株式投資は、いつ配当金が受け取れるのか?

近年は世界的な株価の乱高下も続いているうえ、株価自体の水準が高くなっていることもあり、数年前と比較すれば、売却益を狙う戦略がだんだんと難しくなってきています。

そうした背景から注目されているのが、配当金などに期待するインカムゲイン。こちらであれば、株価の変動に一喜一憂することなくリターンを狙うことができるので、すでに多くの投資家たちは、続々と配当金を狙った投資へと戦略を切り替えているんです。

しかし、そこで気になるのは、実際に配当金を受け取れるタイミングではないでしょうか。そこで今回の記事では、配当金が「いつ受け取れるのか」について、以下の内容をまとめました。

  • 配当金はいつ受け取れるのか?
  • どこの企業でも支給しているのか?
  • 金額はどのようにして決まるのか?
  • 受け取る権利はいつの段階で発生するのか?

この記事を読むことで、配当金への理解も深まると思いますし、今日からインカムゲインで安定的なリターンを狙える知識をすべて網羅できるので、ぜひご覧ください。

それでは早速、配当について、説明していきますね。

配当とは

株式投資において、配当とは、企業が本業で得た利益を株主に還元する仕組みのことです。この仕組みにより、株主に利益が分配されることで、配当金が受け取れます。これが、いわゆる株を保有することで得られる利益であり、インカムゲインともいいます。

それでは、この配当金は一体「いつ」受け取れるものなのでしょうか。

配当金はいつ受け取れるのか

株式を購入したら、いつ受け取れるのかと待ち遠しくなるのが、配当金。しかし配当金を受け取れる時期は、基本的にあらかじめ決められています。具体的には、3月の決算後と6月の中間決算後、2回のタイミングで受け取ることが可能です。

なぜ2回に分けて配当されるのかといえば、それぞれ異なった仕組みで利益が分配されるからですね。続いてはその仕組みを、具体的に解説していきましょう。

剰余金の配当の場合

剰余金とは、かんたんに言うと、企業が利益を上げ、余ったお金のことです。
剰余金の使い道は新規事業開拓、企業の設備投資など多岐にわたりますが、そのなかの1つとして、出資者である株主に利益を還元する目的で、配当金があるんです。

そのため配当金は、企業の業績によって、その金額が変化します。つまり、業績が良ければ剰余金も増えるため、配当金は上がる可能性がありますが、業績が悪ければ剰余金も減るため、配当も少なくなる可能性があるわけです。さらに、剰余金と株価は必ずしも連動しないため、一時的に株価が上昇したからといって、配当金も上がるとは限らない点に注意しましょう。

なお、剰余金を配当金として分配する場合、その金額や分配率は企業の経営者側が決定し、株主総会で承認される流れを取ります。一般に株主総会は、企業の決算後3ヶ月以内に開催されますが、そこで決議されることで初めて、配当金が支払われる流れになっています。

したがって、一般的な企業の決算期は3月のため、その後の6月下旬ごろに株主総会が実施されると考えれば、実際に配当金として支払われるタイミングは「6~7月」になりますね。

中間配当金の場合

続いて、中間配当金とは、剰余金の配当金とは別のプロセスで支払われる配当金です。これは年度の途中で支払われるため、それぞれの企業によって、いつ配当金を支払うかのタイミングが異なります。さらに言うと、企業によっては剰余金のみを配当金として、そもそも中間配当金を支払わない企業も存在します。

なぜなら中間配当金は、前年期の利益が当初の予想金額よりも大きく得られ、かつ今後の損失を出すことが見込まれない場合にのみ、分配されるものだからです。なおこの場合も、具体的な金額は企業の取締役会議で決議され、配当金として支払われることになります。

基本的には中間決算後、2ヵ月程度が経過した頃に、中間配当金が受け取れる場合が多いので、前後半期の中間にあたる8~9月ごろに配当が発生することになるでしょう。

このように、多い場合で年2回の配当が株主には支給されます。しかし、これらはそもそも企業の業績に左右されるため、配当金がない企業もあるので注意しましょう。ちなみに、こうした配当金は「配当所得」にあたるので、利益に応じて税金がかかることも、頭に入れておくと良いでしょう。

配当金の受け取り方は?

続いて、配当金の受け取り方法についてですが、主に以下の3つがあるのでまとめて見ていきましょう。

  • 株式数比例配分方式…それぞれの証券口座で、配当金を受け取る方法
  • 配当金領収証方式…株式発行会社から株主の自宅へ配当金領収証が郵送され、郵便局などで受け取る方法
  • 登録配当金受領口座方式…あらかじめ指定している銀行など金融機関の口座で受け取る方法

このように、あらかじめ口座を指定されていることもありますが、どの方法が自分にとって手間なく済むかを考えて、受け取り方法を決めるといいでしょう。

いつまでの購入で配当金がもらえるか

さて、配当金を受け取れるタイミングはご紹介しましたが、いつまでに株を買えば配当金を受け取る権利を得られるのか、次に気になるのはその点だと思います。実はここにもルールがあり、配当金を受け取るには、決算日の3営業日前に株を持っていることが条件になります。そのため、例えば決算日が3月31日とすると、その3営業日前の「権利確定日」は最短で3月28日となり、この日までに購入した株式が、配当金をもらえる対象になります。

ちなみに、この権利確定日というのは、「会社の決算日と同日の時点」のことであり、その時の株主名簿に登録されている株主に対してのみ支払われます。したがって、株式を購入して配当金を受け取るためには、それまでに名簿に記載されていることが条件となります。

配当金の金額はどのように決まるのか?

最後に、配当の金額はどのように決められているのでしょうか。こちらは、株主総会で決まった1株あたりの金額をもとに、保有する株式の数に比例した金額となります。

例えば、1つの株に対して100円の配当金で、株式を100個持っていた場合は、100(円)×100(個)=10000円となります。
ちなみに、この配当金が高いのか、低いのかを判断するための指標として、その目安となる「配当利回り」があります。その値は、1株あたりの配当金÷現在の株価で算出されます。この数値が高ければ高いほど、配当利回りが良いと言えるので、配当金を狙って株式を選ぶ際には参考にすると良いでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は、株式投資の配当金がいつ支払われるのかに始まり、その金額の決め方、さらには配当金が受け取れる権利、受け取り方まで説明してきました。

結論としては、配当金が受け取れる時期は、基本的に3月の決算後の「6月~7月」と、中間決算後の「8月~9月」の2回ですね。

しかしながら、配当金の有無はそれぞれの会社の業績によって異なるので、必ず事前に確認をしてから購入するようにしておきましょう。

今回の記事が、皆さんの今後の投資に活きることを願っています。

株式投資における利回りついて、プロが解説!! 株式投資は配当利回り4%~5%が理想的|利回り重視のリスクも解説