今こそおさらいしよう!変額保険とは~後編~

変動保険

保険の中身に投資信託を用いた変額保険。iDeCoやつみたてNISA口座が開かれることにより投資信託が身近になり、変額保険についての質問も増えています。そこで前回は、お客様からの質問より、変額保険のしくみと、解約のタイミングについて解説しました。今回は引き続き、変額保険の解約時の税金について確認します。

※前提条件として契約者=被保険者=受取人の場合でお伝えしていきます。

変額保険を解約したら、税金は掛かる?

そもそものお話をしましょう。金融商品は、原則、元本より増えた部分つまり利息で増えた金額に対し20%源泉徴収されます(※正確には20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、地方税5%です。以後、分かりやすく説明するため20%で統一します)。

預金でも例外はありません。通帳記入やネット口座の画面を見ると「リソク10円」と書いてありますが、すでに税金が引かれた金額が書かれています。専門用語でいうと「利子所得」となり確定申告もできません。

変額保険の場合は掛かる税金の種類が変わる!

では話を戻しましょう。変額保険を解約した場合は「一時所得」となります。「一時所得」はなかなかの優れものです。

「利息で増えた金額が50万円以内であれば、税金取らないよ」
さらに「50万円を超えても、半分にして計算してあげるよ」というものです。

もう少し詳しく具体例を挙げて説明しましょう。

たとえば、毎月3万円の保険料を10年支払っていたとします。元本は360万円です。解約時には運用が上手くいき400万円になっていました。

この場合、運用で増えた部分は400万円-360万円=40万円です。50万円に達していないので、税金は掛からず400万円がそのまま手元に入ります。

本来ならば、40万円×20%=8万円も税金で源泉徴収されるところですから、相当お得であると言えます。

これは変額保険だけではなく、終身保険やドル建て終身保険、学資保険や養老保険も当てはまります。

ただし養老保険の場合は一部例外があります。満期が5年以内のものや、一時払の場合です。一時払とは保険料を毎月あるいは毎年コツコツと支払っていくのではなく、その保険を一括で購入するイメージです。

たとえば20年満期の一時払養老保険などを5年以内に解約し、解約返戻金を受け取った場合も、「源泉分離課税」となり増えた金額に対して20%徴収されますので注意が必要です。

運用で増えた金額が50万円を超えたら?

先ほどの例を用います。

毎月3万円の保険料を10年支払い、元本は360万円。解約時には運用が上手くいき、仮に500万円になっていた場合。運用で増えた部分は500万円-360万円=140万円です。

まず50万円を控除(差し引き)ます。140万円-50万円=90万円。ここからさらに半分で計算するので、45万円。ここに税金(所得税)が掛かることとなります。

所得税率は、収入(給与等)から各種控除を差し引き、残った所得(もうけ)の割合で所得税率が決まります。仮に10%の所得税率の場合、45万円×10%=45,000円が所得税となります。

確定申告は必要?

上記の増えた金額が50万円を超え、所得税を計算した際、20万円を超えたときには、確定申告が必要です。サラリーマンの場合、あまり確定申告をする機会はないと思いますが、給与所得者でも確定申告を行う必要があります。

以上、変額保険を解約したときに掛かる税金についてお伝えしました。「一時所得」ぜひ覚えておいてくださいね。