時代は巡る!金融緩和から利上げで引き締め時代の外貨投資

時代は巡る!金融緩和から利上げで引き締め時代の外貨投資

さて、いよいよ金融のサイクルは、緩和から引き締め=利上げ時代へと巡りつつ。

先進国のトップバッターとして英国中銀が利上げをスタート。先頭打者が塁に出たことで、他の先進国も続きやすくなりました。米FRBも2022年中に、3回の利上げを行う見通しを示しています。

2021年をターニングポイントに転換した先進国の金融政策

このように、先進国での金融政策転換は、金融市場に大きな影響を与える可能性があります。今回は、利上げ局面での、外貨や株式の動きについて、まとめてみようと思います。

金融緩和 引き締め

英国や米国の金利上昇が与える影響

●英ポンドや米ドルが上昇する可能性:英国や米国は、金利上場。日本は横ばい⇒金融政策に差が生じる!
●株式市場に悪影響(下落)を及ぼす可能性:利上げは、企業の金利負担を重くする!

シンプルに教科書どおりなら、利上げ局面は、株式投資において、ちょっと難しい時期。これまでのように、相場全体が上昇トレンドにならないリスクあり。

●金融緩和時代:お金がジャブジャブと余っている時期
●インフレと金融引締時代:個別株の分析をしっかりと行う必要がある

ただし、こちら、株式・為替ともに、数多い変動要因の中の一つ。そのため、必ずしも、この通りに動くとは限らないため、ご注意ください。

為替相場は、金利差からキャリー・トレードが増加しやすい

米国及び英国の金利が上昇していけば、低いままに留まっている日本との金利差から、英ポンド/円や米ドル/円でのキャリー・トレードが増えていくでしょう。

そのため、英ポンドや米ドルが上昇するチャンスに恵まれる=FXで、スワップポイントを狙う外貨買い。外貨預金やFXに興味のある方は、外貨のチャートを確認しておくこと。

金利上昇は、株式相場にマイナス?

さて、続いては、株式市場の動きです。米国や英国の利上げに伴い、米国株式市場をはじめとする株式下落(調整)のリスクが高まっていると思います。ただし、即、下落と教科書通りの動きになるとは限りません。

前回、FRBによる利上げ局面は、2015年12月から2018年12月。この間、米株価は、全体的に上昇トレンド。ただし、利上げの最終局面となる2018年は、かなりの乱高下を見せました。

すなわち、利上げ=株式下落というのは、勝利の方程式として成り立ちにくいと言えます。その理由は、前回は、経済回復に伴う利上げだった。イエレン議長による景気と株式市場に配慮した利上げだったことが挙げられます。

当時、バーナンキ議長の後継として金融市場の信頼感を得ていたイエレン議長。彼女は、常に労働市場と景気に配慮し、利上げを急ごうとしませんでした。慎重に利上げを行い、景気が悪化すれば、すぐに対応策を取るという方針を打ち出して、じっくりと利上げを行ったのです。

インフレに押されての利上げは難しい

ただ、今回は、難しい利上げになりそうです。すでに、FRBや英中銀は、市場予想よりも早い動きを見せています。それでも、インフレを止めるには遅い状態ですけどね。

つまり、今回の利上げは、景気回復での利上げではなく、インフレ圧力に対するためという点が前回と違います。コロナパンデミックでの供給網混乱や景気悪化は、十分に回復していません。そのため、インフレ退治のために行う利上げは、株式市場や新興国に深刻なダメージを与える可能性があります。

また、利回り重視の株式や成長期待だけ大きい株式へのダメージも心配ですね。これまでバブルっぽい上昇をしてきた株式への投資などは、リスクに気をつけなければいけないと思います。