今回は、極限までリスクをおさえた資産運用ができる、『マイクロファイナンス』と『レンディング運用』についてお伝えしていきます。
『マイクロファイナンス』とは、ローカルの低所得者層を対象に貸付を行い、担保として、原付・携帯・5人組の保証人を必要とする資産運用です。
そして『レンディング(貸金)』とは、ローカルの富裕層を主な対象としていて、貸付金額の3倍以上の土地やコンドミニアムを担保としています。
両方とも、毎月または定期的な利息を受け取り、取り決め期日がきたら元金返済を受けて、担保を返すという流れです。
金利は月利4~5%が通常で、期間は3か月~12か月という形で資金を運用します。
万が一、貸付金が返してもらえない場合は、銀行に担保を差し入れ現金化することで元金以上の資金を取り戻すことが可能となっています。
つまり、リスク保全ができるプランなのです。
投資家はMFI(マイクロファイナンスインベストメント)機関または、LI(レンディングインベストメント)機関に出資することで、運用益が受け取れます。
利益として年間で8~12%程度のリターンを目指します。
貸金業は会社で行っているものと、個人で行っているものがありますが、紹介が紹介を呼び、富裕層で資金繰りに困った方が依頼に来られるような状態になっています。
ただし、借りる資金より大きな担保を提供するので、貸し手側にも信用がないと実現しないシステムになります。
目次
貸付金が返ってこない場合はどうなるのか?
実際に貸付金が返ってこないときは、担保として土地やコンドミニアムの権利書(title)を預かり、公正証書をまき、返金がない場合の権利書を『Deed of Absolute Sale』(売買契約書)にして銀行に差し入れる流れです。
これは、中間省略(名義変更すると税金がかかるため)となり、その借受人の名義のまま、銀行での担保評価による資金の借り入れを行い、そのまま返済せず担保を流す形をとります。
例えば、3000万ペソの物件を担保とした場合、この物件の銀行評価が物件価格の50%だとすると1500万ペソとなり、利息を受け取るよりも高利です。
このケースになるのはレンディング6件に1件ぐらいの割合で、マイクロファイナンスにいたっては3%程度です。
しかし実はこのケースのほうがお金は大きく増えることになるので、貸付金が返ってこないで担保を得たほうがありがたいのです。
現地の人が銀行から借り入れをしない2つの理由とは?
なぜ、現地の方が銀行から借り入れをせずに、『マイクロファイナンス』や『レンディング運用』で借り入れをするのでしょうか。
その理由は2つあり、ひとつは審査が非常に厳しく、融資が下りたとしても時間がかかるからです。
もうひとつは、まだ銀行のファイナンスが未整備の部分もあり、民間の貸金を利用する方が多いからです。
『マイクロファイナンス』と『レンディング運用』は、投資としては珍しく、担保をとって資金運用するためリスクコントロールが非常に効いています。
通常の低リスク低リターン、高リスク高リターンなどの概念からは、外れた資金運用といえますが、ビジネス的な要素と、投資要素が組み合わさったハイブリット運用といえるため、とても効果的かもしれませんね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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