のペナルティが課せられます。

ケース3:延滞税

申告はするものの、確定申告の期限を超えてしまった場合に課せられるものです。

ケース4:無申告

確定申告をしていないことです。無申告加算税が課せられます。

原則として、納付すべき税額によって、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額が課せられます。

※フリーランスの方で多いのがこの無申告のケースです。

あとの言い訳として「忘れていた」「知らなかった」「忙しかった」など何を言って見ても税務署は100%許してくれません。

いかなる理由でも無申告としてペナルティが発生します。後の祭りにならないようにしましょう。

もしも、何年も確定申告をしていない場合は一番後悔する事になります。

無申告の場合は本税も払っていないので、本税+ペナルティを一度に払わないといけないからです。また、これに健康保険やペナルティが加算されますので、一度に数百万円の支払いになる場合もあります。

フリーランスになった場合はよくよく気を付けて下さい。

確定申告について

確定申告についても少し触れておきますと、確定申告は「65万円の青色申告特別控除」を検討された方がいいでしょう。

青色申告とは、1年間の収入や取引状況を一定の水準で記録した帳簿をもとに申告をする場合に受けられる申告制度です。

青色申告を選択すると、基本的には最大10万円の青色申告特別控除を受けることができますが、最大65万円の青色申告特別控除を受けたほうが税金の負担が軽くなるため「65万円の青色申告特別控除」をお勧めします。

最大65万円の控除を受けるためには、「正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)」にしたがって、日々の取引を記帳する必要があり、正規の簿記の原則で作成した「貸借対照表」と「損益計算書」を確定申告書に添付して、確定申告の申告期限内に提出する必要があります。

フリーランスと言っても事業を行うので、この際、帳簿の付け方も身につけておいた方が良いでしょう。

税金の種類と内容について

次にフリーランスになった場合の税金の種類を見ていきましょう

    【種類と納付時期】

  • 所得税:通常2月16日~3月15日(確定申告の期日まで)
  • 消費税:3月31日まで
  • 住民税:6月、8月、10月、翌年1月
  • 健康保険:6月以降毎月 (10期分)
  • 予定納税:7月、11月
  • 個人事業税:8月、11月

6月以降は何かと税金を支払わなければいけませんのでよく覚えておいてください。

各税金の内容とポイントについて
それぞれの税金の内容と、ポイントについて詳しく見ていきましょう。

税金の金額の目安を把握する

先ずは課税所得を計算してください。

  • 売上-経費=所得
  • ※売上から経費を引いたものが所得となります。(フリーランスの場合:所得=利益と考えてよいでしょう。)

  • 所得-控除=課税所得
  • (※控除:社会保険控除、医療保険控除など)
    ここで算出された課税所得に税率をかけたものが支払う税金の金額になります。

    では体的に税金はどれくらいになるのでしょうか。

    税種1:所得税

    納付期間2月16日~3月15日(この時期に確定申告をして税金を支払う事になります。)
    (税率5%~45%)
     
    5%~45%とかなり幅は広いですが、これは所得によって累進課税になっています。

      【課税総所得額/税率:控除額】

    • 195万円以下/5%/0円
    • 195万円を超え330万円以下/10%:97,500円
    • 330万円を超え695万円以下/20%:427,500円
    • 695万円を超え900万円以下/23%:636,000円
    • 900万円を超え1,800万円以下/33%:1,536,000円
    • 18,000,000 円以上/40%:2,796,000円
    • 4,000万円超/45%:4,796,000円

    ※平成31年4月1日現在法令等/平成27年分以降

    税種2:消費税

    納付期限3月31日までで、税率は売り上げの10%になります。
    ※消費税には免税事業者というものがあります。

    全前年の売り上げが1,000万円以下の場合、消費税は免除されるというものです。

    1,000万円を超えると消費税の納付義務が発生してきます。

    税種3:住民税

    納付期限は6、8、10、翌1月の年4回で、税率は10%になります。
    ※累進課税ではなく、一律10%かかってきます。

    税種4:健康保険

    税金ではありませんがかなり高いので注意が必要です。

    納付期限は、6月以降毎月(10期)になります。※10等分で納付していきます

    税率は、所得の約10%が目安になります。
    ※住んでいる自治体、家族構成で多少違いがあります

    税種5:予定納税

    来年に支払う予定(確定申告して収める予定の所得税)を事前に払っておく制度です。

    いわゆる、税務署が税金を取り逃がすのを防ぐための制度ですね。

    納付期限は7月・11月。納付額は、前回の所得税の3分の2になります。(前回収めた所得税が15万円以上の場合)

    たとえば、前回の所得税が30万円の場合、30万円の3分の2を目安に先払いしておくことになります。

    7月に10万円、11月に10万円、確定申告時に10万円というった支払い方です。

    所得税の金額は、一年間の売り上げが確定した後でないと決まりませんので、予定納税で収めるのはあくまでも目安の金額です。

    もしも売り上げが下がってしまい、所得税も下がってしまったら予定納税で支払いすぎた分はあとで返ってきます。

    税種6:個人事業税

    納付期限は8月・11月で、税率は約5%になります。 (※業種による、所得290万円以下は免除)

    これに加えて国民健康保険の支払いもありますので、トータルすると収入の40%ほどは税金関連の支払いに必要であると考えておいた方が良いと思います。

    これだけ税金を支払うのもなかなか大変だと感じる方が多い事でしょう。

    次に税金をできるだけ抑えることができる対策について知っておきましょう。

    税金を抑えるための2つのポイント

    税金を抑えるための要素は2つあります。

  • 経費を増やす
  • 控除を増やす
  • 経費と控除を増やせば税金も減らせるというわけです。(「売上-経費=所得」「所得-控除=課税所得」)

    ポイント1:経費を増やす

    仕事に関連する費用をできるだけ集めるようにしましょう。

    また、下記のような項目の費用が経費として認められます。

    • 家賃(自宅の場合、家賃の何%かを経費にできます。)
    • 電気代、通信費
    • 書籍代、研修費

    ※会社員では経費にできないものでもフリーランスの場合は経費として計上できます。

    ポイント2:控除を増やす

    下記のような項目に対する費用が控除の対象になります。

    • 小規模企業共済(自営業者の退職金のようなもの)
    • 国民年金基金、iDeCo
    • ふるさと納税

    フリーランス税金:まとめ

    いかがでしたか。

    フリーランスの場合、税金がいくらかかるかを初めから把握しておき、上手に節税することは事業と同様に大切な事となります。

    日頃から意識して経費の支払いを考え、控除対象となるものが何かを知っておくことも重要でしょう。