こんにちは。JACK佐々木です。
今回は2週にわたってお届けする、特別な内容です。
お話するのは、Withコロナのいま、私が得意としている2つの国の現状です。
盤石な資産構築の秘訣は「ポートフォリオ」を組むことです。
それも、ただ分散投資をするのではなく、視野を広げて投資先を探していくことが、コロナショックのような不測の事態を生き抜くために重要な考え方になります。
だからこそ、投資先を「意味もなく国内1本」に絞るのではなく、海外にも目を向けてみてください。
海外投資というのは、あなたが思ってリよりも、安く簡単に取り組める投資なんです。
今回の記事では、私が得意とするフィリピンの現状についてお伝えしますので、海外投資で成功するためにはどんなところに意識を向ければいいのか、ぜひ参考にしてください。
目次
「Withコロナ」になったフィリピンのいま
フィリピンでは、2週間にわたる首都圏と近隣4州の新型コロナウイルス防疫強化措置(ECQ)にともない、150万人の労働者が失職しました。
この影響を受けてフィリピン国内総生産(GDP)の1%である、1800億ペソ程度の経済的損失が発生したとの推計も明らかになりました。
また、政府内でも今年のGDP成長率の政府目標を下方修正せざるをえないとの見通しを明らかにしています。
フィリピン統計庁は5月上旬に、2020年のGDP成長率を下方修正したばかりなので、コロナ禍に伴う防疫措置の経済に対する深刻な影響が改めて浮き彫りになった形です。
現在は、修正防疫強化措置(MECQ)に1段階規制が緩められたことで、150万人の内50万人がすでに仕事に戻れたそうです。
そして残り100万人の失業者は、一般防疫措置(GCQ)へさらに緩和された時に、うまくいけば仕事を取り戻すことができるとニュースでは報じられています。
フィリピン経済の現状
失業者が急に増えたことから、昨年12月承認した6.5~7.5%の2021年成長率目標について「0.5ポイント程度引き下げられるだろう」と下方修正の見方が強いです。
また、2021年の経済成長率予測については先に、信用格付大手のフィッチ・ソリューションズが7.6%から5.8%に引き下げ、リスクが「非常に下方に傾いている」と警告しています。
また、フィリピン統計庁は今月8日、20年の成長率を前年比9.6%減に下方修正。
7.0%減だった1984年を下回り、統計が始まった1946年以降最悪の下落率だった9.5%減(速報値)から、さらに0.1ポイント引き下げています。
※谷啓之氏 4月23日マニラ新聞より抜粋
次に経済実態としては、どのように変化しているのかをお届けしたいと思います。
フィリピン経済の実体調査
毎週「JACK佐々木の西方見聞録」というメルマガのコンテンツ内にて、フィリピンとバリ(インドネシア)の経済状況をお届けしておりますが、その中の記事から抜粋してお伝えしたいと思います。
フィリピン人の93%がコロナ禍により家計収入が減った経験があり、以前よりも減収になっている人が65%に上っていることが、消費者信用調査会社トランスユニオンの調査で明らかになっています。
同社は3月5日~22日に比の成人865人を対象に新型コロナ大流行が消費者に与える経済的影響を調べました。
家計収入について、「コロナ禍で現在、マイナスの影響を受けている」65%、「現在は影響ないが、これまでにマイナスの影響を受けた」28%。
家賃収入の今後について、49%の方が「家計収入が減少する」と予想している悲観的なっています。
さらにコロナ禍で現在、家計収入が減少している人のうち、45%は「自分か家族が失業した」、42%が「自分か家族の勤務時間が短縮された」、24%が「自分か家族の事業をやめたり、注文が途絶えたりした」と回答。
家計のやりくりはコロナ前より困難になっており、47%が自由に使える支出を減らし、31%がデジタルサービスの利用を中止するか、減らしたと答えました。
88%が現在の請求書やローンを全額支払うことができるか心配しており、48%は4週間以内に支払いができなくなると回答。
28%はすでに過去1年間に支払い猶予や立ち退き免除などの便宜を図ってもらったという結果が出ています。
家計収入が減少し、請求書やローンを抱えている人のうち、49%が貯蓄を支払いに充てる予定で、44%が友人や家族からの借金を充て、45%が一部しか支払わないと回答。
47%が住宅ローン、41%が自動車リース、36%が住宅や賃貸の保険料、35%がクレジットカードの支払いができなくなると答えました。
トランスユニオン・フィリピンのピア・アレラノ社長は「コロナ禍の影響で極めて多数のフィリピン人の経済的な健全さや通常の生活、幸福感が失われ、その暮らしが劇的に変化した」と述べています。
投資の観点から見たフィリピンの今後
フィリピンの方々から見ると非常に厳しい現実ですが、別角度のビジネスシーンからみるとチャンスもあります。
現地の方を対象にマイクロファイナンスやレンディング(消費者金融)を行っている事業では非常にニーズも高まっているのです。
WWCAMのフィリピン法人ではその事業も行っていますので、悪い要素ばかりではないと言えると思います。
また、所得水準がそれほど高くないからこそ、復活も早くなると思っています。
新興国より先進国と言われている国のほうがダメージは大きく、復活するまでの時間はかかると思っていますので、一刻も早くワクチンが民間レベルに広がり、渡航解除がされるようになればと思います。
そんな中で、明るい材料もあることをお伝えしておきます。
我々の事業投資の一環にアイランド(島)売却プロジェクトというものがあります。
これは特殊なルートで島まるごとを一旦取得し、その島の状況により、登記をいれないまま保有し売却したり、登記を入れた法人ごと売却するという方法が存在します。
実は、アイランド(島)売却プロジェクトが大きく前進するニュースが先日報道されました。
ドゥテルテ大統領は4月14日、アキノ政権下の2012年に施行された大統領令第79号の一部条項を撤廃し、新規鉱山開発の凍結を9年ぶりに解除する大統領令第130号に署名しました。
コロナ禍による経済低迷から脱却するためにも新規の鉱山開発権を付与できるよう、鉱山業界や環境天然資源省鉱山地質学局などがこれまで訴えてきており、大統領のお墨付きを得た形となりました。
この法改正を要約すると、フィリピンにて新規鉱山の開発事業が大々的に展開できるようになったことを指します。
これにより、100を超えるマイニング(採掘)業者が申請を出し始めたといわれています。
この鉱山開発はまだ採掘可能鉱物資源の5%未満しか利用できておらず、開発促進による経済利益は大きいとされています。
海外投資で成功するためには
実はフィリピンの南西部側の島々があるエリアでは、昔から鉱山開発がなされており、日本の大手商社系の鉱山開発(マイニング)会社も参入しています。
そして私も、フィリピンにおいて多くの不動産の開発用地を所有しています。
この情報が出る前より、このパラワン周辺エリアにても土地や島を押さえて、リゾート開発会社などを対象に、売却プロジェクトを行ってきました。
それらの中には鉱物の採れる島のエリアや、山間のエリアなども含まれています。
ようするに、売却先の候補が不動産開発業者以外にマイニング業者も名を連ねるようになりました。
ですので、今回のこの9年ぶりの新規鉱山開発の凍結解除は、フィリピンの経済復興だけでなく、新たな投資先として、最大のチャンスとなっているのです。
このように海外では、日本国内だけに目を向けていたら見つけられない、様々な経済事象が常に起こっています。
その事象の数だけ、海外投資にはチャンスがあるので、ぜひあなたも今回ご紹介した情報を参考に、視野を広げて投資先を探してみてください。
それが投資で成功する近道です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
アジア投資の鬼才 JACK 佐々木にインタビュー|前編